トルコリラ円見通し 米PPIの鈍化による円高で続落、ドル高リラ安も続く(23/4/14)

トルコリラ円の4月13日は概ね6.90円から6.82円の取引レンジ、14日早朝の終値は6.85円で前日終値の6.89円から0.04円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し 米PPIの鈍化による円高で続落、ドル高リラ安も続く(23/4/14)

トルコリラ円見通し 米PPIの鈍化による円高で続落、ドル高リラ安も続く

〇トルコリラ円、4/13夜の米PPI鈍化による円高局面で6.82へ一段安
〇4/14未明にドル円が戻したところで6.87まで反発するも、その後は再び軟調推移
〇対ドル、4/13は概ね19.37から19.29の取引レンジ、終値は19.31で終値ベースの史上最安値更新
〇外貨準備高は大幅減少、トルコ中銀によるリラ防衛のための市場介入が主因か
〇6.87を超える場合は6.89前後への上昇を想定するが、6.89前後は戻り売りにつかまりやすいと考える
〇6.82割れからは、6.80、6.78を順次試す下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の4月13日は概ね6.90円から6.82円の取引レンジ、14日早朝の終値は6.85円で前日終値の6.89円から0.04円の円高リラ安となった。
トルコリラ円は対ドルでのリラ安を気にしつつもドル円の騰落を追いかける展開だが、ドル円は4月5日夜安値130.63円からの上昇が4月12日昼高値134.04円で一巡となり、4月12日の米CPIの鈍化で132.73円へ下落、13日夜にかけては133円割れを買われつつ133円台序盤中心の下げ渋り持ち合いで推移していたが、13日夜の米PPIが大幅に鈍化したことで132.02円へ一段安となり、その後を下げ渋っているものの133円を下回って推移している。

トルコリラ円はドル高リラ安の影響もありドル円が134円に到達した4月12日昼に6.94円へ上昇したものの4月10日高値6.95円に届かず、12日夜にドル円が急落した局面で6.87円へ下落し、13日夜にかけては6.88円割れを買われつつ6.90円超えを売られる持ち合いで推移していたが、米PPI発表後の円高局面で6.82円へ一段安した。14日未明にドル円が戻したところで6.87円まで反発したもののその後は再び軟調推移となっている。
米国のインフレ率が鈍化し、米銀破綻をきっかけとした信用不安が払拭しきれない状況の中でFRBによる利上げの停止が早まり年後半には利下げもあり得るとの思惑で為替市場は主要通貨に対してドル全面安の様相でありドル円も下落再開感が強まっている。今夜の米3月小売売上高やミシガン大消費者調査の内容次第ではもう一段安へ進みかねないところにあり、トルコリラ円もドル円の一段安を追いかけやすい状況にあると考える。

【対ドルでは終値ベースの史上最安値を連日更新中】

ドル/トルコリラの4月13日は概ね19.37リラから19.29リラの取引レンジ、14日早朝の終値は19.31リラで前日終値の19.30リラからは0.01リラのドル高リラ安だった。
4月12日の米3月CPIと4月13日の米3月PPIがインフレ鈍化傾向を顕著に示したことで主要通貨に対するドル安が進行しており、ユーロドルは4月13日高値で1.1067ドルをつけて2月2日高値を上抜き昨年9月28日安値0.9536ドル以降の最高値を更新、ポンドドルは4月13日高値で1.2537ドルをつけて昨年9月26日安値1.0382ドル以降の最高値を更新、豪ドル米ドルも3連騰となった。しかし対ドルでのトルコリラは中長期のリラ安基調が続いており、4月11日の2月鉱工業生産の悪化、12日の2月小売売上高の悪化に続き13日は週次の外貨準備高が大幅に減少するなどによるリラ売りが収まらない状況だ。

手元のデータでは4月7日につけた19.45リラが取引時間中の史上最安値でありその後は新たな安値更新へ進んでいないものの、終値ベースでは4月10日から最安値更新が続いており、4月13日終値も19.31リラで最安値を更新している。

【外貨準備高は大幅減少】

4月13日夜に発表された週次の外貨準備高は4月7日時点のグロスで684.9億ドルとなり3月31日時点の702.5億ドルから17.6億ドル減少、ネットでは137.7億ドルとなり3月31日時点の184.7億ドルから47億ドルの大幅減少となった。
2月6日のトルコ南部大地震に対する財政支援としてサウジがトルコ中銀に50億ドルを預託し、3月13日に入金したことで一時的に増加したものの、グロスでは増加前の702.5億ドルを下回り、昨年12月のピーク時における855.9億ドル以降の最低を更新、ネットでは増加前の186.2億ドルをすでに3月31日時点で割り込んでいたところからさらに大幅減少となり昨年12月のピーク時における281.3億ドル以降の最低となった。
減少の主因はトルコ中銀によるリラ防衛のための市場介入での消費と思われるが、リラ安に歯止めがかからない状況が続いており、今後も外貨準備高の減少がさらにリラ売りを呼び込む展開が続きやすいと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、4月11日夜安値を直近のサイクルボトムとして底割れからは新たな弱気サイクル入りとしていたが、4月12日夜の急落で11日夜安値を割り込んだため、13日午前時点では4月10日深夜と12日昼の両高値をダブルトップとした弱気サイクル入りとして14日夜から18日夜にかけての間への下落を想定した。
4月13日夜に一段安してからやや戻したものの14日午前へ失速気味のためまだ一段安余地ありとみる。現時点からの強気転換には13日夜の下落を解消する反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では4月12日夜の急落で遅行スパンが悪化し、先行スパンからも転落したが、その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は26本基準線を上値抵抗線としつつ安値試し優先とする。遅行スパンが一時的に好転しても先行スパンを上抜き返せないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下げ再開とする。

60分足の相対力指数は13日夜の急落時に20ポイント台へ低下し、その後の戻りも50ポイントに届かないためまだ一段安余地ありとみる。相場が一段安する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行が見られる場合は反騰注意とし、50ポイント台を維持する上昇へ進むところからは反騰継続と考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.82円を下値支持線、6.87円を上値抵抗線とする。
(2)6.87円を超える場合は6.89円前後への上昇を想定するが、6.89円前後では戻り売りにつかまりやすいと考え、その後に6.85円を割り込むところからは下げ再開とする。
(3)6.82円割れからは6.80円、6.78円を順次試す下落を想定する。また6.85円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

4月17日
 17:00 3月 財政収支 (2月 -1705.6億リラ)
4月19日
 16:00 4月 消費者信頼感指数 (3月 80.1)
4月20日
 20:30 週次 外貨準備高 4月14日時点 グロス(4月7日時点 684.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 4月14日時点 ネット(4月7日時点 137.7億ドル)
 23:30 3月 中央政府債務 (2月 421.1億リラ)
4月24日
 16:00 4月 製造業信頼感指数 (3月 105.2)
 16:00 4月 設備稼働率
4月27日
 16:00 4月 経済信頼感指数 (3月 96.8)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 8.5%)
 20:30 週次 外貨準備高 4月21日時点



注:ポイント要約は編集部

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