ECBの追加緩和織込は時期尚早(週報2016年10月第5週)

先週は何度も下値を攻めるものの1.08半ばで下げ渋りで推移。

ECBの追加緩和織込は時期尚早(週報2016年10月第5週)

ユーロ・ドル:10月24日からの先週

24日は、前週末の引けの1.0878で始まり、直後に24日の安値1.0859まで下押ししました。その後は、日経平均が上昇して引け、欧州時間に入り欧州株も上昇で、24日の高値の1.0899まで上昇しましたが、21日の高値1.0929に迫るものの1.09台も乗せられなかったことで売り戻しがjはいり、1.0881で引けました。

25は、前日引けの1.0881で始まり、東京時間に1.0893まで上げた後、米10年債利回りの上昇を受けのドル買いから、25日安値の1.0850まで下押ししました。NY時間に入り今度は買いのフローが入り、アジア時間の高値を上抜けて25日の高値の1.0905迄上昇して、1.0888で引けました。引けが1.090台を維持できなかった事が上値を重くしています。

26日は、前日引けの1.0885で始まり、すぐに26日安値の1.0873まで下押しましたが、欧州時間に入りユーロ圏の経済指標が良好数字であったのでユーロ買いになり、一気に26日高値の1.0946まで上伸。しかしその後ECBが2017年3月が期限の量的緩和(QE)プログラムをそれ以降も維持するとの報道で、売り優先となり1.0908まで下押ししてひけました。

27日は、前日引けの1.0908で始まり、東京時間に1.0892まで下押した後、海外時間に入り、27日高値の1.0942まで上伸したのですが、良好な米国経済指標でドル買いになりユーロに売りが入り、27日安値の1.0881まで下押しして、1.0896で引けました。

28日は、前日引けの1.0885で始まり、28日の安値は開始直後につけた1.0892でした。その後ユーロは終日買われてNY時間に入り、28日高値の1.0991まで上昇して、1.0985で引けました。この日のユーロ買いはドル売りが背景で、1つにはよくない米国経済指標と、もう1つはFBIが選挙までほぼ1週間というこの時期に、クリントン氏のメール問題を再捜査すると言いだしたことで、一気にリスクオフのドル売りとなりました。

ユーロ・ドル:10月31日からの今週

CME通貨先物ポジション状況:10月25日時点
   (10月25日)   (10月18日)   (10月11日)
円     44595    36991    45909
ユーロ▲123856   ▲109268   ▲93472
ポンド ▲83962   ▲91558   ▲95470

シカゴIMM:投機・投資家筋のポジションで10月18日付けのネットのユーロの売り持ち高は前週から更に大きく増加し、過去最大水準となりました。
過去最高の買い持ち高は、2007年5月15日 +119,538、
過去最高の売り持ち高は、2010年2月9日 -57,152

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
16.19(+0.83)日中高値は17.35。上昇しての引け。米株の上値が抑えられたことや、米大統領選挙の先行き不透明感が高まったことなどを背景に、リスク回避的な動きが強まりました。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39


ユーロは上値の重さが続くと見ます。
ユーロ域内の景況感は依然として改善傾向にあり、ユーロ圏の10月総合PMIは速報値ベースで昨年12月以来の高水準となりました。英国の欧州連合(EU)離脱決定がもたらした負のセンチメントは今のところ一旦乗り越えたようです。正直、ECBの意図は読みづらいのですが、ドラギ総裁は突然の緩和終了はないと断言しています。
つまり、買い入れ期限の延長や枠組みの変更は12月に作成される見通し次第であると思われます。
追加緩和を既定路線として織り込むには時期尚早と想定します。

今週は日銀金融政策決定会合と、FOMCが、両方あります。

日銀に関しては、
追加金融緩和をするか、しないかの議論です。
今回は何もせずに、追加緩和は見送られると、市場は織り込んでいます。
もう有効な金融政策を打つカードがあまり残っていないという意味と、
8日に米大統領選挙を控えて、その後に緊急事態が発生した際に動きがとりやすいように
今は動かないとの意味と2つあると想定されます。
そしてこれらを踏まえてECBなのですが、次回は12月8日です。
ECBの大きな問題は、現行の量的緩和(Q E)の期限が来年2017年3月に来てしまう事です。
ドラギ総裁は予てより、量的緩和(Q E)は今はまだユーロ圏には必要で、継続する旨を述べているので
か、その組み合わせによってユーロの売り材料にもなり、買い材料にもなるのです。

よって、結論は、今のところECBの追加緩和を織り込むのは時期尚早で、
それまでユーロは日銀やFOMCの動きを眺めての動きとなると想定されます。

予想レンジは、1.0800~1.1100 と見ます。



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