トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服に合わせて下落、6.90円台維持を試す(23/4/19)

トルコリラ円の4月18日は概ね6.94円から6.90円の取引レンジ、19日早朝の終値は6.92円で前日終値の6.93円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服に合わせて下落、6.90円台維持を試す(23/4/19)

ドル円の上昇一服に合わせて下落、6.90円台維持を試す

〇トルコリラ円、4/18午前高値6.94からドル円下落局面で6.90へ下落、6.90割れ回避し下げ渋り揉み合い
〇対ドル、4/18は19.44つけ前日につけた取引時間中最安値19.46に迫り、リラ安の勢い加速
〇4/19夕刻に4月トルコ消費者信頼感指数、夜に週次外貨準備高と中央政府債務残高の発表予定
〇サウジが50億ドル預託した支援分も割り込み大幅減少、トルコ中銀による非公式介入が外貨準備高削る
〇6.93以下での推移中は一段安余地ありとし、6.90割れからは6.88、6.86を順次試す下落を想定
〇6.93超えからは上昇再開の可能性を優先して6.94から6.95にかけての上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の4月18日は概ね6.94円から6.90円の取引レンジ、19日早朝の終値は6.92円で前日終値の6.93円からは0.01円の円高リラ安だった。
ドル円は4月13日夜安値132.02円へ下落したが14日の米経済指標発表を通過してのドル高により15日未明に133.83円へ反騰し、17日はNY連銀景況指数が予想を上回ったこと等による米長期債利回りの連騰を見て134.56円へ上昇、18日午前には134.70円へ高値を伸ばしてきた。しかしその後は上昇一服による調整安で下落し、18日夜に133.82円まで下げたところからいったん134.32円まで小反発したものの19日午前にかけては134円を挟んだ揉み合いにとどまっている。

トルコリラ円は対ドルでトルコリラの最安値更新が繰り返される中でリラ安を気にしつつもドル円を追いかけており、17日深夜と18日午前の高値で6.94円をつけたところで頭打ちとなり、夜にかけてのドル円の下落局面で6.90円へ下落、その後は6.90円割れを回避しつつ下げ渋りの揉み合いで推移している。
3月末以降のトルコリラ円は3月31日と4月3日に6.97円のダブルトップをつけ、4月10日の6.95円と4月12日の6.94円でもダブルトップに終わり、4月17日深夜と18日午前も6.94円でのダブルトップにとどまっており、ドル円が戻り高値を徐々に切り上げる上昇トレンドで推移してきたもののトルコリラ円はドル高リラ安による圧迫感でドル円のようには高値切り上げへ進めずにいる。

【対ドルでは終値ベースでの最安値更新が続く】

ドル/トルコリラの4月18日は概ね19.44リラから19.37リラの取引レンジ、19日早朝の終値は19.39リラで前日終値の19.39リラと変わらずだった。
3月に入ってからリラの先安感が強まる中でリラ安の勢いが徐々に加速しており、手元のデータでは4月7日につけた19.45リラが取引時間中の史上最安値だったところ、4月17日に19.46リラをつけて最安値を更新し、18日は最安値更新には至らなかったものの19.44リラをつけて最安値に迫っている。日足の終値ベースでは4月10日終値19.27リラから17日終値19.39リラまで6営業日連続で最安値を更新し、18日も前日と変わらず最安値水準とした。
ドル/トルコリラの日々の高安レートは上下のブレも大きいが、日々の取引中心値及び終値では徐々に水準を切り下げている。ベンダーによっては4月17日に19.57リラの最安値を示し、18日も安値で19.46リラ、終値で19.40リラの提示も見られた。

【外貨準備高と中央政府債務に注目】

4月19日夕刻には4月のトルコ消費者信頼感指数の発表、夜には週次の外貨準備高と中央政府債務残高の発表がある。
消費者信頼感指数は2月に82.5へ上昇したところから3月に80.1へ低下したが、2月6日のトルコ南部大地震の影響を引きずりインフレの高止まりとリラ安の進行により4月は悪化傾向が続くとみられる。
週次の外貨準備高は4月13日夜に発表された4月7日時点のグロスで684.9億ドルとなり3月31日時点の702.5億ドルから17.6億ドル減少、ネットでは137.7億ドルとなり3月31日時点の184.7億ドルから47億ドルの大幅減少となった。サウジがトルコ中銀に50億ドルを預託する支援を行ったことで一時的に増加したものの既にグロスでは昨年12月の855.9億ドル以降の最低をとなり、ネットではサウジ効果による増加を3月31日時点で割り込んでからさらに大幅減少しており、リラ安抑制のためのトルコ中銀による非公式介入が外貨準備を削っている印象だ。

トルコ政府の債務残高は2月時点で4兆2110億リラで過去最大を更新しているが、2020年1月の1兆3364億リラ、2021年1月の1兆8377億リラ、2022年1月の2兆8450億リラからさらに膨張が勢い付いており、リラ安を反映した見かけの膨張という側面もあるが、貿易赤字と経常赤字、財政赤字の悪化と共に債務膨張がトルコ経済にとっての大きな重石となっている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、4月14日夕刻安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクル入りしたとして高値形成期を17日の日中から19日午前にかけての間と想定した。
4月18日午前高値で17日深夜高値と同値としたところから6.90円へ下落したため、両高値をダブルトップとして弱気サイクル入りしていると考える。ボトム形成期は19日夕から21日夕にかけての間とし、6.93円以下での推移中は一段安余地ありとし、6.93円超えからは強気転換注意として18日昼高値試しとし、高値更新からは強気サイクル入りとして21日午前から25日午前にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では4月18日夜の下落で遅行スパンが悪化して先行スパンへ潜り込んでいるため、遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があると注意する。ただし、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は4月18日夜に30ポイント台へ低下した後も50ポイント台を維持できずにいるのでまだ30ポイント以下への低下余地ありとみる。強気転換は55ポイント超えからとし、その際は60ポイント台中盤への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.90円を下値支持線、6.93円を上値抵抗線とする。
(2)6.93円以下での推移中は一段安余地ありとし、6.90円割れからは6.88円、6.86円を順次試す下落を想定する。8.86円以下は反騰注意とするが、6.90円以下での推移なら20日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)6.93円超えからは上昇再開の可能性を優先して6.94円から6.95円にかけての上昇を想定する。6.95円以上は反落注意とするが、6.93円を上回っての推移なら20日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

4月19日
 16:00 4月 トルコ中銀調査・年末CPI予想値 (3月 37.72%)
 16:00 4月 消費者信頼感指数 (3月 80.1)
4月20日
 18:00 週次 外貨準備高 4月14日時点 グロス(4月7日時点 684.9億ドル)
 18:00 週次 外貨準備高 4月14日時点 ネット(4月7日時点 137.7億ドル)
 23:30 3月 中央政府債務 (2月 421.1億リラ)
4月24日
 16:00 4月 製造業信頼感指数 (3月  105.2)
 16:00 4月 設備稼働率
4月27日
 16:00 4月 経済信頼感指数 (3月 96.8)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 8.5%)
 20:30 週次 外貨準備高 4月21日時点


注:ポイント要約は編集部

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