ドル円、不冴な米経済指標を受けて急反落。本日は本邦CPIや欧米のPMI速報値に注目(4/21朝)

20日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、不冴な米経済指標を受けて急反落。本日は本邦CPIや欧米のPMI速報値に注目(4/21朝)

ドル円、不冴な米経済指標を受けて急反落。本日は本邦CPIや欧米のPMI速報値に注目

〇ドル円、米指標の不冴えと米長期金利急低下、冴えない米株価の動きに米国時間に134.01まで急落
〇ユーロドル1.09台での方向感に欠ける動き継続
〇ドル円、3/15高値135.13トライにあと一歩で失敗、再び一目均衡表の雲の中に突入、上値は重い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測がドル円の重石に
〇日本時間8:30に予定されている本邦3月全国消費者物価指数要注目
〇本日の予想レンジ:133.25ー135.00

海外時間のレビュー

20日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。(1)本邦輸入企業の実需のドル買い(5・10日要因に絡む仲値にかけてのドル不足)を背景に、アジア時間朝方にかけて、高値134.96まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)前日高値135.12をバックにした戻り売り圧力や、(3)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、(4)米4月フィラデルフィア連銀景況指数(結果▲31.3、予想▲19.2)の市場予想を大幅に下回る結果、(5)米新規失業保険申請件数(結果24.5万件、予想24.0万件)の冴えない結果、

(6)米3月景気先行指数(結果▲1.2%、予想▲0.7%)の低調な結果、(7)米3月中古住宅販売件数(結果444万件、予想450万件)の不冴な結果、(8)上記4、5、6、7を背景とした米長期金利の急低下(ドル売り再開)、(9)米主要株価指数先物の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、米国勢参入後に、安値134.01まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/21午前3時20分現在)では、134.32前後で推移しております。尚、昨日はクリーブランド連銀メスター総裁より「引き締め局面は始まりよりも終わりにずっと近い」との発言が見られました。

20日(木)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)欧州株の冴えない動きや、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(3)ECB理事会議事要旨(3/16開催分)における「多くのメンバーが0.50%の利上げに同意しつつも、金融市場の緊張が収まるまで主要金利を引き上げないほうが良いと考えるメンバーも存在した」とのハト派的な内容が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0933まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米経済指標(米4月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数、米3月景気先行指数、米3月中古住宅販売件数)の冴えない結果や、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力、(6)ラガルドECB総裁による「インフレは依然として高すぎる」「金融政策にはまだ改善の余地がある」とのタカ派的な発言、(7)ユーロ圏4月消費者信頼感速報値(結果▲17.5、予想▲18.5)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、日本時間23時過ぎに、高値1.0990まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/21午前3時20分現在)では、1.0966前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は4/19に記録した高値135.12(約1カ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、昨日は一時134.01まで下落しました。3/15高値135.13トライにあと一歩のところで失敗したことや、日足・ローソク足が再び一目均衡表の雲の中に突入したこと、4時間足がボリンジャーミッドバンドを下方ブレイクしたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値は重いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利下げ観測の高まり(CMEが提供するFedWatchツールによると年後半にかけての2・3回の利下げを織り込み済み)や、(2)日銀による金融緩和の根強い修正期待、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(金融引き締め最終局面の米国と、金融緩和の早期修正が見込まれる日本との政策格差)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています(IMM通貨先物市場で投機筋のロングポジションが蓄積されていることも、下落局面で売りが売りを呼ぶ危険性を孕む)。

こうした中、本日は上記2を確認する意味で、日本時間8:30に予定されている本邦3月全国消費者物価指数に注目が集まります。特に生鮮食品及びエネルギーを除くコアコアCPIの加速が示される場合には、政策修正への思惑(4/27ー4/28に開催される日銀金融政策決定会合への警戒感)から、ドル円が一気に値を崩す恐れもあるため、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は本邦CPIに加えて、ユーロ圏や英国の4月製造業・非製造業PMI速報値、米国の4月製造業・非製造業PMI速報値、クックFRB理事講演などに注目が集まります(アジア時間帯は日本円主導の動き、海外時間序盤はユーロ主導の動き、海外時間後半は米ドル主導の動きを想定)。

本日の予想レンジ:133.25ー135.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、不冴な米経済指標を受けて急反落。本日は本邦CPIや欧米のPMI速報値に注目

ドル円日足

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