ドル円、基本は上方向だが、ドル高一服にも要注意 (22/12/29)

29日の東京市場はドルが小安い。

ドル円、基本は上方向だが、ドル高一服にも要注意 (22/12/29)

ドル円、基本は上方向だが、ドル高一服にも要注意

〇ドル円、寄り付きの134円台半ばを日中高値に133円台に押し戻される
〇本日東京時間は米長期金利の動きに一喜一憂
〇20日に示現した130.57円を目先安値に、連日ドルの下値を切り上げる展開
〇リスクは依然としてドル高方向だが目先安値から4円近い上昇で、一旦は上げ止まるとの声も
〇今晩の米経済指標の内容および実施される米債の入札、中国のコロナ関連ニュースに注意
〇来年初めを念頭に、本日と明日の動きをしっかりと見極めたい
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.20-134.60

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はドルが小安い。前日には一時134円半ばまで達する局面も観測されたが、流れは続かず133円台へと押し戻されている。

ドル/円は寄り付いた134.45-50円を日中高値にドルが冴えない。米長期金利の動きなどをにらみつつ、クロスを含め円は全体的に買いが先行する展開をたどっていた。一時は133円半ばまで下落したのち、終盤にかけてやや持ち直すも上値はすでに重い。134円台を回復することはなく、16時現在では133.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治情勢」と「中国情勢」について。
前者は、一部メディアでは来年早々の内閣改造観測が取り沙汰されていたものの、結局のところ秋葉復興相の更迭・交代だけでお茶を濁す公算が高まっているようだ。むしろ、読売新聞が「岸田首相、1月中旬の訪米前にカナダ訪問も調整」、NHKは「岸田首相が1月のG7各国訪問を調整、首脳会談も」−−と報じるなど、来年早々の外遊についてのニュースが相次いで伝えられていた。しかし、「わずか2ヵ月で4人の閣僚が辞任」したという事実に変わりはなく、実際に各種世論調査における内閣支持率も低迷している。厳しい政権運営はまだ当面続く可能性がある。

対して後者は、中国が来年「1月8日から入国時隔離を撤廃する」と発表する一方、中国における新型コロナの感染拡大懸念は根強い。実際、「中国からイタリア・ミラノに到着した航空便2便の乗客の約半数が新型コロナウイルス検査で陽性だった」とする報道も観測されていた。そのため、日本に続きイタリアそして米国でも「中国からの入国者にコロナ検査義務付ける方針」を明らかにしている。実施される水際対策の効果は果たして如何に。市場参加者のあいだでも大いに注目を集めている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は20日に示現した130.57円を目先安値に、連日ドルの下値を切り上げる展開。チャートを見ても緩やかな回復基調を続けている。リスクという意味では依然としてドル高方向で、さらなる高値トライも否定できないが、ドルは目先安値から4円近い上昇で、そろそろ一旦は上げ止まるといった声も聞かれていた。ただし135円を仮に超えれば、ドルはさらなる戻りもありそうだ。
本日東京時間は米長期金利の動きに一喜一憂。市場は引き続き日米を中心とした金融情勢への関心が高い状況にある。このあとも発表される米経済指標の内容および実施される米債の入札などには一応の注意を払いたい。一方、もうひとつの関心事項であった中国の方針転換、「ウィズコロナ政策」だが、当初の歓迎ムードから感染拡大懸念へと様相が一変しつつあるようだ。本日も伝えられる中国の新型コロナ関連ニュースなどには要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日134円半ばまで続伸し、強い抵抗である135円を一時視界内に捉えたが、そののち小反落に転じている。前述したように本日東京終値は133.75-80円レベル。ドルの上値トライが失敗したとは言えないものの、ごく目先的には135円を前にドルが上げ渋る可能性を否定できないばかりか、あまりに上値が重ければ一転して再び下値を試す展開もありうる。来年初めを念頭において、本日と明日の動きをしっかりと見極めたいところだ。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数などの発表が予定されているうえ、米財務省の7年債入札実施も。ただ、それを除くと新規の材料はやや少なめか。また月末・四半期末が近いことで、むしろ需給要因に注目といった声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.20-134.60円。ドル高・円安方向は本日東京のドル高値でもある134円半ばが最初の抵抗。抜ければフィボナッチポイントなどにもあたる135円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値133.40円を含めた133円半ばが目先のサポートとして注視されている。しっかり下回ると133円割れもあるか。(了)

注:ポイント要約は編集部

ドル円、基本は上方向だが、ドル高一服にも要注意

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