トルコリラ円見通し 円高継続で続落、トルコ中銀は政策金利を現状維持(23/3/24)

トルコリラ円の3月23日は概ね6.92円から6.84円の取引レンジ、24日早朝の終値は6.86円で前日終値の6.90円からは0.04円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 円高継続で続落、トルコ中銀は政策金利を現状維持(23/3/24)

トルコリラ円見通し 円高継続で続落、トルコ中銀は政策金利を現状維持

〇トルコリラ円、ドル円の下落により3/23昼6.84まで安値を切り下げ、夜に6.92までいったん戻す
〇その後3/24早朝ドル円が一段安した局面で、6.84へ安値をさらに切り下げる
〇対ドル、3/23は概ね19.07から19.00の取引レンジ、最安値近辺での推移が続く
〇昨日のトルコ中銀金融政策委員会で、政策金利の現状維持を決定
〇週次のトルコ外貨準備高は大幅増加、サウジアラビアによる資金援助を反映したものか
〇6.92以下での推移中は一段安警戒とし、6.84割れからは6.80前後への下落を想定する
〇6.92超えからはいったん戻しに入るとみて、6.95前後への上昇を想定する

【概況】

トルコリラ円の3月23日は概ね6.92円から6.84円の取引レンジ、24日早朝の終値は6.86円で前日終値の6.90円からは0.04円の円高リラ安だった。
トルコリラ円はドル/トルコリラにおける長期的なリラ安基調を気にしつつも昨年7月後半以降はドル円の騰落率が勝るためにドル円に合わせた動きを続けている。
ドル円は3月23日未明のFOMCが0.25%利上げを決定したもののあと1回で利上げを終了する姿勢を示したことによるドル安で22日夜高値132.99円から23日早朝に131.00円へ急落、23日昼に130.42円へ続落したところから夜に131.65円までいったん戻したものの24日早朝には130.31円へ安値を切り下げた。

トルコリラ円は3月20日夕安値6.86円からの上昇が3月22日夜高値6.99円で一巡となり、FOMCを挟んだドル円の下落により23日早朝に6.88円へ急落し、23日昼には6.84円まで安値を切り下げた。23日夜に6.92円までいったん戻したものの24日早朝へドル円が一段安した局面で6.84円へ安値をさらに切り下げた。
3月24日午前序盤はドル円が131円に迫ったところから失速気味となり、トルコリラ円も安値更新を回避しつつ上値の重い展開となっている。

【対ドルでは最安値近辺での推移続く】

ドル/トルコリラの3月23日は概ね19.07リラから19.00リラの取引レンジ、24日早朝の終値は19.00リラで前日につけた終値としての最安値19.04リラからは0.04リラのドル安リラ高だった。
3月23日夕刻に発表されたトルコの3月消費者信頼感指数は80.1となり2月の82.5から悪化したが市場の反応は限定的だった。23日夜にトルコ中銀は市場予想通りに政策金利を据え置いたため、新たなリラ売り材料とはならなかったことと、その後に発表された週次の外貨準備高が増加したことがリラの下支えとなったが市場反応は限定的なものに留まった。
手元のデータでは3月15日につけた取引時間中の史上最安値19.10リラから新たな安値更新は回避されているものの最安値近辺での推移が続いており、3月24日午前序盤は19.08リラから19.00リラのレンジで推移しつつ最安値に迫る展開となっている。

【トルコ中銀は政策金利を現状維持】

3月23日のトルコ中銀金融政策委員会では政策金利の週間レポレートが8.50%で据え置かれた。トルコ中銀は高インフレとリラ安が継続する中で昨年11月までの4会合連続で利下げを強行して政策金利を14.0%から9.0%まで低下させたが、11月会合で当面の利下げを終了するとし、12月、1月と据え置いた。しかし2月6日のトルコ南部大地震発生に対する支援措置として2月23日に8.50%へ利下げを行い、今回の会合でも市場予想の大半は現状維持だったものの一部では連続利下げの可能性もあるのではないかとみられていた。
3月23日は未明に米FOMCが0.25%利上げ、夜にはノルウェーとスイス及び英中銀が利上げを決定しており、米銀破綻やクレディ・スイス経営危機問題等による信用不安が払拭されない中でもインフレ抑制のための利上げを優先する姿勢が示された。エルドアン政権としては5月の大統領選挙で劣勢との報道もある中で景気刺激として追加利下げに踏み切りたいところもあったと思われるが、主要国が利上げする際中には利下げしづらいところだったと思われる。

【外貨準備高はサウジの援助で回復】

3月23日夜に発表された週次のトルコ外貨準備高は3月17日時点のグロスで739.3億ドルとなり3月10日時点の697.0億ドルから42.3億ドルの大幅増加となった。ネットでは199.9億ドルとなり3月10日時点の186.2億ドルから13.7億ドルの増加となった。
2月6日のトルコ大地震発生後にリラ安が進行したことでトルコ中銀によりリラ防衛の非公式市場介入が拡大したことを反映して外貨準備高の減少が顕著となっていたが、サウジアラビアがトルコ支援として50億ドルをトルコ中銀に預託するとし、3月13日には入金されたと報じられていたため、今回の外貨準備高の増加はサウジによる資金援助を反映したものと思われる。しかしリラ防衛のための市場介入を続ければ一時的な増加分も吐き出してしまうことになりかねない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月20日夕安値をサイクルボトムとして上昇していたものの3月22日夜に直近のサイクルトップをつけて弱気サイクル入りしたとし、3月23日夕から27日夕にかけての間への下落を想定した。3月23日午前時点では6.93円超えからは強気転換注意としたが、23日夜の戻りは6.92円までにとどまって24日早朝へ一段安しているのでまだ下落余地ありとみる。
ただし前回ボトムから3日半を経過しているので23日夜高値を超えるところからは強気サイクル入りとして27日夜から29日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では3月23日早朝への急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したが、その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とし、先行スパンを上抜き返すところからは反騰継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は3月23日から24日早朝への安値更新に際して指数のボトムが切り上がっているものの指数のピークも切り下がっているため、50ポイント以下での推移中は20ポイント前後への低下を伴う下落余地ありとみる。強気転換は50ポイント超えからとし、その際は60ポイント台への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.84円を下値支持線、6.92円を上値抵抗線とする。
(2)6.92円以下での推移中は一段安警戒とし、6.84円割れからは6.80円前後への下落を想定する。6.80円以下は買い戻しも入りやすいとみるが下げ足が速まる場合は6.77円前後まで下値目途を引き下げ、8.87円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)6.92円超えからはいったん戻しに入るとみて6.95円前後への上昇を想定する。6.95円前後では戻り売りにつかまりやすいと注意するが、6.92円以上を維持しての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

3月24日
 17:00 2月 海外観光客数 前年同月比 (1月 56.51%)
3月27日
 16:00 3月 製造業信頼感指数 (2月 102.4)
 16:00 3月 設備稼働率 (2月 75.2%)
3月30日
 16:00 3月 経済信頼感指数 (2月 99.1)
 20:30 週次 外貨準備高 3月24日時点 グロス(3月17日時点 739.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 3月24日時点 ネット(3月17日時点 199.9億ドル)



注:ポイント要約は編集部

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