ドル円とともに戻り一巡感、7円に届かず続落
〇トルコリラ円、25日夜は6.90割れから続落、26日午前序盤に6.88を割り込み安値切り下がり続く
〇ドル/トルコリラは18.83-18.78の取引レンジ、史上最安値圏でのもみ合い続く
〇最近はトルコ市場開始時間帯にリラが繰り返し買い戻されているがドル高リラ安基調は変わらず
〇23日発表済の1月消費者信頼感指数は79.1で12月の75.6から改善、2021年9月の水準まで回復
〇消費者心理には改善がみられるが製造業の低調さ続く、建設業も冴えない状況
〇6.90から6.93にかけての水準は戻り売りにつかまりやすいとみる
〇6.85割れからは6.80台序盤を目指す下落を想定、6.90以下での推移中は27日も安値試しへ向かいやすい
【概況】
トルコリラ円の1月25日は6.94円から6.87円の取引レンジ、26日早朝の終値は6.89円で前日終値の6.91円からは0.02円の円高リラ安だった。
ドル円の騰落に合わせた動きだが、ドル円は1月18日の乱高下で付けた18日夜安値127.55円から持ち直しを続けて1月24日夜に131.11円を付けたものの1月18日の急騰時に付けた高値131.57円には届かず、25日夜に129円台序盤へ失速して26日午前もさらに安値を切り下げてきている。
トルコリラ円はドル円の乱高下時に高値で7.00円を付け、18日夜に6.79円まで反落したところから持ち直してきたが、1月24日に6.98円を付けたものの18日高値には届かずに25日夜は6.90円割れから続落となり、26日午前序盤には6.88円を割り込み安値の切り下がりが続いている。
【対ドルでは最安値近辺での推移続く】
ドル/トルコリラの1月25日は18.83リラから18.78リラの取引レンジ、26日早朝の終値は18.78リラで前日終値の18.82リラからは0.04リラのドル安リラ高だった。
1月25日夜にかけてはややドル高だったものの深夜以降は米長期債利回り低下を見てドル安へと風向きを変えたが、ドル/トルコリラは全般状況にはさほど流されずにマイペースの推移を続けて最安値近辺でのもみ合いにとどまり、早朝にかけてのリラ買い戻しで前日比ではドル安リラ高に終わった。
最近ではトルコ市場開始時間帯と米国市場終了時間帯にリラが繰り返し買い戻されているもののドル高リラ安基調は変わらずとして早々に戻り売りで18.80リラ台へ押し返されている。
2021年12月23日からのドル高リラ安継続により2021年12月20日に付けた対ドルでのそれまでの史上最安値18.37リラを超えてからリラ安が収まらず、2022年10月以降は1ドル18.70リラ台までの安値にとどまりながらやや膠着した状況でリラ安の加速が抑えられてきたが、2023年に入ってからは徐々にリラ安の勢いがつき始めて1月20日には18.84リラへ史上最安値を更新、終値ベースでは1月24日終値18.82リラが最安値となっている。
【トルコ1月製造業信頼感指数は改善】
1月25日にトルコ中銀が発表した1月の製造業信頼感指数は101.7となり12月の97.8から改善した。10月以来3か月振りの100ポイント台回復となったが、2021年7月の114.8以降は低下傾向にあり、前年同月比では2022年1月の109.5に対して7.1%低下となっている。前年同月比でのマイナス状態は2022年3月から続いており、わずかな改善では製造業の低迷感は解消されない印象だ。また1月の設備稼働率は75.3%で12月の76.5%から低下した。
1月25日にトルコ統計局が発表した1月サービス業信頼感指数は118.1となり12月の120.1から低下、小売業信頼感指数は126.2で12月の127.5から低下、建設業信頼感指数は93.2で12月の92.6から若干改善した。
1月23日に発表済の1月消費者信頼感指数は79.1で12月の75.6から改善して2021年9月の79.7以来の水準まで回復したのだが、最低賃金引上げや年金等の支給額拡大、低所得層への税金免除、低金利での住宅ローン政策、大手小売チェーン店への価格凍結要請等により消費者心理には改善がみられるものの、製造業の低調さはまだ続いている印象で建設業も冴えない状況にとどまっている。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月18日深夜安値と19日午後安値をダブル底として持ち直しに入ったとして1月20日午前時点からは20日夜から25日にかけての間への上昇を想定してきた。
1月25日午前時点では24日夕安値を割り込む場合は弱気サイクル入りとしたが、25日夜への下落で24日夕安値を割り込んだため、24日深夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。1月24日夕安値を基準としてボトム形成期を27日夕から31日夕にかけての間とし、強気転換は6.93円を超える反騰からとする。
60分足の一目均衡表では1月25日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする、先行スパン下限は戻り抵抗となりやすいところとし、強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとする。
60分足の相対力指数は1月26日午前に30ポイント台へ低下している。50ポイント以下での推移中は一段安余地ありとして10ポイント台への低下を想定し、強気転換は50ポイント超えからとする。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.85円を下値支持線、6.93円を上値抵抗線とする。
(2)6.90円から6.93円にかけての水準は戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)6.85円割れからは6.80円台序盤(6.82円から6.80円)を目指す下落を想定する。6.90円以下での推移中は27日も安値試しへ向かいやすいとみるが、ドル円の反騰等により直前安値から0.05円を超える反騰の場合は強気転換注意とする。
【当面の主な予定】
1月26日
20:00 トルコ中銀 金融政策委員会概要
20:30 週次 外貨準備高 1/20時点 グロス (1/13時点 791.8億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 1/20時点 ネット (1/13時点 248.9億ドル)
1月30日
16:00 1月 経済信頼感指数 (12月 97.6)
1月31日
16:00 12月 貿易収支 (11月 -88億ドル)
16:00 10-12月期 観光収入 (7-9月 179.5億ドル)
17:00 12月 海外観光客数 前年同月比 (11月 44.64%)
注:ポイント要約は編集部
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