ドル続落リスク高いが調整の動きにも注意
〇本日のドル円、前日記録した直近安値130.32を更新、一時は130円割れに迫る局面も
〇テクニカルにはドルのサポートは東京安値130.05レベル、そして2/10安値129.80か
〇調整的なドル買戻しにも要注意だが、基本的なリスクはドル安方向
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.00、ドル高・円安方向は131円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、同じく本日東京で割り込めなかった130円をめぐる攻防にまずは注目
<< アジア市場の動き >>
24日の東京市場はドルが軟調裡。一時130円割れに迫る局面も観測されたが、最終盤に掛けてはややドルの買い戻しも。
ドル/円は130.80円レベルで寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。しかし、底割れすると前日記録した直近安値130.32円を更新、一時は130円割れを意識した展開も観測されている。そののち最終盤に掛けてはややドルが買い戻されたものの上値は重く、16時現在では130.40-45円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「金融システム不安」と「TikTok騒動」について。
前者は、SVB破綻に端を発した金融システム不安は最悪期を脱したものの、依然として様々なニュースが飛び交うなど、引き続き予断を許さない。たとえば、スイス中銀総裁は「現時点でクレディ・スイス(CS)の分離や切り離しは議題に上っていない」と発言したほか、ロイターはスイス当局などが「UBSによるCS買収を1ヵ月以内に完了させることを目指している」と報じていた。一方、それとは別にイエレン米財務長官からは「正当化される場合、当局には預金保護で追加措置を講じる用意がある」とのコメントが観測されていた。
対して後者は、世界的な「TikTok包囲網」ともいえる動きが話題に。米国やカナダなどに続き、英議会もネットワークでの利用を禁止すると発表している。そうしたなか、中国商務省の報道官は、米政権がTikTokの親会社に株式売却を要求したと一部で伝えられたことに反論。「売却する場合は中国政府の許可が必要」だと主張したほか、当のTikTokのCEOが米議会で証言し、「中国政府の要請でコンテンツを宣伝もしくは削除することはない」などと思惑を強く否定していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日そして本日と連日の直近安値を更新。辛うじて130円は維持されているものの、割り込むのは時間の問題かもしれない。ちなみに、テクニカルにはそんなドルのサポートは東京安値の130.05円レベル、そして2月10日安値129.80円か。後者は安値127.22円を起点とした上昇幅の76.4%押しにもほぼ合致するレベルで、「しっかり」下回れば全戻しも否定できない。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高いなか、ここ数日はFRBによる資金供給制度の拡充が一部で話題となっている。そしてFRBが保有資産の圧縮を進める量的引き締め(QT)策から、バランスシート拡大という量的緩和策(QE)へ転換したのではないか、などといった深読みする声も聞かれていたようだ。なお、本日は発表される米経済指標を注視しつつ、米金利や株価の動きに一喜一憂する展開が予想される。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先日割り込んできた一目均衡表の先行帯の雲の下限を今度は抵抗にドルが続落。本日東京では2月10日以来の130円割れを意識した展開をたどっていた。ポジション的にはドルショートであり、日柄的に本日は週末。調整的なドル買戻しにも要注意だが、基本的なリスクはドル安方向か。前述した129.80円、あるいはさらなるドル安進行にも要注意だろう。
本日は米経済指標として、2月の耐久財受注速報や3月の製造業PMI速報などが発表される予定だ。また、昨日に続きロシア制裁やウクライナ支援を主要議題に話し合われるもようのEU首脳会議にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値も近い131円レベルが最初の抵抗。超えると一目の雲の下限が位置する131円半ばを目指す。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京で割り込めなかった130円をめぐる攻防にまずは注目。下回るとフィボナッチポイントも近い129.80円レベルがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.03.24
「東京市場のドル・円は売り優勢の地合い、129円台突入で下値模索か」(23/03/24)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、ドル売り優勢となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。