ドル円128円台、日銀政策発表後の乱高下一巡の後、元の水準に戻る (1/19午前)

19日午前の東京市場でドル円は128円台で方向感に欠ける動き。

ドル円128円台、日銀政策発表後の乱高下一巡の後、元の水準に戻る (1/19午前)

ドル円128円台、日銀政策発表後の乱高下一巡の後、元の水準に戻る

19日午前の東京市場でドル円は128円台で方向感に欠ける動き。朝方128.87レベルで取引の始まったドル円は序盤128.93の高値をつけた後は売り優勢となり、128.29まで下げました。その後は128円台前半でのもみ合いとなり、東京時間正午現在は128.42レベルで取引されています。
ドル円は、昨日の日銀政策決定会合の緩和継続姿勢を受けての131円台半ばへの急騰から、海外時間の米指標不冴えと米長期金利急低下による127円台半ばへの急落を経て、本日午前中は昨日の日銀金融政策発表前の128円台半ばに完全に戻ってきた形となりました。

日経平均株価は、昨晩の米株式市場の軟調を受け売りが先行。ドル円が海外時間に一転して円高に振れたことも嫌気され、322円安で午前の取引を終了しています。

昨晩海外市場では発表された米指標が軒並み弱く、米12月小売売上高は1年ぶりの大幅減、PPIも市場予想を下回り、鉱工業生産も低迷といいところなし。これを受けての米金利低下からドル円は一時127.57まで急落しています。米株は指標発表後に、一旦は行き過ぎたFRBの金融引き締め策が後退するとの見通しから堅調に推移しましたが、次第に景気そのものへの失速懸念が大きくなり急落に転じました。ドル円も終盤にかけて128円台を回復し荒々しい値動きの一日を終了しています。

日銀は昨日一部市場の期待を裏切って金融緩和政策再修正を見送りましたが、のみならず、共通担保資金供給オペレーションの運用変更を行い、10年までの期間の長期資金を日銀が適当と考える固定金利で金融機関に提供するという、10年以下のイールドカーブコントロール強化ともとれる施策を加えてきています。
これが、市場の予想した「国債利回りを円金利スワップ等の高めのイールドカーブの水準に徐々にすり寄せてイールドカーブのゆがみを解消する」のではなく、「国債を含めた全年限の金利水準を10年物国債の利回り上限0.5%に見合った水準に無理やり引き下げることにより歪み解消を図る」日銀の意思の現れとも受け止められ、円長期金利は、現状、国債利回り、金利スワップともに軒並み一昨日比0.03-0.13%下落しています。

ただ、この方法では、日銀が国債の過半を買い入れた結果一部の年限での流動性が枯渇しつつあることの弊害や、そもそも日銀のイメージするイールドカーブと市場の形成するイールドカーブのどちらがより妥当なのか等の市場の疑問は解消されずに残ります。世界的にも例のない金融政策手段として長期金利操作を行っている日銀は、ここへ来て、衆目の見守る中で政策の成否をめぐり、膨大な資金を使っての市場との真っ向からの対決に直面せざるを得ない状況に自らを追い込んだようにも見えます。
その意味で、一旦は低下したスワップ金利や各年限の国債の利回りが今後どのような動きを見せるかは要注視です。ただ、ここ2、30年、市場が見つけた歪みや矛盾を当局の人為的市場介入で防戦しきれたケースはあまり記憶になく、今後の帰趨が注目されます。

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