リスクはやはりドル安方向、続落にも注意(1/19夕)

19日の東京市場はドルが弱含み。昨日の日銀会合結果を受け、ドルの下値リスクが後退したかと思われたが依然として下向きにバイアスがかかっているようだ。

リスクはやはりドル安方向、続落にも注意(1/19夕)

リスクはやはりドル安方向、続落にも注意

〇本日のドル円、緩やかな右肩下がりで128円を割り込み127.75レべルに
〇昨日安値の127.57、16日安値127.22を下回ればさらなるドル安進行も
〇本日は米経済指標として1月フィラデルフィア連銀景況指数や12月住宅着工件数が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.50-129.00
〇ドル高方向は129円レベルが抵抗、ドル安方向は本日東京安値127.75レベルが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はドルが弱含み。昨日の日銀会合結果を受け、ドルの下値リスクが後退したかと思われたが依然として下向きにバイアスがかかっているようだ。

ドル/円は128.85-90円で寄り付いたのち、129円には一度もとどかないままドルは緩やかな右肩下がり。逆に128円を割り込み127.75円レべルと、前日安値127.57円を視界内に捉えた動きも観測されている。クローズベースで385円安と大きく下落した日経平均株価などをにらみつつ、ドル/円も浮上出来ず、16時現在では127.90-95円のドル安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日米の金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日の東京時間に日銀が「政策金利をマイナス0.1%で現状維持」、「長期金利の上限も0.5%程度のまま据え置き」とすることを明らかにし、一時円が急落したものの、そののち流れが一変。往復で6円を超える大きな「行って来い」をたどっている。セントルイス連銀総裁から「政策金利が5%を上回るまで急ピッチの利上げを続けるべき」との発言が聞かれたが、発表された12月の小売売上高や同生産者物価指数が予想を下回ったうえ、米地区連銀経済報告で、「物価の伸びが今後一年のあいだに一段と鈍化する」とした見通しが示されたことが材料視されていたようだ。

対して後者は、ウクライナ侵攻に関し、プーチン氏から「勝利は確実、間違いない」、ラブロフ外相は「真剣な提案であれば停戦に応じる用意がある」と述べるなど言いたい放題。ただ、ラブロフ氏が「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)と同じことを米国がロシアにしている」と語ったことに米国が激昂。米NSC調整官が「ホロコーストと比べるとは一体どういうことか。完全な侮辱だ」と猛反発している。一方、そうしたなかWSJ紙は「米国が自国製の戦車をウクライナに供給することに合意しない限り、ドイツも戦車供与を許可せず」と報じ、物議を醸していた。

<< 欧米市場の見通し >>

市場で注視されていた日銀会合結果を受け、ドル/円は一時131円台まで急騰。ドルの下値リスクは大きく後退したかと思っていたのだが、結果として行って来い。昨日のNYクローズは128円台だった。ドル安方向へのリスクはいまだ高いと考えざるを得ず、昨日安値の127.57円そして16日安値127.22円を下回れば、さらなるドル安進行も否定できない。取り敢えずは昨年5月安値126.36円がターゲットに。
昨日は日米金融政策をめぐって大荒れ。日銀決定会合では、期待されていた金融政策の修正が行われず、「長期金利の上限も0.5%程度のまま据え置き」となったものの、米経済指標の悪化が流れを再びドル売り・円買いへと引き戻した。本日も重要な米経済指標の発表が予定されているだけに、その内容には注意を払いたい。なお、市場が反応しやすい方向としては、米国の金利引き下げ方向に対し、日本は逆に金利引き上げ方向だ。したがって、先の米経済指標でいえば予想よりも悪化した場合の影響が大きいのかもしれない。

テクニカルに見た場合、昨日のドル/円相場は一時ドルが急騰したものの、まさかの全戻し。日足チャートは2円を超える長い上ヒゲを残す結果となった。129円から上は、なかなか積極的にドルを買いにくいように思われる。
一方でドル下値も、先週末から昨日まで4営業日連続で安値が127円台。それなりに底堅いイメージもあるが、先でも指摘したように底割れすると、昨年5月安値126.36円がターゲットとなりそうだ。

本日は米経済指標として、1月のフィラデルフィア連銀景況指数や12月の住宅着工件数が発表されるほか、ラガルドECB総裁をはじめとする欧米要人の講演など発言機会も多い。内容次第とはいえ、市場の変動要因として本日も一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.50-129.00円。ドル高・円安方向は本日東京でとどかなかった129円レベルが最初の抵抗。上抜ければ130円近くまでの続伸も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の127.75円レベル、昨日安値の127.57円そして16日安値127.22円など127円台にはテクニカルサポートが目白押し。

リスクはやはりドル安方向、続落にも注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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