ドル円見通し 米雇用統計控えて4月5日夜の131円割れから持ち直すも132円に抵抗感(23/4/7)

高値131.57円から130.95円まで反落したが、早々に買い戻されて6日深夜には131.90円へ上昇、7日午前序盤も132円に迫った。

ドル円見通し 米雇用統計控えて4月5日夜の131円割れから持ち直すも132円に抵抗感(23/4/7)

ドル円見通し 米雇用統計控えて4月5日夜の131円割れから持ち直すも132円に抵抗感

〇ドル円、4/5深夜安値130.63へ下落後、米雇用統計と3連休を控え買い戻し優勢の動き
〇4/6夜131.57から130.95へ反落したが早々に買い戻され深夜131.90へ上昇、4/7午前序盤132円に迫る
〇本日グッドフライデーで取引参加者が少ない中、米雇用統計に対する反応が大きくなりやすいと注意
〇本日夜発表の3月米雇用統計、非農業部門就業者数は伸び鈍化の予想
〇米長期債利回りはまちまちの動き、米株価は上昇
〇131.40以上での推移中は一段高余地あり、米雇用統計前は132円台序盤で戻り売りされやすいとみる
〇131.40以下での推移中は下向きとし、130.95割れからは4/5深夜安値130.63試しへ向かうとみる

【概況】

ドル円は低調な米経済指標が続く中で4月5日深夜安値で130.63円へ下落したが、4月7日の米雇用統計と3連休を控えてポジション調整的な買い戻し優勢の動きに入っている。
4月4日の米2月JOLTS求人件数が予想外に大幅減少したことと2月製造業受注が前月比で2か月連続のマイナスとなったことで4月4日は夜高値133.16円から5日未明安値131.51円へ急落し、5日の日中をジリ安で推移しつつ5日の米3月ADP民間雇用者増加数が予想を下回り、3月ISMサービス業景況指数も予想を下回ったことで5日深夜安値130.63円まで下げたが、当面のドル売り材料を消化してその後は買い戻されている。
4月6日夜に発表された米週間新規失業保険申請件数は予想を上回ったものの前週からは減少したため、一時的なドル売りにより直前高値131.57円から130.95円まで反落したが、早々に買い戻されて6日深夜には131.90円へ上昇、7日午前序盤も132円に迫った。

4月7日はグッドフライデー(聖金曜日)の祝日のため欧米やオセアニア市場が休場となり、米国市場は株式と商品が休場で債券は現地正午までの短縮取引となるが、為替市場は通常取引となる。7日夜には米3月労働省雇用統計の発表があるため、連休に入って取引参加者が少なくロスカットの指値も多くなりやすい中、米雇用統計に対する市場反応が大きくなりやすいと注意したい。

【3月の米雇用統計では就業者増加数の鈍化見通し】

4月6日に米労働省が発表した新規失業保険申請件数は4月1日までの週間で前週比1万8000件減の22万
8000件となり、2週連続で改善したが市場予想の20.0万件を上回った。前週分は当初の19.8万件から24.6万件へ上方修正された。また失業保険受給者総数は3月25日までの週間で182万3000人となり、前週から6000人増加して市場予想の169.9万人を大幅に上回った。発表後は予想を上回ったことによるドル売りと前週からの改善によるドル買いが交錯したが7日の米雇用統計を控えて大きな動きには至らなかった。

4月7日夜の米労働省による3月雇用統計では非農業部門就業者数が23.9万人増と予想されており、2月の31.1万人増から伸びが鈍化するとみられている。非農業部門就業者数は1月に50.4万人の大幅増加となったが、昨年2月に90.4万人増の大幅増加となって以降は昨年12月の23.9万人増を最低として堅調な数字が続いている。失業率については前月と変わらずの3.6%と予想されているが1月に3.4%まで低下したところからの悪化傾向に入る印象だ。またインフレ指標である平均時給の伸び率については前月比で0.3%上昇(2月は0.2%)、前年同月比で4.3%(2月は4.6%)と見込まれている。
非農業部門就業者増加数が予想外に少ない場合や平均時給の伸びが予想を下回る場合などにはドル安反応が大きくなる可能性があり、逆に予想以上の就業者増加数で時給の伸びも予想を上回るようだとFRBによる利上げ継続感が強まってドル高が勢い付く可能性がある。

