シカゴポジション(CME)378
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年3月21日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴポジションが通常の締日にキャッチアップしてきました。更新が遅れ始めたのが2月7日からですので、4通貨の約1ヶ月半の差異をみます。
上記の表だけみると、ユーロ除く3通貨が米ドル高なので、上手くポジションを取っていることになっていますが、実際はこの1ヶ月半でやれやれとなったのは豪ドルのみで、昨年10月25日締日(終値0.6395)に▼51,446枚でしたが、上記の2月7日までは豪ドル高の流れで(締日高値では1月31日0.7054)でポジションを半減近くまで損切りし、その後はやや売り下がりで上手く対応しています。NZドルは非常に厳しい結果になりました。オセアニア通貨で真逆のポジションにしていましたが、ここ2週間で2通貨共に米ドルロングに切り替えています。
NZドルは上記の2月7日が最大のロング枚数で、締日では1月24日0.6502が高値でした。NZドルロングの平均コストが0.64付近で、3月7日締日でも+5,627枚(終値0.6106)維持し、翌週14日に▼4,741(終値0.6235)とひっくり返したので、多分損切りとなっています。21日では▼8,783枚(終値0.6193)まで積み上げ、0.6200辺りが平均コストと思われます。欧米の金融機関の信用不安からここ1〜2週間で米ドル安になっているので、シカゴにとっては再度試練となる可能性あります。
円は先週に、各週のネットポジションを書きましたが、暫く2〜3万枚のドルロングでしたが、ロング積み上げ再開が2月28日週(ネット残+58,678枚)から。そしてその週の底値が134円でした。3月7日週には+75,303枚となり(締日終値137円16銭)、最大のロングとなっています。多分コスト割れになっていることが予想されます。ユーロは1.10台に乗せたのが2月1日・2日で、その週の締日7日がネット+165,038枚のユーロロングでしたので、その後のユーロ安でじっと我慢を強いられたと思われます。ここまでの相場が概ねシカゴ相場観に反する動きとなっているので、オセアニア通貨と円の動向が気に掛かります。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴはNZドルロングポジションをひっくり返し、この2週間で一気に▼8,783枚までショートを積み上げています。相場観の目安が5,000枚ですので、シカゴはNZドル先安観を持っています。3週前の3月7日締日終値が0.6106、その後は0.6235、0.6193ですので、戻り売りになっています。
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
チャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5720〜0.6440にあり、また1月24日締日高値0.6502と2月14日の戻り高値を結んだ緑の抵抗線が0.6210まで下がり、21日締日終値が0.6193でしたので、この緑の抵抗線を上限にしてNZドルが下落しています。このまま緑に沿って下がれば良いのですが、もし越えた場合に黒のトレンドライン上限まで売り上がりするかを見る必要があります。明日の締日終値を注目します。
さて実際の相場は、先週「…逆に2月14日高値からの抵抗線0.6205を越えており、NZドル高への戻りが強まっています。但し、目先は0.6270〜80の抵抗線が強いので、最低でも日足で0.6300以上の終値を確認した後の一段高狙いとした方がリスク少なくなります。(中略)一方、2月14日高値からの抵抗線を上抜けており、今週は0.6150でサポートになっているので、これ以下に潜り込むと再度NZドル安に戻ります、金曜日には0.6120まで下がります」としましたが、20日に0.6308の高値を付けたものの、終値では0.6246まで落とされました。底値は0.6171までで、0.6150サポートを切れず短期的なNZドル高を守っています。このサポートは今日0.6180にあり、金曜日には0.6220まで上がるので、今週はここが下値ポイントになります。もし切れた場合は0.6160、0.6130、0.6110、そして0.6080〜90の2回目底値トライになります。
一方で0.6180〜0.6220ゾーンのサポートを守れば、まだ上値トライの可能性を残しており、0.6280、0.6310〜20、0.6350の順にある抵抗線狙いとなります。
(1NZドル=0.6210米ドル、3月27日13:15)
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