NZ/円、短期は“やや強気”。中期は下値リスクを残した状態。
今週はNZ独自の注目材料はありませんでしたが、アメリカのCPIや卸売物価指数が低下傾向を示し、インフレ鎮静化の兆しが窺えること、日本と欧米との金融政策格差を材料にした円売りが一巡したこと、米連邦政府債務上限枠の引き上げ交渉が難航していることなどから、クロス/円の調整下げの動きやリスク回避のドル買いが交錯し、NZドルは対米ドルで小反落、対円でも85円台後半から反落しています。
チャートを見ると、日足は昨年12月につけた88.17を基点として上値を切り下げる流れから上抜けた位置で推移しており、短期トレンドの変化は認められませんが、直近の陰線(4/11)が4/26につけた81.56を直近安値とする短期的なサポートラインを若干下抜けた位置で終えており、日足の形状が若干悪化しています。調整下げの範囲内ですが、83.80-90,83.50-60の下値抵抗を全て下抜けて終えた場合は調整下げ余地がもう一段拡がり易くなり、82〜83円台の足元を固め直す動きが強まり易くなります。
日足の上値抵抗が85.20-30にありますが、これを上抜けて終えれば下値リスクがやや後退、85.90-00を上抜けて終えた場合は86〜87円台にある一段と強い抵抗をトライする動きが強まり易くなります。日足の上値抵抗は85.20-30,85.60-70,85.90-00に、下値抵抗は83.80-90,83.50-60,83.00-10にあります。21日、120日、200日移動平均線は83.86,83.90,84.29に位置しておりこれらを下抜けきれておらず、短期トレンドは“NZやや強気”を維持しています。
一方直近の週足は小幅続伸して越週しましたが、上昇エネルギーの強いものではなく85円台乗せにも失敗しています。今週は上値トライの動きが先行しましたが、上値トライに失敗して押し戻されています。2手前の陽線が昨年12月につけた88.17を基点として上値を切り下げて来た流れから上抜けた位置で終えており、上値トライの可能性を残していますが、一方で、2020年3月につけた59.51を基点とする長期的なサポートラインからは上抜けておらず、この週足の上値抵抗が85.90-00にあります。86円台に乗せて越週するまでは下値リスクにも注意が必要です。週足の上値抵抗は85.50-60、85.90-00に、下値抵抗は84.00-10,83.40-50,83.00-10にあります。全て下抜けて越週した場合は82.00前後まで下落余地が拡がり易くなります。逆に86円台に乗せて越週した場合は中期トレンドも“NZ強気”に変化します。31週、62移動平均線は84.15と84.12にあり、下値抵抗として働く可能性を示唆しています。
5/11現在、31週移動平均線は84.15に、62週線は84.12にあり、下値抵抗として働く可能性を残している。
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