ユーロドルは横方向のもみあい継続(週報12月第4週)

先週のユーロドルは、ドル円が大きく動く中でドルの動きに追随する動きとユーロ円の動きとが相殺して週を通してもみあいが続いた一週間となりました。

ユーロドルは横方向のもみあい継続(週報12月第4週)

ユーロドルは横方向のもみあい継続

〇先週のユーロドル、ドル円に追随する動きとユーロ円の動きとが相殺しもみあいの一週間
〇今週は月曜は欧米がほぼ全休、火曜は英連邦が祝日で欧米勢の本格的な市場復帰は水曜から
〇月曜の黒田日銀総裁講演と水曜の日銀会合主な意見公表に注目
〇円が主役の状態はまだしばらく続き、2023年は改めて世界的な景気後退懸念に目が向かいそう
〇今週は1.0550レベルをサポートに、1.0700レベルをレジスタンスとする週と見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、ドル円が大きく動く中でドルの動きに追随する動きとユーロ円の動きとが相殺して週を通してもみあいが続いた一週間となりました。週末金曜は実質的にクリスマス休暇のようなものですし、週明けの26日がクリスマスの代休となることもあって、一週間のレンジは木曜レンジのわずか86pipsと今年の中でもかなり静かな一週間となりました。ドル円が7円近く動いたのに比べると全くの蚊帳の外であったと言って良いでしょう。

そして今週も月曜は欧米がほぼ全休、火曜はコモンウェルス(英連邦)が祝日と欧米勢の本格的な市場復帰は水曜からとなりますが、年末年始を控えていることもあって、この時期は誰も積極的に取引しようとは考えません。流動性が低下することが原因で振れる可能性と、月曜の黒田日銀総裁講演と水曜の日銀会合主な意見公表でドル円、ユーロ円に動きが出れば円の方向でユーロドルにも動きが出るという程度と思われます。

夏にはまだECB利上げや欧州の景気後退がテーマとなっていましたが、秋以降は急速に進行する円安がクロス円にも大きく影響し、また直近では日銀による緩和縮小の第一歩となるイールドカーブコントロールの変動幅変更と、市場の主役はユーロから円に移った感じが強かったように思います。円が主役の状態はまだしばらく続きそうですが、2023年は改めて世界的な景気後退懸念に目が向かいそうですし、どの通貨ペアも急に大きく動く可能性はあるという認識でいたほうがよいでしょう。

今週はファンダメンタルな材料もほとんどありませんので、早速テクニカルに見て行きます。いつもの日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは横方向のもみあい継続

上昇チャンネルの更に外側に引いたラインとで平行チャンネル内での動きから最近では11月高値1.0496レベルと12月高値1.0735レベルの間での横方向の動きに転じてきたようなチャートとなっています。それでも最近の小動きを考えると広い感じがしますが、先週が動かな過ぎたという認識で、このレンジをベースにして、今週は1.0550レベルをサポートに、1.0700レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。なお、年末年始の流動性が低い中で急な動きが出ることも考えられますので、オーダー管理だけは普段以上に注意しておきたいものです。

今週のコラム

今週もユーロ円の日足チャートを見ておきましょう。

ユーロドルは横方向のもみあい継続 2枚目の画像

日銀のイールドカーブコントロールの変動幅拡大で急速に円高が進みユーロ円は急反落しました。上側のレジスタンスラインは引き直す必要がありますので、下側のラインとともに引き直し拡散型のもみあいを想定してみました。このチャートパターンはもっとも厄介なパターンで方向感がわからない状態が継続しやすいものです。

当面はドル円の方向を見てればよいと思いますが、日柄的には年末年始は荒れやすいため、その点には注意しておきたいものです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

12月26日(月)
**:** 東京を除く主要市場が全休場 ☆

12月27日(火)
**:** NZ、豪州、香港、英国、カナダ市場休場

12月28日(水)
(特になし)

12月29日(木)
(特になし)

12月30日(金)
16:00 英国12月住宅価格

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

12月19日(月)
ユーロドルは東京市場ではドル円の下げとともにユーロ買い、欧州市場ではドル買い戻しの動きによるユーロ売りとなりましたが、その後は方向感がはっきりしない横方向のもみあいが続きました。

12月20日(火)
ユーロドルは日銀の発表直後にドル円とともに若干ドル売りに動いた程度で蚊帳の外のままで一日が終わりました。

12月21日(水)
ユーロドルは週初から方向感のはっきりしないもみあいを継続したままで、上下ともにオーダーが入っているというよりもクリスマスを前に誰も取引していないという感じでした。

12月22日(木)
ユーロドルはもみあい継続のままでしたが、木曜のレンジは1.0573〜1.0659の86pipsと週で一番動いた日でしたが、それでも100pipsに満たず。この日のレンジが週間レンジとなりました。

12月23日(金)
ユーロドルはユーロ円での円安の動きの影響もあって、終日底堅い展開でした。金曜、月曜と欧州の市場参加者が激減することもあって、ユーロドルで積極的な取引が手控えられた影響が大きかったようでした。



なお、年内は本日で最終。年始は2日はお休み、9日から再開となります。本年も一年お世話になりました。良い年をお迎えください。

ディスクレーマー

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