ドル円、ポジション調整主導で持ち直す展開。本日は米3月雇用統計がメインイベント
〇ドル円、急ピッチな下落に対する自律反発、黒田日銀総裁のハト派発言等に131.88まで上昇
〇ユーロドル、独鉱工業生産の良好な数字、ECB関係者のタカ派発言等に米国時間に高値1.0938まで上昇
〇ドル円、アップサイドに複数のレジスタンス並び、強い売りシグナルも継続、上昇余地乏しいか
〇本日米雇用統計のネガティブサプライズ要警戒
〇本日よりイースター休暇で多くの国が祝日・休場に、流動性の低下に注意
〇本日の予想レンジ:130.00ー132.75
海外時間のレビュー
6日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値130.79まで下げ幅を広げるも、前日安値130.65をバックに下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動(自律反発)や、(2)黒田日銀総裁による「緩和継続が適切」とのハト派的な発言、(3)中国3月財新非製造業PMI(結果57.8、予想55.0)の市場予想を上回る結果、(4)欧米株の底堅い動き、(5)米長期金利の低下幅縮小、(6)セントルイス連銀ブラード総裁による「インフレ率は低下したものの依然として高すぎる」とのタカ派的な発言、(7)イースター休暇および米雇用統計を控えたポジション調整が支援材料となり、米国勢参入後に、高値131.88まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/7午前5時30分時点)では、131.82前後で推移しております。尚、昨日発表された米新規失業保険申請件数は市場予想20.0万件に対して結果が22.8万件と、冴えない結果が示されましたが、ドル売りでの反応は一時的なものに留まりました。
6日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0884まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ2月鉱工業生産(結果+0.6%、予想▲2.0%)の市場予想を上回る結果や、(2)レーンECB専務理事による「景気見通しが大きく変わることがない限り、ECBは5月に追加利上げを実施する可能性が高い」とのタカ派的な発言、(3)欧州株の底堅い動き、(4)イースター休暇および米雇用統計を控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0938まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/7午前5時30分時点)では、1.0923前後で推移しております。尚、昨日は国際通貨基金(IMF)より、今後5年間の世界経済見通しが1990年以来の低さになるとの見通しが示されましたが、市場の反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は3日連続で陰線が続いたあと、持ち直す動きとなりました。但し、アップサイドに複数のレジスタンスポイント(一目均衡表転換線、一目均衡表雲下限、21日移動平均線、90日移動平均線など)が並んでいることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」および「弱気のパーフェクトオーダー」も成立していること等を踏まえると、ここからの更なる上昇は容易では無いと判断できます(上値余地は乏しく、一巡後の反落リスクに要警戒)。こうした中、本日は日本時間21:30に発表される米3月失業率(予想3.6%)や、米3月非農業部門雇用者数(予想23.9万人)、米3月平均時給(予想4.3%)に注目が集まります。今週発表された米雇用関連指標(米JOLT求人件数、米ADP全米雇用報告、米新規失業保険申請件数)は軒並み冴えない結果が続いているため、本日発表される米雇用統計についても、ネガティブサプライズの発生に警戒が必要でしょう。
米労働市場を巡る逼迫懸念が後退すれば、米FRBによる利下げ開始をもう一段織り込む形(米金利低下→米ドル急落の経路)で、ドル円に強い下押し圧力が加わるものと推察されます。状況次第では、心理的節目130.00を一気に割り込み、3/24に記録した直近安値129.65や、1/16に記録した年初来安値127.22を試すシナリオも想定されます。特に本日よりイースター休暇で多くの国(ニュージーランド、オーストラリア、香港、インド、インドネシア、フィリピン、南アフリカ、英国、欧州諸国、カナダ、ブラジル)が祝日・休場となるため、流動性が極端に薄くなる(相場が一方向に大きく動く恐れがある)恐れがある点にも留意が必要でしょう(米株市場も休場。米債券市場は短縮取引)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(通貨オプション市場は円コールオーバーを維持するなどダウンサイドを織り込む動きが継続中)。
本日の予想レンジ:130.00ー132.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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