ドル続落リスク高いが調整の動きにも注意(3/24夕)

24日の東京市場はドルが軟調裡。一時130円割れに迫る局面も観測されたが、最終盤に掛けてはややドルの買い戻しも。

ドル続落リスク高いが調整の動きにも注意(3/24夕)

ドル続落リスク高いが調整の動きにも注意

〇本日のドル円、前日記録した直近安値130.32を更新、一時は130円割れに迫る局面も
〇テクニカルにはドルのサポートは東京安値130.05レベル、そして2/10安値129.80か
〇調整的なドル買戻しにも要注意だが、基本的なリスクはドル安方向
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.00、ドル高・円安方向は131円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、同じく本日東京で割り込めなかった130円をめぐる攻防にまずは注目

<< アジア市場の動き >>

24日の東京市場はドルが軟調裡。一時130円割れに迫る局面も観測されたが、最終盤に掛けてはややドルの買い戻しも。

ドル/円は130.80円レベルで寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。しかし、底割れすると前日記録した直近安値130.32円を更新、一時は130円割れを意識した展開も観測されている。そののち最終盤に掛けてはややドルが買い戻されたものの上値は重く、16時現在では130.40-45円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「金融システム不安」と「TikTok騒動」について。
前者は、SVB破綻に端を発した金融システム不安は最悪期を脱したものの、依然として様々なニュースが飛び交うなど、引き続き予断を許さない。たとえば、スイス中銀総裁は「現時点でクレディ・スイス(CS)の分離や切り離しは議題に上っていない」と発言したほか、ロイターはスイス当局などが「UBSによるCS買収を1ヵ月以内に完了させることを目指している」と報じていた。一方、それとは別にイエレン米財務長官からは「正当化される場合、当局には預金保護で追加措置を講じる用意がある」とのコメントが観測されていた。

対して後者は、世界的な「TikTok包囲網」ともいえる動きが話題に。米国やカナダなどに続き、英議会もネットワークでの利用を禁止すると発表している。そうしたなか、中国商務省の報道官は、米政権がTikTokの親会社に株式売却を要求したと一部で伝えられたことに反論。「売却する場合は中国政府の許可が必要」だと主張したほか、当のTikTokのCEOが米議会で証言し、「中国政府の要請でコンテンツを宣伝もしくは削除することはない」などと思惑を強く否定していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日そして本日と連日の直近安値を更新。辛うじて130円は維持されているものの、割り込むのは時間の問題かもしれない。ちなみに、テクニカルにはそんなドルのサポートは東京安値の130.05円レベル、そして2月10日安値129.80円か。後者は安値127.22円を起点とした上昇幅の76.4%押しにもほぼ合致するレベルで、「しっかり」下回れば全戻しも否定できない。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高いなか、ここ数日はFRBによる資金供給制度の拡充が一部で話題となっている。そしてFRBが保有資産の圧縮を進める量的引き締め(QT)策から、バランスシート拡大という量的緩和策(QE)へ転換したのではないか、などといった深読みする声も聞かれていたようだ。なお、本日は発表される米経済指標を注視しつつ、米金利や株価の動きに一喜一憂する展開が予想される。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先日割り込んできた一目均衡表の先行帯の雲の下限を今度は抵抗にドルが続落。本日東京では2月10日以来の130円割れを意識した展開をたどっていた。ポジション的にはドルショートであり、日柄的に本日は週末。調整的なドル買戻しにも要注意だが、基本的なリスクはドル安方向か。前述した129.80円、あるいはさらなるドル安進行にも要注意だろう。

本日は米経済指標として、2月の耐久財受注速報や3月の製造業PMI速報などが発表される予定だ。また、昨日に続きロシア制裁やウクライナ支援を主要議題に話し合われるもようのEU首脳会議にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値も近い131円レベルが最初の抵抗。超えると一目の雲の下限が位置する131円半ばを目指す。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京で割り込めなかった130円をめぐる攻防にまずは注目。下回るとフィボナッチポイントも近い129.80円レベルがターゲットに。

ドル続落リスク高いが調整の動きにも注意

ドル円日足


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