トルコリラ円見通し 円安による押し上げで1月16日以降の高値を更新(23/2/17)

トルコリラ円の2月16日は概ね7.13円から7.09円の取引レンジ、17日早朝の終値は7.10円で前日終値の7.11円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 円安による押し上げで1月16日以降の高値を更新(23/2/17)

トルコリラ円見通し 円安による押し上げで1月16日以降の高値を更新

〇トルコリラ円、ドル円に同調し2/16未明7.126へ一段高、深夜には7.133をつけて1/16以降の高値更新
〇2/17は早朝安値7.09から7.11へ切り返して、高値更新を伺う位置取り
〇対ドル、2/16は概ね18.87から18.83の取引レンジ、ドル高基調とリラ先安観を背景に最安値近辺で推移
〇昨日発表のトルコ外貨準備高は減少、リラ売り抑制目的でFX取引の手数料引き上げ要請との報道も
〇7.08以上での推移中は上昇余地ありとし、7.13超えからは7.16前後への上昇を想定する
〇7.08割れからは下落期入りとみて、7.05前後試しを想定する

【概況】

トルコリラ円の2月16日は概ね7.13円から7.09円の取引レンジ、17日早朝の終値は7.10円で前日終値の7.11円からは0.01円の円高リラ安だった。
2月14日の米CPI上昇率が市場予想を上回ったことでドル高が勢いついたが、15日の米小売売上高等が好調だったことに続いて16日も1月の米PPI上昇率が市場予想を上回ったことでドル高基調が継続となり、ドル円は2月16日深夜高値で134.49円をつけて1月16日安値127.21円以降の高値を更新した。
トルコリラ円もドル円の動きに合わせて2月15日未明高値7.075円へ上昇、16日未明に7.126円へ一段高となったが、16日深夜には7.133円をつけて1月16日安値6.738円以降の高値を更新した。
ドル円は2月17日早朝に133.68円まで反落してから134円台回復へ切り返しているが、トルコリラ円も17日早朝安値7.09円から7.11円へ切り返して高値更新を伺う位置取りとなっている。

【対ドルでは最安値近辺での推移続く】

ドル/トルコリラの2月16日は概ね18.87リラから18.83リラの取引レンジ、17日早朝の終値は18.84リラで前日終値と変わらずだった。
2月6日に発生したトルコ大地震による被害が深刻化する中でリラ安も継続しており、2月15日には一時18.90リラ(ベンダーによっては18.85リラなどまちまち)へ下落して取引時間中の史上最安値を更新、終値も18.84リラで終値ベースでの最安値更新となったが、16日も全般ドル高基調とリラの先安観を背景に最安値近辺での推移が続いた。
トルコ中銀によるリラ安抑止政策により日々の値動きには膠着感も見られるが、取引中心値は1月後半の18.80リラから2月始めに18.82リラ、2月6日から10日にかけては18.84リラへ、今週は18.85リラへと除にリラ安が進行してきている。

【トルコの外貨準備高は減少、FX取引の手数料引き上げ要請等も】

2月16日夜にトルコ中銀が発表した週次の外貨準備高は2月10日時点のグロスで756.3億ドルとなり2月3日時点の779.3億ドルから減少した。ネットでも244.4億ドルとなり2月3日時点の270.9億ドルから減少した。
ネットの外貨準備高は2021年11月に326.4億ドルでピークをつけて2022年7月には60.7億ドルまで大幅に減少したが、その後は持ち直して2022年12月には281.3億ドルまで回復していた。
2021年12月へのリラ暴落とリラ安阻止へのトルコ中銀による市場介入が2021年11月から急減した背景であり、その後はカタールや中国等との通貨スワップ協定の強化やトルコ国内の輸出企業に対する保有外貨規制等により回復傾向を示してきた。しかしリラ安の進行は止まらず、海外からの支援による増加も一段落した状況にある中、トルコ大地震の発生によりリラ安抑止への動きを強めている結果として外貨準備高の減少が顕著となり始めている可能性がある。翌週の外貨準備高も減少傾向が顕著になるようだと、リラ防衛力の低下としてリラ売り材料となりやすくなるのではないかと思われる。

2月16日夜にはトルコ中銀が国内金融機関に対して為替取引におけるスプレッドの拡大や手数料の引き上げを要請したとの報道もある。スプレッド拡大や手数料の引き上げで売買の回転を抑えてリラ売りを抑制しようとの意図によるものと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月10日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして15日午前から17日午前にかけての間と想定してきたが、2月14日夜に7.00円をいったん割り込んでから一段高へと上昇したために、2月15日午前時点では2月14日夜安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして16日深夜から21日未明にかけての間への上昇を想定した。
2月16日夜へ高値を更新してから小反落したものの7.10円割れを買い戻されて高値圏を維持しているのでまだ上昇余地ありとみるが、7.08円割れからは弱気サイクル入りとして17日夜から21日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では2月14日夜からの反騰で遅行スパンが好転し、先行スパンへ潜り込んだところから上抜き返したが、その後も先行スパンを上回る状況を維持しているものの遅行スパンが実線と交錯を繰り返し始めている。先行スパンを上回るうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンへ潜り込み始める場合は下落期入りの可能性を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。その際は先行スパンの下限が下値支持線となりやすいと考える。

60分足の相対力指数は2月15日未明から16日深夜高値への上昇に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られるが、17日早朝に50ポイントを割り込んだところから持ち直している。65ポイントを超えるところからは逆行破りにより上昇が勢い付く可能性があるとみるが、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント前後への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.08円を下値支持線、7.13円を上値抵抗線とする。
(2)7.08円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.13円超えからは7.16円前後への上昇を想定する。7.16円以上は反落注意とするが、7.08以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.08円割れからは下落期入りとみて7.05円前後試しを想定する。7.05円前後は買い戻しも入りやすいところとみてその後に7.08円を上抜き返すところから上昇再開と考えるが、7.08円以下での推移が続くなら週明けも安値試しへ進みやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月20日
 16:00 2月 消費者信頼感指数 (1月 79.1)
 23:30 1月 中央政府債務 (12月 403.3億リラ) 
2月22日
 16:00 2月 製造業景況感 (1月 101.7)
 16:00 2月 設備稼働率 (1月 75.3)
2月23日
 20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 9.00%、予想 9.00%)
 20:30 週次 外貨準備高 2月17日時点 グロス(2月10日時点 756.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 2月17日時点 ネット(2月10日時点 244.4億ドル
2月24日
 17:00 1月 海外観光客数 前年同月比 (12月 26.79%)



注:ポイント要約は編集部

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