豪州中銀議事録(2016年10月18日公表10月4日開催分)

(出所:豪州中銀HPから)

豪州中銀議事録(2016年10月18日公表10月4日開催分)

豪州中銀議事録(2016年10月18日公表10月4日開催分)

豪州経済緩やかに成長鉱山関連の活動は良好

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

(議事録要旨)
委員達は、豪州経済が非常に強かった3月末四半期の成長後、6月末期には緩やかな成長になったことを念頭におきながら、議論を行った。GDP成長率は1年前に予想していたものよりは高くなった。予想潜在成長率を上回っている。但し、9月末期の成長は6月期と同じように緩やかな成長を継続していると予想している。

鉱山関連の活動は6月期末では1年前の予想より上回った。これは資源輸出の数量の伸びも増加している。そして7月には更に増加した。にも関わらず、労働市場はクウィーンズランド州や西オーストラリアでは相対的に低いままに置かれている。これは年初の貿易減少や鉱山関連の減少によるものと見ている。
また、委員達は最近の天然ガスの増加がGDPに大きな好影響を与えると予想している。しかし、新規雇用増までは結びつかないと予想している。

非鉱山は平均以上の成長だが新規投資を伴わず、家計消費は緩やか

非鉱山関連の活動は6月期末で、長期的にも平均以上の成長を見せている。これは低金利と年初の豪ドル安に支えられている。成長分野は幅広くなり、公的需要も伸びている。しかしながら、非鉱山関連の新規投資は、企業の諸条件や平均以上伸びている設備稼働率にも関わらず、ここ数年でほとんど変わらない。

家計消費は6月期には緩やかなものとなった。これは小売減少の影響を受けている。一方で、消費関連サービスは平均以上の伸びを示している。これは家計消費関連指数の内容が強弱混在しているからである。委員達は今後の消費拡大は家計収入の伸び次第になると確認した。また、家計貯蓄は6月期まではあまり変わらなかったが、最近では下方に向かっているようだ。

都市部で高水準の住宅関連投資、労働市場は強弱まだら

住宅関連投資は住宅借入よりも早いスピードで伸びている。民間住宅投資は引き続き平均以上で伸びており、これは7月・8月のビル建設許可件数が高水準で推移しており、今後数か月間は住宅投資の成長を支えていくと見ている。
住宅価格はシドニーやメルボルンなどの都市で大きく伸びている。対照的に住宅貸出の伸びは低調になっている。賃貸市場も軟化傾向を示している。

労働市場の指標は強弱まばらになっている。失業率は8月には5.6%まで下落した。1年前と比べ0.5%も改善した。しかしながら、不完全雇用率(自分の能力以下の仕事に従事しているとの指数)はここ数年間増加している。委員達は今後の追加労働時間の推移を見守る必要ありと認識した。この様な状況はアメリカも含めた諸国と似た様な状況になっている。オーストラリアにおいては特にパートタイムの仕事が増加している。フルタイムはほとんど変わらずとなっている。

豪ドル高傾向は事態を複雑に、労働市場、住宅関連の不確実性残る

金融市場は9月に多くの先進国で中銀金融政策決定会合が行われ、市場のボラティリティは状上した。それでも大きな金利の変化は見られなかった。アメリカは9月中の利上げは見送られたが、12月には利上げを見込む向きが増えている。日銀は金融政策の大きな変更はなかったが、長期10年債利回りを0%付近に維持する新規政策を打ちだした。また欧州中銀や英国中銀は金融政策を据え置いた。
各国中銀の緩和政策で、主要国の10年債金利は非常に低くなり、そのまま維持されている。
外国為替市場は概ね静かな時期を経過した。豪州ドルは米ドルや貿易加重平均の対象国通貨に対して強くなった(豪ドル高方向)。

8月に利下げを実施したが、9月の会合以降、国内経済指標は8月の金融政策時に予想した数値に沿ったものになっている。鉱山関連投資の減少、貿易の減少などあるが、低金利に支えられた国内需要で調整され、2013年以降の豪ドル安も貿易関係を支えている。しかしながら、最近の豪ドル高は事態を複雑にしているが。将来については労働市場の動きや住宅関連で不確実性が残っている。

10月26日の消費者物価指数動向に着目

委員達は9月期の消費者物価指数動向(10月26日発表予定)に注意を向けており、次回会合ではその数値が利用できる。この時点で経済概観の予想見直しのアップデートが可能になる。利下げや労働条件、住宅市場の進展を見ることが可能である。以上より、委員会は金融政策のスタンスを今回は据え置きにし、経済の持続的成長をはかり、将来のインフレ目標を達成できるように努力する。

(要旨以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

未だ豪州の追加緩和の余地、市場はポジション調整の豪ドル買いで反応

10月の金融政策決定会合でも金利据え置き予想のエコノミストが大半で、予想通りの結果となりました。しかしながら、10月下旬の消費者物価指数次第では利下げを検討するようなニュアンスを残しており、NZに続き、まだ豪州の追加緩和の余地が残っています。
豪ドル/米ドル相場は議事録発表前1豪ドル=0.7630〜40米ドルで推移していましたが、発表後に0.7675付近まで豪ドル買われています。要旨内容では緩和のニュアンスを残していますが、次回会合での追加緩和を示唆した訳ではないので、持ち高調整の豪ドル買戻しとなった感じです。それよりもNZドルが朝方発表された第3四半期消費者物価指数が予想を上回る数値だったために、NZドルショートの買戻しが入ったことによる連れ高になった感じが強くなっています。

相場は31日線(0.7597)を上回っており、3角保合いの抵抗線0.7690〜0.77を試している状況です。今年4月からの3角保合いの収斂が長くなっているので、上下抜け易くなっていますが、仮に上抜いても当面は0.7750と0.7820〜30抵抗線に当たり跳ね返される可能性が高く、本格的なトレンドは来月の金融政策(11月1日)前後からになりそうです。(1豪ドル=0.7599米ドル、10月17日13時40分現在)

オーダー/ポジション状況

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