ロシア
5回目の今回は、ロシアという切り口から、米大統領選を見てみたいと思います。
見るべきポイントは2つ、「核の減少」と「クリミア半島の扱い」です。
先ず、核の話です。
結論から言えば、米露は核の数を減らす方向で話がより進むと考えています。
これはオバマ大統領でなくても、
つまり、次期米大統領が、クリントン候補でも、トランプ候補でも、何れの大統領の場合にでも
起こるべくして起きる展開と予想します。
何故ならば、米国は財政的に苦しいので経費を削減したいと思っていて、ロシアもその点に関しては一致しています。もう既に冷戦ははるか昔に集結しており、出来るだけ現保有の核の数を最小限に抑えて、維持費・補修費・管理費等を削ってくるでしょう。
技術的にみても、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の数や、潜水艦に搭載している核弾頭の数を競う時代ではなく、
今は、敵ミサイルが大気圏を抜けて、一旦宇宙空間へ飛び出してきた際に、人工衛星から迎撃するシステムとか、防御目的のネットシステムとか、軍事費をかけなければならない先がどんどん変化・進歩しているからです。
もう1つはクリミア半島の扱いです。
これに関しては、クリントン候補、トランプ候補で、対応が大きく違っています。
そもそもクリミア半島の問題というのは、この特集第1回でも述べました様に、2013年のオバマ大統領の
「米国はもう、世界の警察官ではない。」との発言をきっかけとして、ロシア場オバマ大統領の行動力を見透かす形で、一気にクリミア半島へ攻め込んで、占拠してしまった事件です。
ロシアからすれば、このクリミア半島にロシアの虎の子の黒海艦隊の母港があり、旧冷戦時代にはウクライナという地域であって、ソ連邦のもと、何も問題がなかったのですが、冷戦終結と同時に、そのウクライナからクリミアが独立してしまったものですから、その後は、ロシアがクリミアから、その港を借りて使用しているかたちになっていて、予てより、プーチンはどうにかしたいと思っていたところでした、とのいきさつがあります。
いずれにせよ、当時のオバマ大統領は当然手を引かせ様と動くのですが、プーチン大統領が従う訳がありません。そのまま占有している状況が続いています。これに対してオバマ大統領は、国交断絶を辞さずとせまり、各種制裁を加えましたが、何も変わっていません。
ですので、当選後はオバマ大統領の路線を引き継ぎますと公言しているクリントン候補の場合には、きっと今のままで対ロシアの関係は問題含みのままでスタートすると思われます。
一方、トランプ候補は、当初より、「私ならプーチン大統領と、上手くやっていける。」と豪語していますが大変疑問であると言わざるを得ません。
何故そうなのかは、是非次回6回目に述べさせて下さい。
途にかく、今後の世界のパワーバランスを見た場合、
勿論、米国が1番で、これに中国と、ロシアが加わった、3強の10年と見ます。
次回は、上記に振れたように、何故、トランプ候補は、プーチン大統領とうまくやってゆけないのか
に触れたいと思います。
オーダー/ポジション状況
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