南アランド週報:『悪材料噴出で冴えない動き。対ドル相場は約3ヵ月半ぶり安値圏へ』(2/18朝)

南アフリカランドの対円相場は、安値圏での軟調推移が続いております。

南アランド週報:『悪材料噴出で冴えない動き。対ドル相場は約3ヵ月半ぶり安値圏へ』(2/18朝)

『悪材料噴出で冴えない動き。対ドル相場は約3ヵ月半ぶり安値圏へ』

〇今週の南ア円、ドル円の動きにつれ週前半に安値7.31と高値7.48を示現
〇その後は南ア経済指標脳冴えや米金利上昇に伸び悩み7.44レベルで越週
〇南ア円、安値圏での軟調推移が続き、テクニカルの地合いも弱い
〇ファンダメンタルズも長引く電力不足、経済先行き不透明感等南ア売り材料多い
〇引き続き、南アランド円相場の下落トレンド継続をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

今週のレビュー(2/13−2/17)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.32円で寄り付いた後、早々に週間安値7.31円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)円キャリートレード再開の思惑や、(2)上記1を背景とした対主要通貨での円売り再開(ドル円・クロス円上昇→南アランド円連れ高)が支援材料となり、翌2/14にかけて、週間高値7.48円まで上昇しました。

もっとも、21日移動平均線をバックに伸び悩むと、(3)南ア1月消費者物価指数(結果+6.9%、予想+6.9%、前回+7.2%、※前年比)の伸び率鈍化や、(4)南ア1月消費者物価コア指数(結果+4.9%、予想+5.0%、前回+4.9%、※前年比)の市場予想を下回る結果、(5)南ア12月小売売上高(結果▲0.6%、予想+0.5%、前回+0.4%、※前年比)の冴えない結果、(6)米金利上昇に伴う南アフリカから米国への資金流出圧力、(7)金・プラチナ価格の急反落(南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/18午前2時30分現在)では、7.44円前後で推移しております。尚、対ドル相場は週を通して冴えない動きが継続し、週末にかけて、昨年11/4以来、約3カ月半ぶり安値圏へと急落しました。

来週の見通し(2/20−2/24)

南アフリカランドの対円相場は、安値圏での軟調推移が続いております。ローソク足が主要テクニカルポイントの下側に位置していることや、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役逆転」が成立していること、ダウ理論の下落トレンドが継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)同国で長引く深刻な電力不足(ラマポーザ大領領は先週2/9に国家非常事態宣言を発動)や、(2)上記1を背景とした南アフリカ経済の先行き不透明感(南ア中銀は1/26に2023年の同国経済成長率見通しを+1.1%から+0.3%へ大幅下方修正)、(3)南アフリカ中銀による金融引き締め休止観測(南ア中銀は1/26に市場予想の50bpを下回る25bpの利上げを実施→利上げサイクル終了の思惑→南ランドの金利先高観後退)、(4)南アフリカを巡る政局不透明感(与党・アフリカ民族会議の支持率凋落)、(5)米FRBによる金融引き締め長期化観測(米ドルの金利先高観再浮上→新興国から米国への資金流出圧力再開)、

(6)南アフリカの交易条件悪化懸念(南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の急反落)、(7)南アフリカの格下げ懸念(大手格付会社のフィッチやムーディーズが南アフリカの電力危機が同国経済に与える負の影響に対して警告→格下げ懸念再燃)など、南アランドのダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落トレンド継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカの新年度予算案や、南ア1月生産者物価指数に注目が集まります。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

注:ポイント要約は編集部

『悪材料噴出で冴えない動き。対ドル相場は約3ヵ月半ぶり安値圏へ』

南アランド円日足

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