ドル続伸期待、ただ135円以上は上値重そう
〇本日のドル円、135円には届かず上値の重さを確認するなか、終盤にかけて下値を広げる
〇全般的には底堅く推移するも、終盤に掛けてはややドル売りが優勢
〇本日は米経済指標として4月フィラデルフィア連銀景況指数や新規失業保険申請件数などが発表される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.80-135.10
〇ドル高・円安方向は引き続き135円レベルが最初の抵抗、超えると昨日高値135.14がターゲット
〇ドル安方向は本日東京安値含めた134.20-30、下回ると134円割れ、昨日安値133.96などがみえてくる
<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場はドルが小安い。全般的には底堅く推移するも、終盤に掛けてはややドル売りが優勢だった。
ドル/円は134.70円レベルで寄り付いたのち、基本は強保ち合い。134.60-95円といったレンジでドルは底堅く推移している。しかし、135円には届かず上値の重さを確認するなか、終盤にかけて下値を広げると一時134円半ば割れも。16時現在では、そのままドルの安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日東京最終盤にかけて米長期金利が上昇。それもありドルは大きく値を上げたが流れそのものは以降も変わらず。公表された米地区連銀経済報告で、「米経済はここ数週間足踏み状態にある」との認識が示されるなか、NY連銀総裁からは「インフレ率はまだ高過ぎる」との発言が聞かれていたようだ。一方、日本についてはブルームバーグが「日銀が早期に金融引き締め方向の政策修正に動くとの見方は、ウオッチャーのあいだでやや後退」とレポートしている。
対して後者は、ウクライナ大統領が、ベラルーシとポーランドとの国境地帯を訪問し兵士などを激励するなか、ロシアは東京時間に韓国大統領が「ウクライナへの武器供与も検討する」と述べたことに反発。ペスコフ報道官からも「軍事支援を実施すれば、韓国はロシアとウクライナとのあいだの紛争に関与することになる」とした恫喝コメントが聞かれていた。また、それとは別にロシアは日本に対する威嚇行動として、「極東のカムチャツカ半島とクリル諸島で地対艦ミサイルシステムを使った演習を行った」と発表したほか、8機の爆撃機ツポレフ22M3がオホーツク海と日本海北部を飛行させたことを明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、懸案事項だった一目均衡表の先行帯の雲の上限を昨日NYクローズベースでも上抜け。また一時135円台も一時示現している。ドルの上値余地が広がったと考えられるものの、前述したように本日東京市場の終盤に掛けてドルが冴えない値動きをたどっていることは気掛かり。昨日の動きはいわゆるダマシだったのか、それとも足もとの動きは一過性の動きでドル底堅め、一巡後は再び上値をトライすることになるのか、予断を持たずに動静をいま一度見極めたい。
次回FOMCをにらみつつ、米金融政策への関心は依然として高い状況だ。そうしたなか、昨日の東京時間夕方に見られた「発表された英国の消費者物価が好数字になった」を受けた、米長期金利上昇については「世界的にインフレが高止まりする可能性があるとの見方が広がったため」と解説されている。いずれにしても、流れが一変する可能性も考えられるため、米経済指標を中心に様々なところにアンテナを張っておく必要があるだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円はついに一目均衡表の先行帯の雲の上限をいよいよ上抜いてきた。需給的にオファーが厚い135円から上に簡単に定着するとは思えないとの見方もあるが、リスクはやはりドル高方向にバイアスが掛かりそう。ちなみに、以前からレポートしている年初来高値137.91円を起点とした下げ幅のフィボナッチからすると、61.8%戻し(134.75円)を超えたことで、次のポイントは76.4%戻し(135.95円)となる。
本日は米経済指標として、4月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米地区連銀総裁等の講演も多い。また、米企業決算発表にも要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.80-135.10円。ドル高・円安方向は引き続き135円レベルが最初の抵抗。超えると昨日高値135.14円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた134.20-30円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると134円割れ、昨日安値133.96円などがみえてくる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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