トルコリラ円見通し ドル円の134円台到達に合わせて7.13円へ高値を切り上げる(23/2/16)

トルコリラ円の2月15日は概ね7.13円から6.94円の取引レンジ、16日早朝の終値は7.11円で前日終値の7.06円から0.05円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の134円台到達に合わせて7.13円へ高値を切り上げる(23/2/16)

ドル円の134円台到達に合わせて7.13円へ高値を切り上げる

〇トルコリラ円、ドル円の動きに合わせ16日未明に7.13をつけ1/16以降の高値更新
〇16日午前はドル円が一時134円を割り込むなど上昇一服、トルコリラ円も7.10を一時割り込む
〇対ドルでは18.90へさらに最安値切り下げ、終値ベースでも18.84をつけ史上最安値更新
〇イスタンブール証券取引所は6日ぶりに取引再開、休場明けの15日は前日比9.88%高の大幅上昇
〇15日発表の1月財政収支は322.4億リラの赤字、12月からは減少したが2か月連続での赤字に
〇大地震による財政収支悪化懸念、エルドアン政権への批判拡大など先行き不安は大きい
〇7.07以上での推移中は上昇余地あり、7.13超えからは7.15前後への上昇を想定
〇7.07割れからは下げ再開と仮定し7.05から7.03にかけての水準を試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の2月15日は概ね7.13円から6.94円の取引レンジ、16日早朝の終値は7.11円で前日終値の7.06円から0.05円の円安リラ高だった。
2月14日夜の米1月CPI上昇率が前年比で鈍化傾向を示したものの予想を上回る6.4%で高止まりしたことと前月比が0.5%上昇で12月の0.1%から大幅に伸びたことでFRBによる利上げ継続期間長期化への懸念が強まったと市場は受け止め、為替市場は発表当初に乱高下した後はドル高基調に入り、ドル円は14日夜安値131.50円から15日未明高値133.31円へ上昇、15日夜も米小売売上高や製造業生産、NY連銀景況指数、NAHB住宅市場指数等が市場予想を上回ったことで16日未明には134.35円を付けて1月16日安値127.21円以降の高値を更新した。

トルコリラ円もドル円の動きに合わせて2月14日夜安値6.98円から15日未明高値7.08円へ上昇し、16日未明には7.13円を付けて1月16日安値6.74円以降の高値を更新、1月6日高値7.18円以来の高値水準とした。15日午後には一時6.94円前後へとイレギュラーに急落する場面も見られたが早々に買われている。
2月16日午前はドル円が一時134円を割り込むなど上昇一服となり、トルコリラ円も7.10円を一時割り込んでいる。

【対ドルでは取引時間中及び終値での史上最安値更新】

ドル/トルコリラの2月15日は概ね18.90リラから18.78リラの取引レンジ、16日早朝の終値は18.84リラで前日終値の18.83リラからは0.01リラのドル高リラ安だった。
2月6日に発生したトルコ南部大地震による深刻な被害からリラ売り圧力が強まっており、2月14日に18.86リラへと取引時間中の史上最安値を更新していたが、15日は18.90リラへとさらに最安値を切り下げた。また終値ベースでも18.84リラを付けて史上最安値を更新している。

【イスタンブール証券取引所 6日ぶり再開で急騰】

2月6日のトルコ大地震発生により2月8日から14日まで取引を停止していたイスタンブール証券取引所は6日ぶりに取引を再開した。
2月6日の地震発生時には前日比1.35%安だったが当日高値から安値まで5.4%安と崩れ、2月7日は前日比8.62%安と大幅続落し、8日はさらに大幅続落したところで取引無効として休場に入った。休場明けの2月15日は前日比9.88%高の大幅上昇で再開した。大地震による被害については織り込み、復興需要期待で買い拾われたと思われるが、先行き不透明感はぬぐえず。

【1月のトルコ財政収支は322.4億リラの赤字】

2月15日に発表されたトルコの1月財政収支は322.4億リラの赤字となり赤字額は12月の1186億リラから減少したものの2か月連続での赤字となった。この1年間では2022年2月と5月、11月が黒字だったもののそれ以外は赤字であり、2022年以降は毎月の変動幅も大きく安定しない状況にある。
今回の大地震はトルコにおいて過去最大の震災級被害をもたらしており、被災者支援や復興への巨額財政支出による財政収支の悪化への懸念、地震対策と救助、インフラ復旧へ向けたエルドアン政権への批判拡大などの先行き不安は大きい。今後は難民問題も深刻化しかねない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月10日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして15日午前から17日午前にかけての間と想定してきたが、2月14日未明高値からの反落により2月14日午前時点では7.00円割れからは弱気サイクル入りとし、14日夜に7.00円をいったん割り込んでから一段高へと上昇したために2月15日午前時点では2月14日夜安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして16日深夜から21日未明にかけての間への上昇を想定した。
2月16日未明へ一段高してから下げているものの、7.07円を上回るうちは一段高へ進む余地ありとし、7.07円割れからは弱気サイクル入りの可能性ありとみて7.05円前後への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では2月14日夜からの反騰で遅行スパンが好転し、先行スパンへ潜り込んだところから上抜き返したが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、26本基準線割れを弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からは下落期入りとみて先行スパンからの転落を回避できるか試す流れとみる。

60分足の相対力指数は2月15日未明から16日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られるため、65ポイント超えからは上昇再開とするが、50ポイント割れからは下落期入りの可能性を警戒して30ポイント前後への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.07円を下値支持線、7.13円を上値抵抗線とする。
(2)7.07円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.13円超えからは7.15円前後への上昇を想定する。7.15円以上は反落注意とするが、7.07以上での推移なら17日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.07円割れからは下げ再開と仮定して7.05円から7.03円にかけての水準を試す下落を想定する。7.03円以下は反騰警戒とするが、7.07円以下での推移なら17日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月16日
 20:30 週次 外貨準備高 2月10日時点 グロス(2月3日時点 779.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 2月10日時点 ネット(2月3日時点 270.9億ドル)
2月20日
 16:00 2月 消費者信頼感指数 (1月 79.1)
 23:30 1月 中央政府債務 (12月 403.3億リラ) 

注:ポイント要約は編集部

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