トルコリラ円 12月21日からの反騰継続だが7.20円前後でダブルトップ気配 (22/12/29)

トルコリラ円の12月28日は7.20円から7.12円の取引レンジ、29日早朝の終値は7.18円で前日終値の7.12円からは0.06円の円安リラ高だった。

トルコリラ円 12月21日からの反騰継続だが7.20円前後でダブルトップ気配 (22/12/29)

トルコリラ円 12月21日からの反騰継続だが7.20円前後でダブルトップ気配

〇12/28のトルコ円、7.20-7.12の取引レンジ、ドル円持ち直しの流れに合わせ日々戻り高値を切り上げ
〇対ドルの28日終値は18.72リラ、連日終値ベースでの史上安値更新
〇中国の感染爆発がドル高再燃と新興国通貨への圧迫感を強め始めている印象
〇ドル円は日銀ショックの暴落から半値を戻すも先行き予断許さず
〇7.13以上での推移中は上昇余地あり、7.20超えからは7.23前後への上昇を想定
〇7.13割れからは下落期入りとみて7.10、次いで7.08を試して行く下落を想定

【概況】

トルコリラ円の12月28日は7.20円から7.12円の取引レンジ、29日早朝の終値は7.18円で前日終値の7.12円からは0.06円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラは18.70リラ台へと水準を切り下げて最安値試しが続いているが、トルコリラ円はドル円が日銀ショックによる暴落一巡で持ち直してきた流れに合わせて日々戻り高値の切り上げを続けている。
ドル円は12月28日は昼過ぎに134.40円をつけてから夜に133.39円まで反落したところも買われて29日早朝には134.49円へ高値を切り上げた。トルコリラ円もドル円の騰落に合わせて昼高値で7.20円をつけ、夜の反落時に7.13円まで下げたところを買い戻されて29日早朝には7.19円まで切り返した。しかしドル高リラ安に圧迫されたことでドル円のようには28日昼高値を超えられず、29日午前前半はドル円の反落により7.15円近辺まで失速している。

【対ドルでトルコリラは連日の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの12月28日は18.74リラから18.64リラの取引レンジ、29日早朝の終値は18.72リラで前日終値の18.67リラからは0.05リラのドル高リラ安だった。
リラの先安感が継続しており、12月26日から28日にかけてはやや広い変動幅での騰落が入ったもののリラ安基調は変わらず、徐々に日々の取引中心値を切り下げて12月26日に18.73リラ、27日に18.79リラへと史上最安値を更新してきた。12月28日は新たな取引時間中の最安値更新には至らなかったものの、終値ベースでは史上最安値を更新した。
クリスマス休場を挟んで米長期債利回りが上昇しているが、中国の感染爆発による世界景気への悪影響やサプライチェーン混乱によるインフレの長期化懸念がドル高再燃と新興国通貨への圧迫感を強め始めている印象だ。

【ドル円は日銀ショックによる暴落幅の半値戻しに到達】

ドル円は12月20日の日銀ショック(長期金利のゼロ%誘導のための許容変動幅上限を従来の0.25%から0.50%へ変更、事実上の利上げ措置と市場は受け止めてドル円は急落した)により直前高値137.47円から12月21日安値130.56円まで6.91円の大幅下落に見舞われたが、その後は徐々に持ち直して戻り高値を切り上げてきた。12月28日に134円台へ到達して29日早朝には134.49円をつけたが、日銀ショック暴落に対する半値戻し134.02円を超えてきたところだ。
トルコリラ円も日銀ショックによる暴落からドル円と共に持ち直しを継続しているところだが、12月20日高値7.37円から12月21日未明安値6.95円まで0.42円の下落幅に対して12月28日高値7.20円まで0.25円の上昇幅で半値戻しを超えてきた。

依然として12月20日の大陰線による下落範囲にとどまっており、凡そ半日の暴落に対して6営業日をかけてようやく半値戻しに達したところのため、暴落一巡による反騰からさらに上昇再開感を強めているとまでは言えない。
11月10日に米10月CPI上昇率が予想を大幅に下回ったことによる「逆CPIショック」でドル円と共に大幅下落したところでは、11月15日の米10月PPI発表まで安値を切り下げてから11月22日まで6営業日の反発で0.24円の戻りを入れて戻り一巡となり12月2日安値7.17円へと一段安している。現状も「逆CPIショック」後の戻りと同程度であり、7.25円を超えるような続伸へ進めないうちは戻り一巡から一段安入りとなる懸念も付きまとうところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月23日夜と26日夜に同値の7.13円を付けてから失速したために27日午前時点では両高値をダブルトップとし、ダブルトップラインを超えるところからは新たな強気サイクル入りとしたが、12月27日午前安値からの反騰を継続してダブルトップラインを超えたために28日午前時点では27日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして12月29日夜から31日早朝にかけての間への上昇を想定した。
12月28日昼へ一段高となり、いったん反落したところから29日朝へ戻したものの高値更新へ進めずに新たなダブルトップ型を形成しているため、28日夜の反落時安値7.13円を割り込まないうちは一段高余地ありとするが、28日夜安値割れからは弱気サイクル入りとして30日午前から1月3日の日中にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月27日夜に遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、その後も両スパンそろっての好転を維持しているが、28日昼高値と29日朝高値がダブルトップ型となっているために遅行スパンは悪化しやすい位置にある。先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は12月28日昼と29日朝がほぼフラットなダブルトップ型を形成したのに対して指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られるため、60ポイント台回復からは上昇再開とするが、50ポイント以下での推移中は下向きとし、40ポイント割れからは20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.13円を下値支持線、7.20円を上値抵抗線とする。
(2)7.13円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.20円超えからは7.23円前後への上昇を想定する。7.23円以上は反落注意とするが、7.15円を上回っての推移なら30日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.13円割れからは下落期入りとみて7.10円、次いで7.08円を試して行く下落を想定する。7.13円を下回っての推移なら30日も安値試しを続けやすいとみる。またドル円の急落などにより下げ足が速まる場合は7.05円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

12月29日
 16:00 12月 経済信頼感指数 (11月 96.9)
 20:30 週次 外貨準備高 12/23時点 グロス (12/16時点 856.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 12/23時点 ネット (12/16時点 281.3億ドル)
12月30日
 16:00 11月 貿易収支 (10月 -78.7億ドル)

注:ポイント要約は編集部

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年内、最終の原稿となります。
今年も大変お世話になりました。
感謝申し上げますと共に、
良い年をお迎えいただきますよう、
お祈り申し上げます。
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