米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利記者発表
水曜日に開催されたFOMC金融政策会合の記者発表要旨が公表されました。金利面では事前予想通り0.25%の利上げ実施となり、今後も利上げが適切になるかもしれないと述べ、従来よりは、やや利上げトーンが緩んでいます。
(1)FOMC声明文記者発表要旨
最近の指標は消費や生産で緩やかな成長を示している。雇用増はここ数ヶ月で上昇し、堅調なペースで推移している。失業率は低水準のままである。インフレは依然として上昇している。
米国の銀行システムは健全で回復力がある。最近の動向は、おそらく家計や企業への信用引き締めの結果であり、経済活動や雇用、あるいはインフレへの重石になるかもしれない。これらの影響程度は不透明である。委員会は引き続き、インフレリスクに対し非常に注意を払っている。
委員会は最大雇用と長期的にインフレ2%目標を達成することを目指している。これらの目標を支援するために、委員会はFFレートの目標レンジを4.75〜5.00%に引き上げることを決定した。委員会は入手する情報を綿密に監視し、金融政策への密接な関係を査定することになる。委員会は、時間経過と共にインフレを2%に戻すべく十分に制限的な金融政策スタンスを達成するため、幾分の追加的金融引き締めが適切となるかもしれないと予想している。委員会は、将来の目標レンジ引き上げの程度を決定するにあたり、金融政策の累積的引き締め、金融政策が経済活動とインフレに影響を与える遅れ(ラグ)、そして経済や金融情勢の進展を考慮していく。加えて、委員会は国債、機関債、不動産担保証券の保有を継続的に削減してことになる。これは以前に公表された計画に記載されている。委員会はインフレを2%目標へ回帰させることを強く付託されている。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対し入手する情報の含みを引き続き監視していくつもりである。もし委員会の目標達成を妨げるリスクが生じた場合、委員会は金融政策スタンスを適宜調整する用意がある。委員会の査定は、労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待、金融および国際情勢に関する分析を含む幅広い情報を考慮にいれる。
金融政策行動に対する賛成票:パウエル議長、ウィリアムズ副議長、マイケル・バー、ミシェル・ボウマン、リサ・クック、オースタン・グールスビー、パトリック・ハーカー、フィリップ・ジェファーソン、ニール・カシュカリ、ローリー・ローガン、クリストファー・ウォラー。(全員賛成)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2)FRB経済見通し中央値
(3月時改定)
今回3月は昨年12月見通しと概ね変わっていません。GDPは今年・来年でやや下方修正、2023年の失業率がやや低下、同コアPCEは小幅上方修正され、2023年のFF金利は変わらず、2024年は高止まった形になっています。従い、ドットプロット(分布は下記(3)をご参照願います)も大きく変わっていません。
(3)ドットプロット
(前回12月)
(予想委員19名)
(今回3月)
(予想委員18名)
(3月の赤字部分は12月時予想では無かった水準です)
水曜日のドル円相場はFOMC前に132円50銭付近で推移していましたが、FOMC内で今後の利上げに関しては、追加引き締めが適切になるかもしれないとの文言になり、過去と比較して利上げトーンが弱まったことからドル売りとなり、131円44銭で引けました。昨日23日も米10年債金利低下にドル売りとなり、一時130円32銭まで売られ130円85銭で引けました。次回FOMC会合は2023年5月3日(水曜日)に予定されています。
(2023年3月24日13:10 1ドル=130円42銭)
オーダー/ポジション状況
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