トルコリラ円見通し ドル円の反騰継続で7.10円台回復(23/1/6)

トルコリラ円の1月5日は7.14円から7.02円の取引レンジ、6日早朝の終値は7.11円で前日終値の7.07円からは0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反騰継続で7.10円台回復(23/1/6)

トルコリラ円見通し ドル円の反騰継続で7.10円台回復

〇トルコリラ円、1/5もドル円続伸により高値7.14へ切り上げ、1/6未明7.08まで小反落するも7.10台回復
〇今夜の米雇用統計を強気で通過し更なる高値切り上げできるか、低調な内容で失速するか試される
〇対ドル、1/5はドル全面高で安値18.78をつけて、12/27の取引時間中の史上最安値18.79へ迫る
〇終値ベースでは終値18.76をつけ、2日続けての最安値更新
〇外貨準備高はグロスで僅かに減少したが、ネットでは増加傾向維持
〇7.07以上での推移中は上昇余地ありとし、7.14超えからは7.17前後への上昇を想定する
〇7.07割れからは下げ再開に入ったと仮定して、7.05前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の1月5日は7.14円から7.02円の取引レンジ、6日早朝の終値は7.11円で前日終値の7.07円からは0.04円の円安リラ高だった。
トルコリラ円はドル円の騰落に合わせた展開を続けているが、ドル円は1月3日に129.50円の安値をつけて昨年10月21日高値151.94円以降の最安値としたところから切り返しており、1月5日夜の米ADP民間就業者増加数が予想を大幅に上回ったこと等をきっかけとしたドル全面高により5日深夜高値で134.05円をつけ、その後の133円割れも買い戻されて6日午前は133円台中盤で確りしている。
トルコリラ円は1月3日のドル円下落時に6.91円の安値をつけて10月21日高値8.17円以降の安値を更新したが、ドル円の持ち直しに合わせて1月4日に7円台を回復して7.08円へ高値を伸ばしていたが、5日もドル円の続伸により高値を7.14円へ切り上げ、6日未明に7.08円まで小反落したところも買われて7.10円台回復している。

【今夜の米雇用統計を強気で通過できるか、戻り一巡となるか試される】

ドル円は12月20日の日銀による長期金利ゼロ%誘導のための許容変動幅の引き上げを事実上の利上げと受け止めて急激な円高となり、年明けも130円割れへ一段安するなど昨年10月までの歴史的な大上昇が一巡して円高期に入っている印象を強めているが、大幅下落一服により目先は買い戻し優勢となっている。
今夜の米雇用統計を強気で通過できれば戻り高値水準をさらに切り上げてゆく可能性もあるところであり、トルコリラ円もドル円の続伸なら7.20円台回復を目指す可能性も出てくるのではないかと思われる。ただし米雇用統計にはサプライズも付きものであり、予想外に低調な内容だとドル円の急落を招きトルコリラ円も同調安で失速しかねないと注意する。

【対ドルでトルコリラは日足の終値ベースで史上最安値更新】

ドル/トルコリラの1月5日は18.78リラから18.72リラの取引レンジ、6日早朝の終値は18.76リラで前日終値の18.74リラからは0.02リラのドル高リラ安だった。
トルコ中銀による高インフレに逆行した連続利下げは11月に政策金利を9%まで下げたところでひとまず打ち止めとなったものの、1月3日の12月トルコCPI上昇率が大幅に低下したことでエルドアン大統領がトルコ中銀に対して追加利下げを要求するのではないかとの懸念からリラ安感が強まっており、5日は米ADP統計等をきっかけにドル全面高となったことも重なり安値で18.78リラをつけて12月27日につけた取引時間中の史上最安値18.79リラへ迫った。終値ベースでは1月4日18.74リラで最安値を更新していたが、5日は終値18.76リラで2日続けての最安値を更新となった。
10月以降は膠着感のある値動きを続けているものの、日々の取引中心レートは徐々に切り下がりを続けており、きっかけ次第ではリラ安抑制のタガが外れてリラ安が勢い付くことも懸念される。

【外貨準備高は増加中】

1月5日夜に発表されたトルコ中銀の外貨準備高は12月30日時点のグロスで829.1億ドルとなり12月23日時点の829.4ドルからは僅かに減少したが、ネットでは275.4億ドルとなり12月30日時点の266.7億ドルから増加した。
ネットの外貨準備高は2021年11月に326.4億ドルでピークとなり2022年7月には60.7億ドルまで減少したが、その後は増加傾向を維持している。
12月23日にカタールがトルコに対して来年1月に20億ドル相当のトルコ発行ユーロ債を購入する予定と報道され、既に10億ドルが購入済とされたが、カタールの支援やロシアの原発等に関連した投資、海外観光客の増加による外貨持ち込み、輸出企業の外貨保有規制等が外貨準備高の増加に寄与していると思われる。
しかし、1月5日時点でトルコ中銀が抱える為替スワップのドル売りポジションは456.8億ドルとされており、ネットの外貨準備高ではまだ不足の状況にあるとされる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月3日昼過ぎ安値で6.91円をつけたところから一時7.00円を超えるところまで戻したために1月4日午前時点では1月3日昼過ぎ安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして1月4日午前から9日午前にかけての間への上昇を想定した。
1月5日午前に7.02円まで下げたものの7.00円割れを回避して深夜に一段高となり、その後も7.10円割れを買い戻されているのでまだ上昇余地ありとみるが、7.07円割れからは弱気サイクル入りとして6日午後から10日昼にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月4日深夜への急伸で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いたが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、26本基準線割れを弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からは下げ再開とみて安値試し優先とし、先行スパンからの転落を回避できるか試す規模の下落を想定する。

60分足の相対力指数は1月3日の一段安で20ポイントを割り込んでから5日未明に70ポイント台へ切り返し、5日深夜に76ポイントまで水準を切り上げてからやや下げたものの60ポイント台を維持している。50ポイント以上での推移中は一段高余地ありとするが、相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は下落再開を警戒し、50ポイント割れからは下落期入りとみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.07円を下値支持線、7.14円を上値抵抗線とする。
(2)7.07円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.14円超えからは7.17円前後への上昇を想定する。米雇用統計などでドル円の上昇が勢い付く場合は7.20円へ迫る上昇を想定する。また7.10円以上での推移なら週明けも高値試しを続けやすいとみる。
(3)7.07円割れからは下げ再開に入ったと仮定して7.05円前後への下落を想定する。7.05円以下は反騰注意とするが、ドル円が急落する場合は7.02円前後へ下値目途を引き下げ、週明けも安値試しへ進みやすくなるとみる。

【当面の主な予定】

1月6日
 23:30 12月 財務省現金残 (11月 996.4億リラ)
1月10日
 16:00 11月 失業率 (10月 10.2%)
1月11日
 16:00 11月 経常収支 (10月 -3.59億ドル) 


注:ポイント要約は編集部

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