トルコリラ円見通し 日銀ショック暴落からの出直りも徐々に煮詰まる(22/12/27)

トルコリラ円の12月26日は7.13円から7.08円の取引レンジ、27日早朝の終値は7.10円で先週末23日終値の7.11円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 日銀ショック暴落からの出直りも徐々に煮詰まる(22/12/27)

トルコリラ円見通し 日銀ショック暴落からの出直りも徐々に煮詰まる

〇トルコリラ円、12/26午前7.08まで下げた後7.13まで戻すも、12/23高値と同値にとどまる
〇12/27早朝には7.10へ失速、ドル円の下落を追いかけて午前序盤7.08まで下げる
〇対ドル、安値18.73をつけ、先週末に続いて取引時間中の史上最安値更新
〇年末にかけリラ売りが勢い付く可能性もある局面か
〇昨日発表のトルコ製造業信頼感指数はわずかに悪化、設備稼働率は若干改善
〇7.08以上での推移中は上昇余地ありとし、7.13超えからは7.15前後への上昇を想定する
〇7.08割れからは下落期入りとみて7.05前後、7.03前後を順次試す下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の12月26日は7.13円から7.08円の取引レンジ、27日早朝の終値は7.10円で先週末23日終値の7.11円からは0.01円の円高リラ安だった。
12月26日は欧米オセアニアが総じて休場となったが、ドル円が午前に132.30円まで小反落してから133.22円まで高値を切り上げたため、トルコリラ円も7.08円まで下げてから7.13円まで戻したものの12月23日高値と同値にとどまった。ドル円の戻りは勢い付かず早々に133円を割り込んだため、トルコリラ円も27日早朝には7.10円へ失速したために前日比ではマイナスに終わった。
12月27日午前序盤はドル円が132.70円割れへ失速した局面でトルコリラ円もドル円の下落を追いかけて7.08円まで下げたが、その後はドル円と共に持ち直している。
ドル円とトルコリラ円はともに12月20日の日銀ショックによる暴落一服で12月21日未明安値から戻してきたが、その戻りも一巡しつつある印象だ。

【対ドルでトルコリラは先週末に続いて史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの12月26日は18.73リラから18.65リラの取引レンジ、27日早朝の終値は18.66リラで先週末23日終値と変わらずだった。
12月26日は欧米市場等が総じて休場で取引を継続していたベンダーによる少ないレート提示での推移だったが、安値で18.73リラをつけて12月23日につけた17.72リラを超えて取引時間中の史上最安値を更新した。ベンダーによっては18.80リラ台の安値提示もあり、ロイター社は自社データとして18.75リラの最安値をつけたと報じている。
取引終盤へやや持ち直したことで終値ベースは史上最安値の12月21日の18.67リラには届かずにいるものの、徐々に日々の中心レートが切り下がり最安値更新も続き始めているため、年末にかけてリラ売りが勢い付く可能性もある局面と注意したい。

【トルコの製造業信頼感指数は若干の悪化、設備稼働率は改善】

12月26日に発表されたトルコの12月製造業信頼感指数は97.8となり11月の97.9からわずかに悪化した。2020年のパンデミック発生により2020年4月に66.8へ急激に悪化したところから持ち直して2021年7月には114.8まで改善したが、その後は伸びずに漸減傾向に陥っており、2022年は4月の109.7をピークに低下が目立ってきている。
同じく26日に発表された12月の設備稼働率は76.4%で11月の75.9%から若干改善したものの10月の76.9%を下回っている。パンデミック発生後の2020年4月に61.6%まで急低下した後は持ち直したものの80%に届かない程度であり、2022年は7月の78.2%が最高となっている。

トルコリラ円見通し 日銀ショック暴落からの出直りも徐々に煮詰まる

エルドアン政権は利下げによる融資環境の改善が製造業・輸出企業の景況観を改善するとの政策姿勢を示してきたが、トルコ中銀等によるリラ安抑制もあり実勢の高インフレ率に見合わないリラ安水準にとどまっていることでかえって製造業及び輸出企業の景況感が阻害されている側面もある。欧米が金融引き締めの長期化により2023年前半への景気鈍化が予想されていること、中国が感染対策規制を緩和したものの市中感染が爆発していることで先行き不透明感が強まっていることなどは世界規模の需要低下と諸国の輸出の伸び低下への懸念をもたらすが、トルコも例外ではなくトルコ自身の年末から来年前半にかけての景気鈍化と輸出低迷への懸念が拭えない状況にある。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月21日未明安値から暴落一服の戻りに入ったとして21日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして23日午前から27日午前にかけての間への上昇を想定してきた。
12月23日夜と26日夜に同値の7.13円を付けてから失速しているため、両高値をダブルトップとして弱気サイクル入りしたと仮定する。ボトム形成期は21日未明安値を基準とすれば27日の日中から28日未明にかけての間と想定されるが、26日午前安値を基準とすれば29日午前から31日早朝にかけての間へと延びることも考えられる。強気転換はダブルトップラインを超えるところからとし、その際は29日夜から31日早朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では12月27日午前序盤の反落時に先行スパンから一時的に転落したものの持ち直しているところだが、21日未明安値からの戻り一巡による下落期入りの可能性があると注意し、先行スパンを上回るうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は12月23日夜と26日夜の同値で付けた高値に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる。55ポイント台回復からは上昇再開とするが、50ポイント以下での推移中は下向きとし、40ポイント割れからは20ポイント台への低下へ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.08円を下値支持線、7.13円を上値抵抗線とする。
(2)7.08円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.13円超えからは7.15円前後への上昇を想定する。7.15円以上は反落注意とし、その後に7.10円を割り込むところからは下げ再開とみる。
(3)7.08円割れからは下落期入りとみて7.05円前後、7.03円前後を順次試す下落を想定する。7.03円以下は反騰注意とするが7.08円以下での推移なら28日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12月29日
 16:00 12月 経済信頼感指数 (11月 96.9)
 20:30 週次 外貨準備高 12/23時点 グロス (12/16時点 856.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 12/23時点 ネット (12/16時点 281.3億ドル)
12月30日
 16:00 11月 貿易収支 (10月 -78.7億ドル)



注:ポイント要約は編集部

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