次回のFOMCについては前回のFOMCにおいてあと1回で利上げを終了する見通しが示されたために0.25%利上げが決定される可能性があるが、米銀破綻騒動の余波も踏まえて利上げが見送られる可能性もあると市場は見ている。7日の米雇用統計、4月12日の米3月消費者物価指数が判断材料になってくると思われる。
米セントルイス連銀のブラード総裁は4月6日の講演で「金融セクターを巡る緊張が今後は緩和される公算が大きく信用収縮の兆候は見られない」「労働市場が堅調に推移する間はインフレ抑制に向けて利上げを継続する必要がある」と述べている。

【米長期債利回りはまちまち】

4月6日の米長期債利回りはまちまちの動き。指標の10年債利回りは前日比変わらずの3.31%で終了したが、3月29日に3.61%をつけた当日から4月5日まで6営業日連続の低下となり、6日も一時3.27%まで続落したが終盤に持ち直した。30年債利回りは3月29日に3.82%をつけた当日からの5日まで6営業日続落となり、6日も前日比0.02%低下の3.55%で7営業日続落に終わった。
利上げに敏感な2年債利回りは3月31日に4.17%をつけた当日から4月5日まで4営業日続落となり、5日には3.65%まで低下したが6日は7日の雇用統計を意識して前日比0.04%上昇の3.83%と戻した。

一方でNYダウは前日比2.57ドル高とわずかに上昇、4月5日の80.34ドル高からの小幅続伸となったが4月4日高値超えへは進めずに上値が重くなっている。ナスダック総合指数は4月3日から5日まで3営業日続落だったものの6日は前日比91.10ポイント高と買い戻された。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

ドル円は3月24日安値129.63円からの上昇が一巡して4月3日午後高値133.74円から下落に転じてきたが、4月5日深夜安値130.63円で目先の底をつけて持ち直している。4月7日夜の米雇用統計を控えた調整的な買い戻しというところであり、米雇用統計を強気で通過する場合は週明けへの続伸が予想されるが、雇用統計を通過して直前高値から1円を超える下落が発生する場合は戻り一巡による下落期入りとみて12日深夜にかけての下落を想定し、その際は3月24日安値129.63円割れへ向かう可能性もあるのではないかと考える。

60分足の一目均衡表では4月3日深夜への急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落し、その後も両スパンそろっての悪化が続いてきたが、6日深夜への上昇で遅行スパンが好転した。先行スパンの上限が132円手前にあって上値を抑えているため、132円超えから続伸に入れば先行スパン突破による上昇感が強まるとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落する場合は戻り一巡による下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は4月5日未明から5日深夜への安値更新に際して指数のボトムがほぼフラットとなる強気逆行を見せて反騰入りしたが、6日夜以降は60ポイントを超えたところで上値が抑えられている。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは65ポイント超えから70ポイント台への上昇を想定するが、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント割れを目指す低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4月6日夜の反落時安値130.95円を下値支持線、132.00円を上値抵抗線とする。
(2)131.40円以上での推移中は一段高余地ありとみる。米雇用統計前では132円台序盤で戻り売りされやすいとみるが、米雇用統計を強気で通過する場合は133円に迫る上昇を想定し、週明けも続伸しやすいとみる。
(3)131.40円以下での推移中は下向きとし、130.95円割れからは下落期入りとみて4月5日深夜安値130.63円試しへ向かうとみる。米雇用統計を弱気で通過する場合は130円前後へ下値目途を引き下げ、週明けもさらに続落しやすいとみる。

【当面の主な予定】

4/7(金)
休場 米国(グッドフライデー、為替は通常、債券は短縮、株式と商品は休場)
休場 カナダ、ドイツ、スイス、フランス、英国、イタリア、ノルウェー、メキシコ、南ア、インド
休場 ニュージーランド、オーストラリア、香港、シンガポール、インドネシア、ブラジル等
休場 マレーシア(ゴム休場、株式と金融債券は通常取引)
14:00 (日) 2月 景気先行指数CI・速報値 (1月 96.6、予想 97.5)
21:30 (米) 3月 非農業部門就業者数 前月比 (2月 31.1万人、予想 23.9万人)
21:30 (米) 3月 失業率 (2月 3.6%、予想 3.6%)
21:30 (米) 3月 平均時給 前月比 (2月 0.2%、予想 0.3%)
21:30 (米) 3月 平均時給 前年同月比 (2月 4.6%、予想 4.3%)

4/8(土)
黒田日銀総裁任期満了

4/10(月)
休場 英国、ドイツ、フランス、スイス、ベルギー、イタリア、ノルウェー
休場 香港、オーストラリア、ニュージーランド、南ア、フィリピン等 


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る