ドル円、米金利低下を背景に急反落。134円台半ばから一時132円台後半へ
〇ドル円、アジア時間に134.50をつけた後、米国時間に一時132.91まで急落
〇短期間の上昇の反動、本邦輸出企業のドル売り、米金利低下、リスク選好回復等が背景
〇ユーロドル、米金利低下と欧米株の堅調推移に一時1.0671まで上昇、1.06台後半の推移
〇ドル円、上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下がり、テクニカルの地合いは弱い
〇目先は12/20に記録した安値130.57や、8/2安値130.40を試す動きか
〇本日の予想レンジ:132.00ー134.00
海外時間のレビュー
29日(木)のドル円相場は急反落。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力を背景に、アジア時間早朝に、高値134.50(12/20以来の高値圏)まで上値を伸ばすも、買い一巡後に伸び悩むと、(2)短期間で上昇した反動売り(日銀ショック後の半値戻し達成→ドル円ロングの利食い売り誘発)や、(3)本邦輸出企業の実需のドル売り、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力、(5)米主要株価指数の堅調推移(リスク選好のドル売り再開)、(6)俄かロングのロスカットが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値132.91まで急落しました。米国時間午後にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/30午前2時30分現在)では、133.20前後で推移しております。尚、昨日発表された米新規失業保険申請件数は22.5万件と市場予想に一致したため、ドル円相場への影響は限定的となりました。
29日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力を背景に、アジア時間朝方にかけて、安値1.0607まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(3)欧米株の堅調推移(リスク選好のドル売り再開)が支援材料となり、米国勢参入後に、高値1.0671まで上昇しました。米国時間午後にかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/30午前2時30分現在)では、1.0668前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は12/20に記録した約4ヵ月ぶり安値130.57をボトムに反発に転じると、一時134.50まで上値を伸ばしましたが、半値戻し達成(日銀ショック時の137.48→130.57の下げ幅の半値戻し達成)によるドル円ロング勢の利食い売りが重石となると、米国勢参入後に一時132.91まで反落する動きとなりました(上値の重さを再確認→ドル円相場の反発フェーズ終了)。上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。
目先は12/20に記録した安値130.57や、8/2安値130.40を試す動きとなりそうです。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め休止観測(実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルが意識される中、ドットチャートで示したようなタカ派的なパスを辿ることは容易では無い。年明け1/4に予定されているFOMC議事要旨に向けて、思惑主導で米金利低下→米ドル売りの流れが活発化する恐れあり)や、(2)日銀による金融緩和の脱却観測(12/20に決定されたサプライズ的なYCC見直しに続いて、1/18に開催される日銀金融政策決定会合でもサプライズが発生するとの思惑あり)、(3)上記1、2を背景とした日米名目金利差縮小観測とそれに伴う円キャリートレードの逆流懸念など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米12月シカゴ購買部協会景気指数以外に目立った経済イベントが予定されていないものの、本日は月末・四半期末・年末でもあるため、本邦の公表相場やロンドンフィキシングに絡む特殊フローに細心の注意が必要でしょう(流動性の低下と相俟ってドル円相場が乱高下する恐れあり)。
本日の予想レンジ:132.00ー134.00
注:ポイント要約は編集部
※尚、ドル円・ユーロドル日報は12/31から1/3まで休刊とさせていただきます。次号は1/4を予定しております。本年も一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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