ユーロ圏第1四半期GDP速報値の予想
(今回発表予想)
(4月28日9時現在)
本日、ユーロ圏の1Q・GDPが発表されます。昨日の米国1Q・GDPは予想を大幅に下回る数値になりましたが、インフレ指標のPCEコアが予想を上回ったことで米金利高からドルが反発しました。内容的にはドル買い材料(景気低迷下の金利高、個人消費も予想以下の結果)とは言い難いですが、市場はまだ米国の利上げに反応する地合いになっています。
今日のユーロ圏GDPは米国1Qと伸び率では変わらない予想になっています。米国の前年比ベースは+1.6%でしたので、ユーロ圏の+1.4%とほとんど同レベルです。
上図(1)を見ると、コロナ前の青のトレンドラインからは更に乖離しています。ECBの3月時点の2023年GDP予想は+1.0%(昨年12月時+0.5%からは上方修正)ですので、ほぼその先行き見通しに沿った結果になりそうです。
また、このGDP発表1時間前(日本時間17時)にドイツの1Q・GDPが発表されますが、前年同期比+0.3%(2022年4Qは+0.9%)予想ですので、まずこの結果を見て、類推する必要がありそうです。ユーロ圏GDPの予想レンジ下限は+1.1%ですので、もし+1.0%未満になると相場への影響がでそうです。
来週5月2日にユーロ圏の4月HICPが発表されますが、今日、フランス・ドイツのCPIが先行して発表されます。予想はインフレ高止まりになっています。昨日の米国と同じパターンになるかもしれません。
フランス・ドイツの4月消費者物価指数
(全て前年同月比)
下図はユーロドルの週足です。2022年9月26日週底値からのラインA(=1.0710)とそこから平行に上げた上値目安のB(=1.1520)でユーロ高トレンドラインを形成しています。このレンジ間で3月13日週底値からのサポートC(=1.0980)と1月30日週高値から、各高値を結んだD(=1.1110)でウェッジを形成し、今週はその収斂の極みまできています。
このCの上げを見ると、今週の寄り付きが1.0992で、今日これ以上になると6週連続陽線になります。2014年以降、最大は2017年12月下旬の7連続陽線が最大で、この時の値幅は約800ピップスのユーロ高になっています。今回Cの開始が1.0516ですので、今・来週も陽線となれば、上値目途としては1.1316が計算されます。この場合はDを抜け、現在のスポットから300ピップスのユーロ高となります。逆に陰線になると、Cを下抜けて終わる可能性もあるので、目先のユーロ高からの調整入りになりそうです。
現状はCを切りA方向への下押しが先行するのか、あるいはDを越えてB方向へのユーロ高を継続するのか、まずは今日のGDPと仏・独のCPIが材料になります。
(4月28日10:50、1ユーロ=1.1032米ドル)
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