ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、安値7.27、高値7.48レベルと予想レンジよりも若干弱い地合いの一週間
〇南アフリカやランドの材料より米国中小金融機関破綻懸念によるリスクオフの円買いの影響大
〇ドルランドでのドル売りとのスピード差からランド円は火曜以降下げ続ける
〇絶対的な金利差から円高局面では本邦個人投資家を中心に円売りの動きが出やすい
〇今週は7.20レベルをサポートに7.45レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「テクニカルに3月末高値7.50と4月6日安値の半値戻し7.31を参考にして、7.30レベルをサポートに、7.50レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.27レベル、高値が7.48レベルと、予想レンジよりも若干弱い地合いとなった一週間でした。
先週のランドは、南アフリカやランドの材料よりも米国の中小金融機関破綻懸念によるリスクオフの円買いの影響が大きかった一週間でした。ランドにとっては好材料のひとつであるはずの金価格上昇(年初来高値の2079.4ドルまで上伸)もリスクオフが理由で安全資産としての金に資金がシフトしたことによる面が大きかったに過ぎません。
米銀の経営不安は当局のコントロールがうまく行っているとは言うものの、基本的な要因が高金利による短期資金調達と低金利による長期資金投資(貸出)といういわゆる逆ザヤによるもので、将来的にFRBが利下げに転じたとしてもすぐに解消できるような問題ではありません。現在の米銀はこの逆ザヤ問題による経営危機に晒されていますが、年後半に懸念される景気後退が現実のものとなると、貸出先の破綻懸念も出てくるでしょうから、今後もくすぶり続ける問題と言えます。
そして4月末の日銀会合で大規模緩和継続姿勢が明確となったことで短期筋による円売りが広がったところにリスクオフの円買いとなったことで、ドル円は4円以上も円高に振れ、結果としてドルランドでのドル売りとのスピード差からランド円は火曜以降下げ続けることとなったわけです。
今週も南アフリカ、もしくはランド関連のニュースよりもドル円の動きに影響する材料の方がランド円に与える影響は大きいと言えますが、先週の下げ局面でも日銀会合前の安値はトライできなかったことを考えると、絶対的な金利差がある以上円高局面では本邦個人投資家を中心に円売りの動きが出やすくなってくると見てよさそうです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
4月以降の動きを見る限りラインマーカーで示した7.20水準をサポートに、7.45水準をレジスタンスにしやすい動きに見えます。リスクオフの動きも今週に関してはサプライズは無いと思いますし、米国の債務上限問題も9日に与野党協議が行われてもすぐに合意という流れにはならなそうですから、基本的に横方向の動きになりやすいと言えそうです。
今週は上記の水準を参考に、7.20レベルをサポートに、7.45レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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