難解な相場展開、ただ依然ドルの頭は重そう(5/12夕)

12日の東京市場はドルが強含み。前日の欧米市場でドルは急落したが、その急落前の水準近くまで値を戻してきた。

難解な相場展開、ただ依然ドルの頭は重そう(5/12夕)

難解な相場展開、ただ依然ドルの頭は重そう

〇本日のドル円、一時134.80レベルまで値を上げ、前日高値134.84に面合わせする局面も
〇昨日欧米時間に一時133.75まで急落したが、本日東京で134.80レベルまで再び値を上げる
〇激しい上下動をたどり方向性を指摘するのが難しいが、ドルの頭は重い様相
〇目先は米経済指標の内容にまずは要注意、米債務上限問題や米金融不安にも引き続き注意が必要
〇欧米時間のドル/円予想レンジは134.20-135.50、ドル高・円安方向は135円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、21日線が再びサポートになるか否かにまずは注目

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場はドルが強含み。前日の欧米市場でドルは急落したが、その急落前の水準近くまで値を戻してきた。

ドル/円は134.50-55円で寄り付いたものの、全般小動き。値幅はわずか40ポイント程度にとどまったものの、それでも一時134.80円レベルまで値を上げ、前日高値134.84円に面合わせする局面も観測されていた。16時現在では134.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、東京の終盤に発表された英経済指標を受けてポンドが堅調裡。対円では前日に下回った169円回復をうかがう動きも。

一方、材料的に注視されていたものは「G7などをめぐる動き」と「米金融不安」について。
前者は、難航する米債務上限問題をめぐりバイデン氏が先日、最悪の場合として「G7サミットを含む外交日程をキャンセルすることもありうる」と述べるなか、新潟市で11日から開始されているG7財務相・中銀総裁会議を、フランスのルメール経財相が欠席したことが明らかになった。「グリーン産業法案発表」という国内要因によるものだという。致し方ない面もあるとはいえ、各国のG7軽視ともいえる姿勢に批判が今後強まる可能性もありそうだ。一方、それとは別に4月にはドイツ外相が中国を訪問。それを受け秦国務委員兼外相が8-12日の日程でフランスやドイツを訪問するなか、ロイターによると独政府筋から「G7首脳会議について、中国に対抗するための同盟構築を目指しているわけではない」との発言が聞かれたという。匿名ではあるものの、今後物議を醸しかねない。

対して後者は、米連邦預金保険公社(FDIC)が破綻したSVBやシグネチャー・バンクの全額預金保護でかかった費用を回収するため、銀行にトータル158億ドルの負担金を科す案を示したことが話題に。そうしたなか、米カリフォルニア州地銀のパックウエスト・バンコープが、5日時点の預金残高が前週比で1割減ったと明らかにしたことが嫌気され、同社の株価は11日だけで20%程度も下落している。根強い米金融不安に苛まれている感がある。引き続き続報などには要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日ロンドン時間の早朝に134.84円のドル高値を示現するも、そののち1円を超える急落。ドルの上値が重いことを再確認した格好だが、本日東京で「行って来い」。134.80円レベルまで再び値を上げてきた。なかなか激しい上下動をたどっており、悩ましい展開。方向性を指摘することも難しいのだが、やはりドルの頭は重そうだ。135円台へと乗せることがあっても、勢いにまかせたドル高進行は見込みにくい。
日米欧の政策金利をにらみつつ、目先的には発表される米経済指標の内容などにまずは要注意。本日でいえば、5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報に警戒を抱く向きがある。その一方、米債務上限問題や前述したように、根強くくすぶる米金融不安も波乱要因として引き続き注意する必要があるだろう。また、本日ではなく週末の要因としては新潟G7財務相・中銀総裁会議や、トルコ大統領選などが場合によっては波乱要因となりかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米タイムに一時134円割れ。133.75円まで下落し、ドル安方向への基調転換もやむなしと考えていたが、本日東京時間に復活している。ちなみに本稿執筆段階、ザラ場ベースでは移動平均の21日線(134.60-70円)を上回っての推移。このままNYクローズまで維持し、越週することになるのか否かに注目だ。
それに対してドルの下値は、133円半ばが目先はかなり堅そう。しかし、しっかり割り込めば132円台も。

本日は米経済指標として、4月の輸出入物価指数や5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表される予定だ。ただ、予定されていた「バイデン大統領と議会指導者との債務上限めぐる会談」は来週へと延期されたもよう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.20-135.50円。ドル高・円安方向は引き続き135円レベルが最初の抵抗。超えれば10日高値135円半ばが視界内に。
対するドル安・円高方向は、21日線が再びサポートになるか否かにまずは注目。下回ると昨日安値133.75円まで強いサポートは見当たらない。

難解な相場展開、ただ依然ドルの頭は重そう

ドル円日足


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