トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値6.93、高値7.14レベルとドル円が円安進行した動きをそのまま反映
〇ドルトルコリラはゆっくりとしたトルコリラ安(ドル高)が続く
〇大地震で売買停止となったイスタンブール取引所の株価はほぼ大地震前の水準での取引で再開
〇23日のトルコ中銀会合で支援目的の利下げが行われる可能性あり
〇ドル円の値動きがトルコリラ円にストレートに反映、結局のところは米金利次第
〇今週は6.90レベルをサポートに、7.15レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「年初来の安値圏と高値圏の水準を参考にして、6.80レベルをサポートに、7.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.93レベル、高値が7.14レベルと、予想レンジよりも下値が限定的かつ年初来高値7.15レベルに並ぶ水準を見る動きとなりました。
先週のトルコリラは、ドルトルコリラはゆっくりとしたトルコリラ安(ドル高)が続く中で、ドル円が週初は日銀総裁人事の思惑が一巡し緩和継続のコンセンサスが出来たきたことと、米国CPIが予想よりも強くピーク金利の上昇と長期化を背景に一時135円台へと円安が進行した動きをそのまま反映したということになります。
また大地震発生で売買停止となっていたイスタンブール取引所の株価はほぼ大地震前の水準での取引で再開したことで、金融市場への不安は遠のいたように思えます。ただ大地震による被害が想定以上に大きく、今後のトルコ経済に与える影響は決して小さくは無いため、今週の23日のトルコ中銀会合において支援を目的とした利下げが行われる可能性もあり、その点がひとつ不安材料となりそうです。
現在の政策金利は9.0%ですが、予想は分かれていて、現状維持と1%の利下げで8.0%にするという見方とで利下げを見る向きがやや多いといったところです。しかし、ピークの85.51%からだいぶ下がったとはいえ、まだトルコのCPIは57.68%と異常な高さを見せていますので、本来であればとても利下げなどと言っている場合ではありません。ただ、エルドアン大統領の圧力もかかっているであろうことを考えると、利下げに動くような気がします。
ある程度利下げを織り込んでいるとはいえ、実際に利下げをすればトルコリラ売りにつながるでしょうし、現状維持の場合でもこれまでの緩やかなトルコリラ安の流れを変えることはできないでしょう。ただ、ドルトルコリラの影響はこれまでもほとんど無く、ほとんどドル円の値動きがトルコリラ円にストレートに反映していることを考えると、結局のところは米金利次第ということになります。
先週大幅に上昇してきた米金利が一段高となるのであればドル高・円安となり結果としてトルコリラ円高となるでしょうし、米金利に調整が入るのであればドル安・円高となりトルコリラ円安となるでしょう。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
赤い水平線は年初来高値7.15と安値6.74、その半値6.94に引いてあり現在は半値と年初来高値との間でのレンジにいると考えられます。またピンクの上昇ウェッジはこの2週間の上昇トレンドに沿って引いたものですが、これはドル円のドル高の動きを示しているのと同じです。
トルコ中銀が利下げを行うとすると考えると、ウェッジよりは水平線の上側2本のほうがよさそうに思えます。今週はこの水準を参考にして6.90レベルをサポートに、7.15レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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