ドル円、不安定な動きが継続中。テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも下落リスクに要警戒(1/20朝)

19日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、不安定な動きが継続中。テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも下落リスクに要警戒(1/20朝)

ドル円、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも下落リスクに要警戒

〇ドル円、米長期金利の上昇、米経済指標の好調に米国時間朝方に一時128.79まで上昇
〇ユーロドル、1.08をはさんで方向感に欠ける動き、ECB理事会議事要旨(12/15)はタカ派的内容
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて弱く、1/16安値127.22下方ブレイクは時間の問題か
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小に伴うドル売り・円買い圧力が重石
〇引き続き短期的にも中長期的にも、ドル売り円買いトレンドの継続を予想
〇但し、本日は5・10日につき公表相場決定にかけての一時的ドル買い要注意
〇本日の予想レンジ:127.50ー129.50

海外時間のレビュー

19日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力(前日海外時間に発表された米12月小売売上高や米12月PPIの市場予想を下回る結果→米10年債利回りが昨年9/13以来の低水準となる3.32%へ急低下→米ドル指数が昨年5/31以来の安値圏へ急落)や、(2)日経平均株価の軟調推移(リスク回避の円買い圧力)、(3)日銀による金融緩和の修正観測(円キャリートレード逆流の思惑)が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値127.76まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)短期筋の持高調整や、(5)米長期金利の反転上昇(米10年債利回りが3.32%から3.42%へ急上昇→米ドル買い)、(6)米1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果▲8.9、予想▲11.0)の市場予想を上回る結果、(7)米12月住宅着工件数(結果138.2万件、予想135.8万件)の力強い結果、(8)米新規失業保険申請件数(結果19.0万件、予想21.4万件)の良好な結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値128.79まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(9)ボストン連銀コリンズ総裁による「利上げペースをより緩やかにすることは適切である」とのハト派的な発言や、(10)米主要株価指数の冴えない動き(市場心理悪化)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/20午前4時45分現在)では、128.40前後で推移しております。

19日(木)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)オランダ中銀クノット総裁による「50bpの利上げを複数回計画している」とのタカ派的な発言、(3)ラガルドECB総裁による「インフレは高すぎる」とのタカ派的な発言、(4)独債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0836まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米経済指標の良好な結果や、(6)米長期金利の反転上昇、(7)欧米株の冴えない動き(市場心理悪化)が重石となり、米国勢参入後に、一時1.0784まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると(アジア時間に記録した安値1.0783をバックに下げ渋ると)、米国時間午後にかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間1/20午前4時45分現在)では、1.0833前後で推移しております。尚、昨日発表されたECB理事会議事要旨(12/15開催分)では、「多くのメンバーが75bpの利上げを希望していた」「インフレ見通しに対するリスクは引き続き上方向」とのタカ派的な内容が明らかとなりました。

本日の見通し

ドル円は「日銀による緩和修正見送り」直後に記録した戻り高値131.57をトップに反落に転じると、わずか数時間後に「全値押し」が完成する典型的な「往って来い相場」となりました(上値の重さを再確認)。ローソク足が全てのテクニカルポイントの下側に位置していることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て地合いは「極めて弱い」と判断できます(1/16に記録した直近安値127.22の下方ブレイクは時間の問題)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米当局による金融引き締め休止観測(インフレ指標が軒並み鈍化→実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルリスクが台頭→年後半の利下げ開始を織り込む動き→米長期金利急低下)や、(2)日銀による次回3月会合での金融緩和修正観測(黒田総裁にとって最後となる3月会合でイールドカーブコントロールの許容変動幅拡大や完全撤廃、マイナス金利政策からゼロ金利政策への移行などが決定されるとの思惑浮上→市場による催促相場再開→円金利上昇)、

(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの逆流懸念(日米金利差縮小に伴うドル売り・円買い)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的にも中長期的にも、ドル売り・円買いトレンドの継続を予想いたします(但し、本日は5・10日となるため、日本時間9時55分に予定されている公表相場決定にかけての一時的なドル買い・円売りには注意が必要)。尚、本日海外時間は、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁講演や、ウォラーFRB理事講演、米12月中古住宅販売件数などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:127.50ー129.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも下落リスクに要警戒

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