トルコリラ週報:『事実上のドルペッグ政策が継続する中、対円相場はドル円に同調』(2/25朝)

トルコ政府・中銀による事実上のドルペッグ政策が継続する中、「トルコリラ円≒ドル円」のシンクロ相場が続いております。

トルコリラ週報:『事実上のドルペッグ政策が継続する中、対円相場はドル円に同調』(2/25朝)

『事実上のドルペッグ政策が継続する中、対円相場はドル円に同調』

〇今週のトルコ円、ドル円に同調する動き、7.09−7.23レンジで週末ドル円急伸に伴い上昇
〇トルコ中銀は2/23に政策金利を9.00%から8.50%に引き下げるもトルコリラ相場への影響は限定的
〇トルコリラの対ドル相場「安定性」を維持しつつも、緩やかに史上最安値を更新
〇トルコの資本規制や、為替介入、民間圧力による対ドルでの安定化、近く瓦解の可能性も
〇短期的な上昇を想定しつつも、中長期的な反落リスクをメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):7.10ー7.40

今週のレビュー(2/20−2/24)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、トルコ政府・中銀による対ドルでの事実上のペッグ政策が継続する中、週を通してドル円相場に同調する動きとなりました(対ドル相場が固定されているため、トルコリラ円の動きはドル円に同調)。週初7.12円で寄り付いたトルコリラ円相場は、早々に週間安値7.09円まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)トルコ2月消費者信頼感指数(結果82.5、前月79.1)の良好な結果や、(2)米経済指標の力強い数字(米2月製造業・非製造業PMI、米新規失業保険申請件数、米1月シカゴ連銀全米活動指数)、(3)米FOMC議事要旨のタカ派的な内容、(4)日銀正副総裁候補の所信聴取をこなしたアク抜け感(早期政策修正を滲ませるサプライズは見られず→総じてハト派的な内容→円売り安心感)、(5)米1月PCEデフレータおよび、米1月PCEコアデフレータの市場予想を上回る結果、(6)上記2、3、4、5を背景としたドル円相場の急上昇(トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.23円まで急伸しました(対ドル相場は週末にかけて年初来安値を僅かに更新)。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/25午前3時00分現在)では、7.22円前後で推移しております。尚、トルコ中銀は2/23に、政策金利の1週間物レポレートを9.00%から8.50%に引き下げる措置を決定しましたが、トルコリラ相場への影響は限定的となりました。

来週の見通し(2/27−3/3)

トルコ政府・中銀による事実上のドルペッグ政策が継続する中、「トルコリラ円≒ドル円」のシンクロ相場が続いております。このため、トルコリラ円相場の先行きを予測する上で、ドル円相場の先行きを予測することが極めて重要となります。当方では、米FRBによる金融引き締め再加速の思惑や、日銀による早期政策修正期待の後退、それらに伴う円キャリートレード再開を想定しているため、ファンダメンタルズ的な視点で見て、ドル円上昇→トルコリラ円連れ高のシナリオを想定いたします。但し、先週もお伝えいたしましたが、トルコリラの対ドル相場が「安定性」を維持しつつも、緩やかに史上最安値を更新し続けている点には注意が必要と考えられます。

現在は、資本規制(為替差損保障型預金スキーム)や、為替介入(トルコリラ買い介入)、民間圧力(国内金融機関に対する為替取引のスプレッド拡大や手数料引き上げ要請)を駆使して、トルコリラの対ドルでの安定化を図っていますが、こうした強引な措置は長期化させることが難しく、近く瓦解するのでは無いかとの見方が燻っています。事実、トルコリラを巡るファンダメンタルズは、大地震発生に伴う甚大な被害や、エルドアン大統領の支持率低下、インフレ環境下における相次ぐ利下げ実施(実質金利低下)、財政収支の悪化懸念など、悪材料目白押しの状態が続いております。以上を踏まえ、当方では、短期的な上昇(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)を想定しつつも、中長期的な反落リスク(対ドルとのペッグ崩壊→トルコリラ円急落)をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):7.10ー7.40

注:ポイント要約は編集部

『事実上のドルペッグ政策が継続する中、対円相場はドル円に同調』

トルコリラ円日足

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