トルコリラ円見通し ドル円の大幅下落一服で戻すも6.85円以上では上値重い(23/1/17)

トルコリラ円の1月16日は6.86円から6.77円の取引レンジ、17日早朝の終値は6.84円で先週末終値の6.79円からは0.05円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の大幅下落一服で戻すも6.85円以上では上値重い(23/1/17)

トルコリラ円見通し ドル円の大幅下落一服で戻すも6.85円以上では上値重い

〇トルコリラ円、1/16昼にドル円一段安の局面で6.77をつけた後ドル円の反発に合わせて6.86まで戻す
〇ただ、6.85以上では戻り売りにつかまり、上値重い
〇対ドル、1/16は安値18.835をつけ取引時間中の史上最安値を僅かに更新、終値ベースも史上最安値更新
〇昨日発表のトルコの12月財政収支は大幅な赤字、前月の黒字幅を解消する赤字規模
〇日銀金融政策決定会合始まる、内容次第ではドル円に合わせてトルコリラ円も大きく動きやすいと注意
〇6.85以下での推移中は一段安警戒とし、6.77割れからは6.70前後を目指す下落を想定する
〇ドル円が下落一服で6.85を超える場合、6.90前後へ徐々に戻してゆく展開を想定する

【概況】

トルコリラ円の1月16日は6.86円から6.77円の取引レンジ、17日早朝の終値は6.84円で先週末終値の6.79円からは0.05円の円安リラ高だった。
ドル円は1月11日夜に132.87円まで戻していたが、1月12日朝の日銀金融政策追加修正に関する報道をきっかけとして大幅下落に転じ、12日夜の米CPI上昇率の鈍化により130円を割り込み、13日も円高の流れを継続して128円を割り込んだ。1月16日昼には127.21円をつけて10月21日高値151.94円以降の最安値を更新し、その後は大幅下落一服による買い戻しで夕刻には128.86円をつけたものの129円には届かず、17日午前は128円台で揉み合いとなっている。
トルコリラ円はドル円の大幅下落により1月12日に6.86円へ下落して1月3日安値6.87円を割り込み昨年10月21日高値8.17円以降の最安値を更新し、13日深夜には6.78円へ安値を切り下げた。16日昼にドル円が一段安した局面で6.77円をつけてからはドル円の反発に合わせて6.86円まで戻したが、6.85円以上では戻り売りにつかまり上値が重くなっている。

【対ドルでは取引時間中及び終値ベースでの史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの1月16日は18.83リラから18.77リラの取引レンジ(注:極端なスパイク値を除いた取引中心レンジ)、17日早朝の終値は18.80リラで先週末終値の18.78リラからは0.02リラのドル高リラ安だった。
年初から徐々にリラ安が進行しているが、小数点下三桁で見ると1月16日は安値で18.835リラをつけて1月11日につけた18.826リラを超えて取引時間中の史上最安値を僅かに更新している。終値ベースでも1月13日終値18.78リラを超えて史上最安値を更新した。
1月16日夜は米国市場が休場で主要指標の発表はなく手掛かりに欠けたが、南アのラマポーザ大統領が国内の電力危機が一段と深刻化したためにスイスのダボス会議への出席をキャンセルしたとの報道から南アランドが一時急落したことや1月12日夜の米CPI発表をきっかけとしたドル安が緩んだことでトルコリラに対してもドル高の圧力がかかりやすい状況だった。

【トルコの12月財政週次は大幅な赤字】

1月16日に発表されたトルコの12月財政収支は1186億リラの赤字だった。11月が1083億リラの黒字だったもののその黒字幅を解消する赤字規模となった。2020年から徐々に月次の財政収支変動幅が拡大しており、2021年12月には過去最大の1457億リラの赤字となり、2022年5月には1440億リラの過去最大の黒字を計上しているが、振幅が上下に大きく振れていることはそれだけ財政収支変動リスクが異常に拡大していることでもあり、単純に国力増大により財政規模が拡大しているとは言えない状況だ。

トルコリラ円見通し ドル円の大幅下落一服で戻すも6.85円以上では上値重い

トルコは構造的な経常赤字国家であり、貿易収支の赤字を観光収入や外資の投資、友好国からの支援で埋め合わせているが、パンデミック対策や高インフレ進行とリラ安により財政基盤の不安定化をもたらしている印象だ。

【日銀金融政策決定会合始まる、ドル円の動きに要注意】

トルコリラ円はドル高リラ安基調の中にあってもドル円の変動率が勝っていることで日々の動きはドル円次第だが、1月17日から18日の日程で日銀金融政策決定会合が始まるためにドル円の大きな変動が警戒される。12月会合では長期金利ゼロ%誘導のための許容変動幅が0.25%から0.50%へ引き上げられたが、1月13日や16日には日本10年債利回りが一時0.50%を超えてしまい日銀が大規模な無制限購入オペで抑え込む事態も発生しており、許容変動幅の2会合連続での拡大やYCC(イールドカーブコントロール)の見直し、インフレ目標に対する姿勢の変化、金融緩和の出口戦略の筋道を示すような動きも警戒される。内容次第では1月18日昼前後からドル円が急変動する可能性もあり、それにつられてトルコリラ円も大きく動きやすいと注意する。また18日の日銀声明発表に先行して円高が仕掛けられる可能性にも注意する。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月11日深夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして13日未明から17日未明にかけての間への下落を想定してきた。
1月16日昼前に一段安したところから6.85円超えまで戻したため、1月16日昼前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。サイクルトップ形成期は16日夜から18日深夜にかけての間と想定されるのですでに反落注意期にあるが、6.80円以上を維持するうちは上昇余地ありとし、6.80円割れからは弱気サイクル入りと仮定して19日午前から23日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月16日昼前安値からの反騰で遅行スパンが好転し、先行スパンへ潜り込んできているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落し始めるところからは下げ再開を警戒し、遅行スパン悪化からは安値試し優先及び一段安警戒とする。

60分足の相対力指数は1月16日昼前への一段安に際して指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せてから50ポイント台回復まで戻している。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは60ポイント台への上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.80円を下値支持線、6.87円を上値抵抗線とする。
(2)6.87円から6.90円にかけての水準は戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)6.82円割れを弱気転換注意とし、6.80円割れからは下げ再開とみて6.75円前後への下落を想定する。6.75円以下は反騰注意とするが、円高進行の場合は6.70円台序盤へ下落する可能性もあるとみる。

【当面の主な予定】

1月19日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 9.0%、予想 9.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 1/13時点 グロス (1/6時点 796.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1/13時点 ネット (1/6時点 243.1億ドル)
1月20日
 17:00 12月 観光客数 前年同月比 (11月 44.64%)
 23:30 12月 中央政府債務 (11月 390.8億リラ)



注:ポイント要約は編集部

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