トルコリラ円見通し ドル円と共にやや持ち直しつつ今夜の米雇用統計待ち(23/4/7)

トルコリラ円の4月6日は概ね6.85円から6.79円の取引レンジ、7日早朝の終値は6.84円で前日終値の6.82円からは0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円と共にやや持ち直しつつ今夜の米雇用統計待ち(23/4/7)

トルコリラ円見通し ドル円と共にやや持ち直しつつ今夜の米雇用統計待ち

〇トルコリラ円、4/5深夜6.78へ下げたが、ドル円の戻りに合わせ4/7早朝6.85まで戻り高値切り上げる
〇対ドル、4/7未明に19.45をつけて取引時間中の史上最安値更新、終値ベースでも最安値を更新
〇本日米雇用統計発表、欧米連休中でもあり大きな変動が発生する可能性も
〇外貨準備高は先週に続き減少、リラ安抑止のための中銀の非公式な市場介入が外貨準備高減少招くか
〇6.82以上での推移中は上昇余地ありとし、6.86超えからは6.88前後への上昇を想定する
〇6.82割れからは下げ再開と仮定して6.78試しとし、底割れからは6.75前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の4月6日は概ね6.85円から6.79円の取引レンジ、7日早朝の終値は6.84円で前日終値の6.82円からは0.02円の円安リラ高だった。
ドル円は米銀破綻をきっかけとした信用不安の後退によるリスク選好型の円安により3月24日安値129.63円から4月3日高値133.74円まで上昇してきたものの、米経済指標の悪化が続く中で下落に転じて4月5日深夜には130.63円まで安値を切り下げてきた。4月6日は米週間新規失業保険申請件数が予想を上回ったが前週からは減少したために一時的に131円を割り込んだものの5日深夜からの買い戻しの流れを継続して132円に迫った。

トルコリラ円はドル円の騰落を追いかける展開で、4月3日午後高値6.97円から下落に転じて5日深夜には6.78円へ安値を切り下げたが、ドル円の戻りに合わせて7日早朝に6.85円まで戻り高値を切り上げた。ベンダーによっては4月6日夜や7日未明には6.77円の安値提示が見られたが、僅かな出来高による一時的なものでその後は戻している。
4月7日午前はドル円が132円手前で上値が重くなっており、トルコリラ円も6.85円へ上昇した後はやや圧され気味の推移となっている。

【欧米連休中の米雇用統計発表による波乱に注意】

4月7日は聖金曜日で欧米等主要国は総じて祝日休場となるが、米国市場は株式と商品が休場、債券は短縮取引、為替市場は通常通りとなり、夜には米3月雇用統計の発表がある。4月10日は欧州の休場も続くため、連休で取引参加者が少ない中で重要イベントを通過するために相場の変動も大きくなると思われる。
ドル円としては3月24日安値129.63円に対して4月5日深夜安値130.63円を押し目として上昇再開へと進むことができるかどうか試されるところであり、米雇用統計から一段安へ進む場合は3月24日安値試しへ向かい、3月24日安値を割り込む場合は3月8日高値を起点とした下落が二段下げに入り、昨年10月21日高値を起点とした中長期的な下落がさらに続く可能性が高まると思われる。

トルコリラ円も昨年7月以降はドル高リラ安を気にしつつもドル円の騰落を追いかけており、1月16日と3月24日に6.74円の同値でダブル底型の下値支持線を形成しているところだが、米雇用統計からドル円の下落と共に日足の終値ベースでダブル底ラインを割り込む場合は3月8日高値を起点とした下落の長期化が懸念され、史上最安値更新へ向かう可能性も浮上すると考える。逆に米雇用統計をドル円と共に強気で通過して7円台回復へ向かう流れとなれば3月8日高値を試す上昇へ発展する目も出てくると思われる。
いずれにしても大きな変動の発生しかねない局面と注意したい。

