FOMC後の円高で急落、3月8日からの下落継続感強まる
〇トルコリラ円、23日早朝の終値は6.90で前日終値6.96からは0.06円の円高リラ安
〇ドル円の騰落に合わせた展開で推移、23日早朝に6.88へ急落
〇対ドルでは23日早朝終値19.04、3/17と3/21の終値19.01を超えて最安値を更新
〇本日トルコ中銀政策金利発表、連続利下げ決定ならリラ売りを招きやすい
〇6.92以下での推移中は一段安警戒、6.86割れからは6.83前後への下落を想定
〇6.93超えからは6.95試しとするが、6.95前後は反落警戒
【概況】
トルコリラ円の3月22日は概ね6.99円から6.88円の取引レンジ、23日早朝の終値は6.90円で前日終値の6.96円からは0.06円の円高リラ安だった。
ドル円の騰落に合わせた展開で推移しているが、ドル円は3月22日夜に132.99円へ上昇して3月20日夕刻安値130.55円以降の高値を更新したものの23日未明の米FOMCからのドル全面安により23日早朝安値131円へ下落し、トルコリラ円も3月20日夕安値6.86円からの上昇を継続して22日夜高値で6.99円を付けたものの23日早朝には6.88円へ急落した。
FOMCは0.25%の利上げを決定した。利上げは9会合連続だが、前回会合後にインフレ率が高止まりしたことでパウエルFRB議長が議会証言において大幅利上げもあり得ると発言したことで一時は0.50%利上げの可能性も浮上していた。しかし米銀破綻やクレディースイス株暴落等による信用不安の発生で利上げが見送られるのではないかとの見方も浮上していた。結果は予想通りの0.25%利上げに落ち着いたが、年内の利上げはあと1回としたことで利上げの終了も間近と受け止められて為替市場は概ねドル安反応となった。
【対ドルでは終値ベースの最安値を更新】
ドル/トルコリラの3月22日は概ね19.05リラから18.94リラの取引レンジ、23日早朝の終値は19.04リラで前日終値の19.01リラからは0.03リラのドル高リラ安だった。
3月23日未明の米FOMCが0.25%利上げを決定して年内あと1回の利上げとしたことで声明発表から為替市場はユーロが急伸するなどドル安となったが、NYダウの大幅下落とNY原油の反落により豪ドル米ドルは当初の急伸から反落、メキシコペソはFOMCまでのペソ高からドル高へ向かうなどまちまちの動きも見られた。
トルコリラは長期的な下落基調の範囲で他市場動向にはさほど左右されず、3月15日につけた取引時間中の史上最安値19.10リラには届かなかったものの終値ベースでは3月17日と3月21日の終値19.01リラを超えて最安値を更新した。
【今夜、トルコ中銀の政策金利発表】
3月23日20時にトルコ中銀の政策金利発表がある。トルコ中銀は高インフレとリラ安が継続する中で昨年11月までの4会合連続で利下げを強行し、14%だった政策金利の週間レポレートは9.0%まで低下した。11月会合でトルコ中銀は当面の利下げを終了するとし、12月、1月と据え置いていたが、2月6日のトルコ南部大地震発生に対する支援措置として2月23日に8.50%へ利下げした。
今夜の金融政策決定会合では現状維持との予想が中心だが、一部では追加利下げの可能性も取り沙汰されており、連続利下げを決定する場合はリラ売りを招きやすいと思われる。
3月23日夜はノルウェー中銀や英中銀の政策金利発表もあり、為替市場全般が波乱しやすいと注意したい。
【3月8日からの三段下げへ向かう気配】
ドル円は1月16日安値127.21円から3月8日高値137.91円まで上昇したが、その後は戻り高値を切り下げつつ一段安を繰り返している。3月10日の米銀破綻報道をきっかけに3月13日夜安値132.27円へ下落し、いったん持ち直して3月15日夕高値135.09円まで2.82円の戻りを入れたものの、クレディースイス破綻懸念で再び失速し、米SVBフィナンシャルグループの破産申請からの続落で3月20日安値130.55円へ一段安した。3月22日高値まで2.44円の戻りを入れたところからの反落で底割れへの余裕が乏しくなっているが、3月20日安値を割り込めば3月8日高値からの下落は三段目に入り下落の長期化への懸念が強まると思われる。
トルコリラ円も同様の展開であり、3月13日夜から3月15日夜への戻りが一巡してから下落に転じた時に近い動きで失速しており、3月20日安値6.86円割れへの余裕が乏しくなっている。
3月13日安値と3月20日安値を結ぶラインと3月15日夜高値と3月22日夜高値を結ぶラインはほぼ平行となる下降チャンネルを形成しており、安値を結ぶラインは6.80円以下の水準へと切り下がっているが、3月22日夜高値からの下落規模を3月15日高値から3月20日安値までの下げ幅0.27円と同規模とすれば下値計算値は6.72円と計測されるので、3月20日安値を割り込む場合は6.80円、6.75円、6.72円と順次試してゆく可能性も考えられる。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月20日夕安値で直近のサイクルボトムを付けて強気サイクル入りしたとして22日の日中から24日未明にかけての間への上昇を想定していたが、22日夜へ高値を切り上げてから23日早朝へ急落したため、22日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして23日夕から27日夕にかけての間への下落を想定する。
6.93円以下での推移中は一段安余地ありとし、6.93円超えからは強気転換注意とするが、現時点からの強気サイクル入りには22日夜高値に迫る反騰が必要と思われる。
60分足の一目均衡表では3月23日早朝への急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパン下限近辺では戻り売りにつかまりやすいところとし、強気転換には先行スパンの上限へ切り返して突破を試すような上昇が必要と思われる。
60分足の相対力指数は3月21日夜から22日夜にかけての高値更新に際して指数のピークがフラットとなる弱気逆行が見られてから30ポイント割れへ急落した。その後も30ポイント台までにとどまっているのでまだ一段安余地ありとし、強気転換は50ポイント超えからとする。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.86円を下値支持線、6.92円を上値抵抗線とする。
(2)6.92円以下での推移中は一段安警戒とし、6.86円割れからは6.83円前後への下落を想定する。6.83円以下は買い戻しも入りやすいとみるが下げ足が速まる場合は6.80円台序盤(6.82円から6.80円)へ下値目途を引き下げる。
(3)6.92円から6.93円までは戻り売りにつかまりやすいとみる。6.93円超えからは6.95円試しとするが、6.95円前後は反落警戒とみる。
【当面の主な予定】
3月23日
16:00 3月 消費者信頼感指数 (2月 82.5)
20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 8.5%)
20:30 週次 外貨準備高 3月17日時点 グロス(3月10日時点 697.0億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 3月17日時点 ネット(3月10日時点 186.2億ドル)
3月24日
17:00 2月 海外観光客数 前年同月比 (1月 56.51%)
3月27日
16:00 3月 製造業信頼感指数 (2月 102.4)
16:00 3月 設備稼働率 (2月 75.2%)
注:ポイント要約は編集部
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