南アランド週報:『ファンダメンタルズ・テクニカル双方の弱さを考慮すれば上値余地は限定的』(4/15朝)

今週は週を通して堅調推移が継続し、週末にかけて、7.39円まで持ち直す展開となりました。

南アランド週報:『ファンダメンタルズ・テクニカル双方の弱さを考慮すれば上値余地は限定的』(4/15朝)

『ファンダメンタルズ・テクニカル双方の弱さを考慮すれば上値余地は限定的』

〇今週の南ア円、週明け早々に週間安値7.18まで下落後、週末にかけ7.39まで上昇
〇米金利低下による新興国通貨上昇、南ア株、金、プラチナの堅調推移等が背景
〇テクニカルの上値余地乏しく、ファンダメンタルズも南ア経済・政治の先行き不透明感が重石
〇来週は南ア・中国の経済指標要注視、ダウンサイドリスクに注意を要するか
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.10ー7.50

今週のレビュー(4/10−4/14)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.24円で寄り付いた後、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感を背景に、週明け早々に週間安値7.18円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)米3月消費者物価指数の伸び率鈍化や、(3)米3月生産者物価指数の伸び率鈍化、(4)上記2、3を背景とした米FRBによる年内利下げ観測台頭(米国のインフレピークアウト期待→米金利低下→新興国通貨上昇)、(5)南ア株の堅調推移(2/21以来の高値を更新)、(6)金・プラチナ価格の堅調推移(金価格は昨年3/9以来の高値圏。プラチナ価格は1/25以来の高値圏。南アフリカの交易条件改善期待)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.39円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/15午前2時40分現在)では、7.38円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア2月製造業生産(結果▲5.2%、予想▲3.7%、※前年比)は市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

来週の見通し(4/17−4/21)

南アフリカランドの対円相場は、3/31に記録した約3週間ぶり高値7.52円をトップに反落に転じると、4/6に一時7.17円まで急落しましたが、今週は週を通して堅調推移が継続し、週末にかけて、7.39円まで持ち直す展開となりました。但し、アップサイドより一目均衡表の雲が垂れ下がってくることや、日足ベースで強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)深刻な電力不足の継続(電力負荷制限がステージ3からステージ5へ上昇)や、(2)上記1を背景とした南アフリカ経済の先行き不透明感(直近で発表された南ア経済指標は軒並み悪化。IMFは4/11に南アフリカの2023年経済成長率見通しを前回1月時点の+1.2%から+0.1%へ大幅下方修正)、

(3)南アフリカを巡る政局不透明感(与党アフリカ民族会議の支持率低下)、(4)南アフリカ国債の格下げ懸念(S&Pは3/8に南アフリカの格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に下方修正)、(5)南ア中銀の金融引き締め打ち止め観測など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では、南アランド円相場の反落を来週のメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア3月消費者物価指数や南ア2月小売売上高に加えて、経済的な結びつきの強い中国の主要経済指標(中国3月小売売上高、中国3月固定資産投資、中国3月鉱工業生産、中国第1四半期GDP)に注目が集まります。これらの指標が市場予想を下回る場合には、南アランドが一転して急反落に転じるシナリオも想定されるため、来週は週を通してダウンサイドリスクに注意を要する1週間となりそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.10ー7.50

『ファンダメンタルズ・テクニカル双方の弱さを考慮すれば上値余地は限定的』

南アランド円日足

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