豪州の国民経済計算
本日豪州統計局より、2015/2016年期の国民経済の各種数値が公表されました。
(1) GDPと1人当たりGDP(2015/2016年期のGDPは2.8%…25年連続増)
2008/2009年期を底にして、GDP及び1人当たりGDPは回復・上昇傾向となっていますが、まだ1990年代後半や2000年代前半の強いGDPまでは戻っていません。
インフレ加速にはなりませんが、巡航速度を保ち安定的に推移しています。
(2)GDPとRNNDI(実質純可処分所得)の伸び…前年比僅か+0.1%の伸び
GDPの伸びに対して実質可処分所得の伸びがほぼゼロに近いところまで鈍化しています。GDPに占める消費の割合が大きいだけに、当面の懸念材料であり、先行きの動向に注意が必要です。また、追加金融緩和を判断する上で1材料となります。
(3)家計貯蓄率…6.8%に下がる
貯蓄率が2013/2014年期をピークに若干下降気味です。2014/2015年期には8.0%でした。可処分所得の伸びが鈍化している現状、毎月貯蓄に回せる金額が減っています。
一方で、労働生産性は同期間で1.5%の上昇となっています。
その他、輸出が6.7%と記録的な伸びを示し、GDP全体の伸びの+1.3%分に貢献しています。最終需要が+2.9%、政府支出が+3.8%、公共投資が+2.1%となった一方で、民間投資が▼5.2%となっています。この民間投資の内訳で大きなものは、住宅関連投資が+9.8%で、過去13年間では最大の伸びとなりました。非住宅関連(主に鉱山関連)投資が▼16.5%となり、過去5年間連続してマイナスとなっています。昨今の商品価格相場の回復でこの分野が底打ちを始めていますが、一方で住宅部門の伸びがバブルに近いことから反落懸念が起きています。
また、GDPデフレーターは0.4%下がりました。これは家計消費の減少や小売価格の低下要因が影響しています。
尚、同じ時間帯に発表された第3四半期生産者物価指数は前期+1.0%に対し、今期は+0.5%に留まり、デフレ脱却にはなりませんでした。
豪ドル/米ドルは、昨日のNY時間帯に米長期債の売り(金利高)に豪ドルは31日線(0.7613米ドル付近)を切り、現在は31日線下回る水準で小動きとなっています。まだ完全には下抜いていませんが、0.7580米ドルを切ってくると、一段の豪ドル下押しの可能性が増してきます。この場合は0.7550〜60米ドルと31週線(0.7531米ドル)が目途になります。シカゴポジションの豪ドルロングが3万枚近くまで積み上がっていましたので、今週通じてポジション調整売りが出ている模様です。いよいよ来週1日(火曜日)の豪州中銀の金融政策待ちになっています。
(10月28日15:00、1豪ドル=0.7588米ドル)
オーダー/ポジション状況
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