『週を通してドル円との同調相場が継続。対ドルは年初来安値を更新』
〇今週のトルコ円、週初6.79まで下落後、週後半にかけ週間高値6.97まで上昇
〇トルコ景気動向指数の改善、世界的な金融システム不安を巡る過度な警戒感の後退が背景
〇対ドル相場は3/28に史上最安値を更新
〇トルコ円、トルコリラの実質的ドルペッグ政策続き、週を通して、「トルコリラ円=ドル円」の同調相場
〇但し、対ドル相場が安定性を保ちつつも、日々じわじわと安値を切り下げている点には留意が必要
〇5/14の大統領選および国会議員選挙後で、実質的なドルペッグ政策を撤廃するとの見方も
〇トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):6.65ー7.05
今週のレビュー(3/27−3/31)
今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初6.85円で寄り付いた後、(1)株式市場の冴えない動きや、(2)上記1を背景としたリスク回避ムードが重石となり、翌3/28にかけて、週間安値6.79円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)トルコ3月景気動向指数(結果104.1、前回102.4)の良好な結果や、(4)世界的な金融システム不安を巡る過度な警戒感の後退(米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズによるシリコンバレー銀行買収合意→リスクセンチメント改善→VIX低下→リスクアセット上昇→新興国通貨上昇)、(5)リスク選好の円売り圧力(ドル円急伸→トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値6.97円まで上昇しました。もっとも、心理的節目7.00円をバックに伸び悩むと、(6)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(7)トルコ株の冴えない動き、(8)トルコ3月経済信頼感(結果98.8、前回99.1)の不冴な結果が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4/1午前1時40分現在)では、6.92円前後で推移しております。尚、対ドル相場は3/28に史上最安値を更新しました。
来週の見通し(4/3−4/7)
トルコ政府・トルコ中銀による対ドル相場のボラティリティ抑制策(資本規制や為替介入を通じて対ドルでのトルコリラを安定化させる政策=実質的なドルペッグ政策)が継続する中、今週も週を通して、「トルコリラ円=ドル円」の同調相場が続きました(週央以降にドル円が急伸→トルコリラ円も連れ高)。但し、対ドル相場が安定性を保ちつつも、日々じわじわと安値を切り下げている点には留意が必要でしょう。市場では早くもトルコ政府・トルコ中銀によるドルペッグ限界論の話が出てくるなど、きな臭さが漂い始めてきました。そもそも資本規制や為替介入を通じた強引なボラティリティ抑制策は、経常収支や財政収支の悪化、外貨準備減少といった副作用を伴うことから、長期化させることが難しいとされています。
事実、直近で発表されたトルコ財政収支、トルコ経常収支、トルコ貿易収支は軒並み過去最大規模の赤字を記録しました。また、トルコ中銀の外貨準備残高も減少基調を辿っています。世界的な金融システム不安を巡る警戒感や、大地震発生に伴うトルコ経済の先行き不透明感も、トルコリラの潜在的な重石としてなるでしょう。市場では5/14に予定されているトルコの大統領選および国会議員選挙後のタイミングで、トルコ政府・トルコ中銀が実質的なドルペッグ政策を撤廃するのではないかとの見方も燻っています。
もし、そうした状況が実現すれば、対ドルでのトルコリラ暴落を通じて、トルコリラ円にも強い下押し圧力が加わりそうです(世論調査では野党候補のクルチダルオール氏の支持率が53.1%、現職のエルドアン氏の支持率が42.3%)。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(短期的な視点ではドル円との同調相場が続くと見られることから、ドル円反落→トルコリラ円連れ安のシナリオを想定。5/14の大統領選以降は、実質的なドルペッグ撤廃を通じてトルコリラが主体性を持って急落するシナリオを想定)。尚、来週はトルコ3月製造業PMI、トルコ3月CPI、トルコ3月PPIに注目が集まります。
来週の予想レンジ(TRYJPY):6.65ー7.05
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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