豪州中銀金融政策記者発表(23/2/8)

2023年2月7日開催分

キーワード:

豪州中銀金融政策記者発表(23/2/8)

豪州中銀金融政策記者発表

(出所:豪州中銀HPから)

昨日の豪州中銀の会合で、政策金利が従前の予想通り0.25%の利上げとなり、今後の利上げに関しても継続する見込みであることを示唆しています。

以下は今回の要旨です。

(金融政策決定)

本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を25ベーシス上げ、3.35%への引き上げを決定した。同時に為替決済残高に関しても25ベーシス上げ、3.25%に引き上げた。

世界のインフレはまだ非常に高いままである。しかしながら、エネルギー価格の低下、サプライチェーン問題の解決、あるいは金融政策の引き締めに呼応して緩やかになっている。インフレが目標レートに戻るまでにはまだ時間がかかることになろう。世界経済の見通しは弱まっており、今年・来年と予想される平均的成長率を下回っている。

豪州では、12月末四半期の年率CPIインフレが7.8%で、1990年以降の最高水準だった。基礎インフレは6.9%で、予想よりも高かった。世界的要因がこの高インフレの大部分を説明しているが、強い内需が経済の多くの分野でインフレ圧力を加えている。

インフレは今年下がることが予想されている。これは世界的要因と内需の鈍化による。見通しの中央値はCPIインフレが今年4.75%、2025年央には約3%まで下がるとみている。中期インフレ期待は確りと留まっており、これがそのままであることが重要である。

豪州経済は2022年を通して力強く成長した。予想の中央値は3ヶ月前とほとんど変わっていない。GDPの伸びは2023年、2024年には約1.5%へと減速すると予想している。Covid制限の解除後にサービス業への支出回復が軌道に乗り、金融情勢のタイト化が消費を幅広く抑えるだろう。

労働市場は依然として非常にタイトである。失業率は、最近数ヶ月約3.5%で安定した。これは1974以降最も低い数値である。求人と求人広告は共に非常に高水準であるが、最近はやや下がった。多くの企業は労働者雇用の難しさを経験し続けている。ただ幾つかの報告では、労働不足の緩和が見られるとしている。経済成長は鈍化し、失業率は上昇することが予想されている。失業率の見通し中央値は今年の年末までには3.75%、2025年央までには4.5%までそれぞれ上昇する。

賃金の伸びは最近数年の低い水準から持ち直しを続けており、タイトな労働市場や高インフレにより更なる上昇が予想されている。物価と賃金のスパイラルを避けるための重要性を考慮すると、委員会は労働コストの進展やその先の期間における企業の物価設定行動の両方に注意を払い続けることになろう。

委員会は金融政策が遅れて(ラグで)作用し、金利率の累積的引き上げの完全な効果がまだ不動産ローンの支払いには感じられないことを認識している。そのタイミングや家計消費への予想される鈍化の程度についは不確実性がある。一部の家計はかなりの貯蓄としてバッファーを持っているが、その他は金利上昇や生計コストの上昇により、自らの予算から痛みを伴い絞り出している。家計のバランスシートもまた住宅価格の下落により影響を受けている。不確実性のもう1つの要因は世界経済が世界中の大規模かつ急速な利上げに対してどの様に応えていくのかである。これらの不確実性は豪州経済にとって様々な潜在的シナリオがあることを意味している。

委員会の優先事項はインフレを目標値に戻すことである。高いインフレは人々に困難をもたらし、経済の機能を損なう。もし高インフレが人々の予想に根強くなってきたら、後で下げるには非常にコストがかかるだろう。委員会は、経済を均等に保ちながら、インフレを目標値の2〜3%に戻すことが求められている。しかし、ソフトランディングを達成する道のりは狭いままである。

委員会は、インフレを目標値に戻し、高インフレのこの時期が一時的であると確信するまで、この先数ヶ月に亘り、更なる利上げが必要であると予想している。今後どの位の利上げが必要となるかを査定するにあたり、委員会は世界経済の進展具合、家計消費のトレンド、インフレや労働市場の見通しに十分注意を払うことになるだろう。委員会はインフレを目標に戻すために断固とした決意のままであり、それを達成するために必要なことを行うつもりである。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(出所:豪州中銀HP

豪ドル米ドルは公表前に0.6924付近で推移していましたが、利上げ継続を示唆する内容に0.6952まで小高くなりました。NY時間では、パウエルFRB議長のハト派的発言に0.6988付近まで買われましたが、経済指標次第では利上げもあるとの発言もあり0.6903まで反落し、0.6959で引けました。今日も0.69台後半中心の小動きとなっています。
今週6日に添付した週足チャートで0.6680〜0.7180レンジの豪ドル高トレンドライン内にある0.6860のサポートも守られています。日足では昨年11月10日底値からのサポートが0.6880にあり、もし切れた場合には次は10月13日底値からのサポート0.6750が目途になります。この間に週足の0.6860サポートがあります。
(2023年2月8日13時40分、1豪ドル=0.6959米ドル)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る