ユーロ圏12月消費者物価指数(HICP)速報値予想
ユーロ圏HICP
(2023年1月6日8時30分現在予想)
本日ユーロ圏の12月消費者物価指数が発表されます。前回11月は全体では予想をやや下回り、コアは予想通りでしたが、相変わらずのインフレ高止まり状態です。米国よりもインフレ軟化度合いが遅れている感じです。今回12月は全体でやや下落、コアは小幅上昇になっています。
ユーロ圏HICPの前哨戦となるドイツの12月消費者物価指数が4日に発表され、前月比▼0.8%(予想▼0.3%)、前年比8.6%(予想9.1%)、フランスの12月消費者物価指数は5日に発表され、前月比▼0.1%(予想0.4%)、前年比5.9%(予想6.4%)になりました。両国共に下がっています。本日のHICP全体も予想通りに下がる可能性が高いと思います。従い、市場がこの数値をインフレ低下のトレンド開始と取るか、まだ高止まりと取るかが今日の焦点になります。
尚、ECBの12月時点での2022年HICPコア平均が3.9%(下図の緑色の横線)ですので、今回予想中間値を加味すると3.92%となり、ほぼECBスタッフ予想通りになります。2023年予想が4.2%ですので、来年もコアはまだ上昇見込みになっています。一方、全体では2022年が8.4%、2023年が6.3%ですので、かなりのインフレ低下を見ています。ECB金融政策はFOMC(2月1日)の翌日2日に予定されているので、今日の結果に関するECB委員のコメントが相場材料にされそうです。
物価指数だけを見るとユーロ圏の方が米国よりも利上げ幅を大きくすべきと思われますが、ウクライナ戦争の影響が大きいので、先行き経済の鈍化懸念はユーロ>米国と思われます。(ECBの2023年GDP予想は12月時点で+0.5%となり、9月時点の+0.9%から下方修正されています)。2023年は利上げと景気を天秤に計りながらの運営になりそうです。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
黒い線より右側は今回の予想値
赤はECBのHICP2022年平均予想8.4%
緑はHICPコア2022年平均予想3.9%
(ECBの12月時予想)
昨日米国貿易収支予想時にユーロドルの週足チャートを添付しましたが、まだ1.0520の下限サポートで止まっています。しかしながら、現状のままですと週足は陰線引けになり、ややユーロの下値リスクが高くなります。
下図は日足チャートです。昨年9月28日底値からのサポートA(=1.0080)、そこから平行に上げた目安のB(=1.0490)、C(=1.0780)でユーロ高トレンドラインを形成しています。途中11月10日・11日の大幅ユーロ高により、A〜BのトレンドラインからB〜Cのトレンドラインに移行して上昇していましたが、目先は12月15日高値からの抵抗線D(=1.0710)に沿ってユーロが下落しています。昨日は包み陰線になっており、Bのサポートが守られるか否か迄きています。週足サポートの1.0520もあるので、今日の終値で1.0480未満になれば来週はユーロ高トレンド下での下押し先行になりそうです。この場合は11月30日底値付近のE(=1.0290)、11月21日・22日付近の底値F(=1.0240)が次のAまでのサポート目安になりそうです。逆に今日の終値でBを維持できればD方向への動きは継続します。
(1月6日10:20 1ユーロ=1.0525ドル)
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