トルコリラ円見通し 6.90円台前半で揉み合い、終盤の円高に押される(23/4/25)

トルコリラ円の4月24日は概ね6.94円から6.90円の取引レンジ、25日早朝の終値は6.91円で先週末終値の6.90円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 6.90円台前半で揉み合い、終盤の円高に押される(23/4/25)

6.90円台前半で揉み合い、終盤の円高に押される

〇トルコリラ円、4/25午前序盤は6.91を挟んだ揉み合いで下げ渋っている
〇対ドル、4/24終値19.41リラ、ユーロ/トルコリラと共に終値ベースでの最安値更新
〇トルコ4月製造業信頼感指数と設備稼働率は改善
〇4/27トルコ中銀金融政策委員会、市場の政策金利事前予想は週間レポレート8.5%の現状維持
〇6.90を上回るうちは上昇余地あり、6.93超えからは6.95前後への上昇を想定
〇6.90割れからは下げ再開を警戒、6.88、6.86を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の4月24日は概ね6.94円から6.90円の取引レンジ、25日早朝の終値は6.91円で先週末終値の6.90円からは0.01円の円安リラ高だった。
ドル円は4月19日高値で135.11円をつけて3月24日安値129.63円以降の高値を更新したところから4月21日夜安値133.54円へ反落したものの、その後は持ち直しに入り24日夜には134.72円へ戻り高値を切り上げていたが、ユーロ高ドル安の進行と米長期債利回り低下を見て25日朝には一時134円を割り込むところまで反落した。
トルコリラ円はドル高リラ安基調を気にしながらドル円の騰落を追いかける展開を続けており、4月19日高値6.96円で3月24日安値6.74円以降の高値を更新したところから円高に圧されて21日夜安値6.88円まで下げたが、ドル円の持ち直しに合わせて24日夜には6.93円まで切り返した。しかし深夜以降にドル円が下落したために25日早朝に6.90円まで反落した。25日午前序盤は6.91円を挟んだ揉み合いで下げ渋っている。

【対ドルでは終値ベースの史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの4月24日は概ね19.42リラから19.38リラの取引レンジ、25日早朝の終値は19.41リラで先週末終値の19.40リラからは0.01リラのドル高リラ安だった。
4月24日夜はECBによる次回理事会での0.50%利上げの可能性や独IFO景況指数の改善からユーロ高ドル安が進行し、ユーロドルは4月17日深夜以降の高値を更新して4月14日高値に迫った。ポンドドルも18日未明安値以降の高値を更新するなどドルストレートでのドル安感が強まったもののトルコリラは長期的なリラ安基調に沿った展開を続けた。ユーロ/トルコリラでは4月14日に21.55リラをつけて史上最安値を更新してからも最安値近辺にあり24日は安値及び終値で21.46リラをつけ、終値ベースでの史上最安値を更新している。

手元のデータでは4月17日と19日の安値で19.46リラをつけて取引時間中の史上最安値を更新してからも19.40リラ台の安値を繰り返し試し続けている。24日は新たな安値更新を回避しているもののベンダーによっては安値で19.45リラの提示も見られる。
日足の終値ベースでは4月10日終値19.27リラから17日終値19.39リラまで6営業日連続で最安値を更新し、20日に19.40リラへ最安値をさらに更新して21日も同値としていたが、24日終値は19.41リラへ最安値を更新している。
4月25日午前序盤は19.38〜19.41リラの取引レンジで推移している。

【トルコ4月製造業信頼感指数と設備稼働率は改善、27日のトルコ中銀MPCでは利下げ見送り予想】

4月24日にトルコ中銀が発表した4月のトルコ製造業信頼感指数は108.0となり3月の105.2から上昇した。昨年12月に97.8まで悪化したところから改善傾向を示しており、2月6日に発生したトルコ南部大地震の影響は指数に見られずに2022年5月以来の水準へ回復している。
4月の設備稼働率は75.4%で3月の73.5%から改善したものの、昨年12月の76.6%を下回った状況が4か月続いている。これら指標への市場反応は限定的だった。
4月27日にトルコ中銀MPC(金融政策委員会)があるが、市場の事前予想では政策金利の週間レポレートは8.5%で現状維持と見込まれる。2月23日には大地震の影響により9.0%から8.5%へ利下げされたもののあくまでも一時的な救済対応とみられ、5月14日の大統領選挙を控えた状況ではリラ安の進行もあるために追加利下げには踏み切らないだろうとの見方で衆目が一致している。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、4月19日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りしとして21日夜から25日夜にかけての間への下落を想定したが、21日夜安値からの反騰により24日午前時点では21日夜安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクル入りしたとし、サイクルトップ形成期を24日午後から26日夕にかけての間と想定した。
4月24日夜へ高値を切り上げてから反落したものの6.90円割れを回避しているため6.93円超えからは上昇再開とみるが、6.90円割れからは弱気転換注意として21日夜安値試しとし、底割れからは弱気サイクル入りとして26日夜から28日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では4月25日朝への下落で先行スパンから転落しかけたものの持ち直しているので26本基準線超えからは上昇再開とするが、6.90円割れからは遅行スパンの悪化と先行スパンからの転落が顕著となるので遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は4月25日朝に40ポイントまで低下してから持ち直し気味となっているので45ポイントを上回るうちは60ポイント台への上昇余地ありとするが、40ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント以下への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.90円を下値支持線、6.93円を上値抵抗線とする。
(2)6.90円を上回るうちは上昇余地ありとし、6.93円超えからは6.95円前後への上昇を想定する。6.95円前後では戻り売りも出やすいとみるが、円安が勢い付く場合は6.96円超えへ進む可能性もあるとみる。また6.93円以上での推移なら26日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)6.90円割れからは下げ再開を警戒し、6.88円、6.86円を順次試す下落を想定する。6.87円以下は反騰注意とするが、6.90円を割り込んでの推移なら26日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

4月27日
 16:00 4月 経済信頼感指数 (3月 96.8)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 8.5%、予想 8.5%)
 20:30 週次 外貨準備高 4月21日時点 グロス (4月14日時点 694.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 4月21日時点 ネット (4月14日時点 120.7億ドル)
4月28日
 16:00 3月 貿易収支 (2月 120.8億ドル)
 16:00 1-3月 観光収入 (10−12月 113.7億ドル)
 17:00 3月 海外観光客数 前年同月比 (2月 21.35%)
5月2日
 16:00 4月 イスタンブール製造業PMI (3月 50.9)
5月3日
 16:00 4月 消費者物価指数 前月比 (3月 2.29%)
 16:00 4月 消費者物価指数 前年同月比 (3月 50.51%)
 16:00 4月 生産者物価指数 前月比 (3月 0.44%)
 16:00 4月 生産者物価指数 前年同月比 (3月 62.45%)

注:ポイント要約は編集部

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