【対ドルでは取引時間中及び終値ベースで最安値更新】

ドル/トルコリラの4月6日は概ね19.45リラから19.24リラの取引レンジ、7日早朝の終値は19.25リラで前日終値の19.24リラからは0.01リラのドル高リラ安だった。
中長期的なドル高リラ安基調が続き、2月6日のトルコ南部大地震や2月23日のトルコ中銀による利下げ、3月10日の米銀破綻をきっかけとした信用不安等によりリラ安の勢いが加速し、手元のデータでは4月5日安値で19.26リラをつけて3月24日安値19.25リラを超えて取引時間中の史上最安値を更新してきたが、4月7日未明には19.45リラをつけて取引時間中の史上最安値を更新した。ベンダーによっては4月6日安値は19.25リラから19.28リラとなっており、19.45リラの安値は少数の出会いによる一時的な安値提示とみられるが、1ドル20リラを目指す勢いでリラ安が進行しているため、一時的でイレギュラーな安値としても近い将来にクリアされてゆく水準と考える。
終値ベースでは4月5日終値19.24リラで4月4日終値の19.20リラを超えて最安値を更新したが、4月6日も19.25リラへとさらに最安値を更新した。

【トルコの外貨準備高は先週に続き減少】

トルコ中銀が発表した週次の外貨準備高は3月31日時点のグロスで702.5億ドルとなり3月24日時点の713.4億ドルから減少、ネットでは184.7億ドルとなり3月24日時点の189.3億ドルから減少した。
ネットの外貨準備高は昨年12月に281.3億ドルまで増加したところから低下に転じてきた。サウジが大地震に対する影響を踏まえての外貨支援としてトルコ中銀に50億ドルを預託し、3月13日に入金が反映されたために3月17日時点ではグロスで42.3億ドルの大幅増加となりネットでも13.7億ドルの増加となったが、3月24日時点及び3月31日時点と2週連続でグロスは合計36.8億ドルの減少でネットでは15.2億ドルの減少となっている。
リラ安抑止のためにトルコ中銀が非公式な市場介入を繰り返していることが外貨準備高の減少を招いており、サウジによる支援効果もどうやら一時的なものに留まった印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月31日夕と4月3日午後の両高値をダブルトップとして弱気サイクル入りしてきたが、4月5日夜安値で直近のサイクルボトムをつけて反騰入りした。4月6日夜のイレギュラーな一時的下落を除いて7日未明へ戻したところであり、6.82円を上回るうちは7日夜から週明け序盤にかけての一段高余地ありとみるが、6.82円割れからは弱気転換注意として4月5日夜安値6.78円試しとし、底割れからは新たな弱気サイクル入りとして10日夜から12日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では4月7日未明への上昇で遅行スパンが好転したが、先行スパンの上限が上値を抑えている。先行スパンを超えるところから上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落する場合は下落再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は4月4日深夜と5日深夜に30ポイント前後へ低下したところで指数のボトムがほぼフラットとなる強気逆行を見せて7日未明には60ポイント到達まで戻したが、その後は伸び悩みとなっている。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも切り返すうちは70ポイントを目指す上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.82円を下値支持線、6.86円を上値抵抗線とする。
(2)6.82円以上での推移中は上昇余地ありとし、6.86円超えからは6.88円前後への上昇を想定する。6.88円以上は反落注意とするが、上昇が勢い付く場合は6.90円を目指す可能性もあるとみる。
(3)6.82円割れからは下げ再開と仮定して4月5日夜安値6.78円試しとし、底割れからは6.75円前後への下落を想定する。6.75円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、下げ足が速まる場合は週明けへの続落で6.70円台序盤へ向かう可能性もあるとみる。

【当面の主な予定】

4月7日
 23:00 3月 財務省現金残 前月比 (2月 -1714.8億リラ)
4月10日
 16:00 2月 失業率 (1月 9.7%)
 16:00 2月 経常収支 (1月 -98.49億ドル、予想 -85億ドル)



注:ポイント要約は編集部

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