米消費者物価の発表注目、荒っぽい変動も(1/12夕)

12日の東京市場はドルが弱含み。一時131.30円台と、週明け9日安値(131.31円)をうかがう局面も観測されていた。

米消費者物価の発表注目、荒っぽい変動も(1/12夕)

米消費者物価の発表注目、荒っぽい変動も

〇本日のドル円、右肩下がりで131.35-40まで一時値を崩す
〇フィンランド中銀総裁「ECBは今後の理事会で金利をなお大幅に引き上げる必要がある」と発言
〇米国はボストン連銀総裁が「次回FOMCでは0.25%の利上げに傾いている」と述べタカ派ムードやや後退
〇本日は12月消費者物価指数や週間新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.10-132.80

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場はドルが弱含み。一時131.30円台と、週明け9日安値(131.31円)をうかがう局面も観測されていた。

ドル/円は、寄り付いた132円半ばを日中高値に緩やかな右肩下がり。132円を割り込んでも下げ止まらず、131.35-40円まで一時値を崩している。ただ9日安値にはとどかず下げ止まると、その後はドルの小反発も。16時現在では131.75-80円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日米欧の金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、ECB理事会メンバーでもあるフィンランド中銀総裁が「ECBは今後開催される理事会で金利をなお大幅に引き上げる必要がある」と発言。またスペイン中銀総裁からも同様のコメントが発せられており、ECBの金利先高観は強い。それに対して、米国はボストン連銀総裁が「次回FOMCでは0.25%の利上げに傾いている」と述べるなど、タカ派ムードがやや後退していた。一方、日本は読売新聞が「日銀は17-18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策にともなう副作用を点検」と指摘し、市場で思惑を呼んでいたようだ。

対して後者は、中国当局が、日本と韓国で中国渡航に必要なビザ(査証)の発給手続きを突然停止したことに日韓などが強く反発。また、米国も国務省報道官から「公衆衛生と科学に基づき、国民を守るために慎重な保健衛生上の措置を取ったからといって、報復措置を取る理由はまったくない」との批判コメントが聞かれていた。しかし、当の中国には馬耳東風。むしろ、秦外相からは「日本と韓国が差別的な措置をとった」などと名指しで批判され、報復措置であることが改めて示されている。なお、そうしたなかWHOの事務局長は、「中国での新型コロナによる死者が過少報告されている」などとし、情報提供正確性に改めて疑問を呈していた。

<< 欧米市場の見通し >>

今週のドル/円相場は、週明け月曜日の変動が約1.3円、翌10日は1.1円、昨日80銭と少しずつ値幅が狭まっている。徐々に落ち着きを取り戻してきたが、足もとは短期レンジの下限131.31円を視界内に捉えた動きで、底割れを懸念する声も聞かれていた。また、そうでなくとも、本日は注目の12月米消費者物価指数の発表を控えていることで予断を許さない。これまでの反動とも言える荒れ相場にも一応要注意。
米金融政策への関心はいまだ高い環境だが、ブルームバーグが「米金融当局者の年内利下げないとの主張に市場は懐疑的」と報じているように、利上げ終了にとどまらず、年内に利下げへと方針転換すると予想している市場筋も少なくない。そうしたなか発表される本日の米消費者物価指数の内容は果たして如何に。早期利下げ転換見通しを後押しするような内容となるのか、それとも市場の期待に冷や水を浴びせる結果となるのか、いずれにしても発表前後の金融市場は思惑が交錯し荒っぽい変動をたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、先週とは一変し今週のドル/円相場はここまでかなり落ち着いた動きだが、それも本日欧米タイムまでか。足もと形成している小レンジ131.31-132.87円の攻防にまずは注目で、底割れすれば130円割れに向けたドルの続落も。逆に、昨日示現した132.87円を超えれば、133円台前半まで切り下がってきた移動平均の21日線がターゲットになりそうだ。

本日は米経済指標として、12月の消費者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米財務省による30年債の入札も実施される予定だ。また、欧米諸国を訪問中の岸田首相は、トルドー・カナダ首相と会談を実施する予定となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.10-132.80円。ドル高・円安方向は132円前後が弱い抵抗ではあるものの、しっかりしたレジスタンスとなると昨日高値の132.87円か。抜ければ133円乗せも。
対するドル安・円高方向は、本日東京も近いレベルで下げ止まった週明け9日安値の131.31円をめぐる攻防に注目。下抜けると130割れも意識されそうだ。

米消費者物価の発表注目、荒っぽい変動も

ドル円日足

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