東京市場のドルは134円台での小動き、米政治家の腹の探り合いがドルの重しに
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、134円台半ばでの小動きとなった。昨夜の海外時間では、米新規失業保険申請件数の増加や、4月の生産者物価指数(PPI)の伸び鈍化を受けて、米2年債利回りは一時3.8%まで低下。金利低下を受けて、ドルは売り優勢となったが、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の「タカ派」継続な発言を受けてドルは買い戻された。
東京市場では、目立った売買材料に乏しかったこともあり、上下の値幅は30銭とトレードチャンスに欠ける地合いとなった。ドルの重しとなっている米債務上限問題に関しては、12日のバイデン大統領と共和党幹部の協議が来週に延期。市場では、「米債務上限問題はただのチキンレース」との見方が強かったことから、積極的な取引材料とはならなかった。
なお、株式市場では、引き続き海外投資家とみられる買いが入り、日経平均は年初来高値を更新。2021年11月以来の水準まで上昇した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:134円51銭
高値:134円70銭
安値:134円40銭
終値:134円70銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:146円85銭
高値:147円20銭
安値:146円74銭
終値:147円15銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:90円14銭
高値:90円24銭
安値:89円97銭
終値:90円16銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:168円32銭
高値:168円67銭
安値:168円21銭
終値:168円60銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:29199円30銭
高値:29426円06銭
安値:29141円52銭
終値:29388円30銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
23時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数、前回:63.5、市場予想:63.1
27時20分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演
※13日(土)
米、クックFRB理事の講演
米、ジェファーソンFRB理事、ブラード・セントルイス連銀総裁が討論会に出席
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。4月末の日銀金融政策決定会合後の数日、+2σを上回る強い動きは見られたが、3月8日の戻り高値137円92銭手前で失速した
日足の一目均衡表では、雲上限(133円00銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現していているものの、遅行スパンが実線に飲み込まれる可能性はある。20日MA(134円74銭)と9日MA(134円88銭)クリアを試す展開を期待したいが、いかんせん方向感には乏しい。3月24日安値を起点とした下値支持線はなんとか維持しているが、投資家による積極的なドル買いのモメンタムは感じられないことから、下値模索の攻防をしている状況と言えよう。
今晩の海外市場は、昨日同様、当局関係者の発言に注目となろう。市場が休場の土曜日にもFRB理事などの講演及び討論会が予定されていることから、週明けは、東京市場より先に始まるオセアニア市場での急動意に警戒したい。
もっとも、相場の最大の重しとなっている米債務上限問題は、最短で影響が出ると目されている6月1日まで日にちは十分ある。バイデン大統領と共和党幹部の腹の探り合いはまだまだこれからといったところか。毎度毎度のチキンレースではあるが、解決までの期間が長期になればなるほどドルの重しとなるのは間違いない。こうした政治イベントを考慮すると、問題解決まではドル売りのイメージを持っていた方がよさそうだ。
本日の上値メドは、9日MAの134円88銭、下値メドは昨日安値の133円74銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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