日銀金融政策決定会合と総裁会見が持ち合い放れのきっかけとなるか注目
〇12/19ドル円が確りしたことでトルコリラ円は新たな安値更新回避、12/20未明ドル円上昇で7.35へ戻す
〇対ドル、12/19は18.66から18.63の取引レンジ、18.64を挟んでの小動きに終始
〇本日の日銀金融政策決定会合と総裁会見、トルコリラ円の持ち合い放れのきっかけとなる可能性も
〇7.37超えからは、7.40台序盤への上昇を想定する
〇7.31割れからは下げ再開とみて、7.27前後への下落を想定する
【概況】
トルコリラ円の12月19日は7.35円から7.27円の取引レンジ、20日早朝の終値は7.33円で先週末終値と変わらずだった。
ドル円と同調した動きを続けているが、ドル円は12月16日未明高値138.17円から17日未明安値136.28円へ下落して週末終値は136.69円だったが、19日早朝に政府・日銀が2%物価目標の共同声明変更を検討と報じられたことで136円割れへ一段安となり、松野官房長官による報道内容否定と夕刻にかけての136円割れを買われて底固さを示したことで持ち直しに入り、19日夜は米10年債利回りの上昇を見て続伸となり20日未明には137円台序盤へ高値を切り上げた。
トルコリラ円は12月16日未明高値で7.42円をつけたところから17日未明安値7.31円へ下落し、19日早朝の円高局面で7.27円まで一段安となった。しかしドル円が136円割れを再三買われて確りしたことでトルコリラ円も新たな安値更新を回避し、20日未明へドル円が上昇した局面で7.35円へ戻した。
12月20日午前序盤もドル円は戻り高値を切り上げておりトルコリラ円も高値切り上げを試している。
本日は日銀金融政策決定会合と黒田総裁会見があり、マイナス金利と量的緩和及び指値オペによる長期金利上昇抑制政策は現状維持と思われるが、2%物価目標に対する姿勢の変更があるのかどうか注目される。
【ドル/トルコリラ、18.64リラ挟んで小動き】
ドル/トルコリラの12月19日は18.66リラから18.63リラの取引レンジ、20日早朝の終値は18.64リラで先週末終値の18.63リラからは0.01リラのドル高リラ安だった。
12月17日の官報で昨年12月のリラ暴落対策で導入されたリラ建て預金の為替差損補填政策が1年間延長されることが決定したが、リラ買い材料にはならず、19日は米長期債利回りの上昇によりドル高優勢となったことでリラ買いの動きは乏しく、18.64リラを挟んでの小動きに止まった。
12月19日はトルコ独自の材料はなかったものの、20日は12月の消費者信頼感指数、22日にはトルコ中銀MPC(金融政策委員会)、23日には11月海外観光客数の発表と続く。トルコ中銀によるスワップ市場を使った介入や外貨保有企業への規制による外貨からリラへの転換がリラ暴落を抑え込んでおり、高インフレが続く中でインフレ率とみあったリラ安とは言えないために潜在的なリラの急落リスクは付きまとう。
【ドル円と共に12月2日からの持ち合い放れを試す】
ドル/トルコリラが毎月史上最安値を更新しつつも暴落商状には陥らずに抑制された動きが続いているため、トルコリラ円はドル円の騰落と一蓮托生で推移している。
ドル円は12月2日安値で133.60円をつけて10月21日高値151.94円以降の安値としたが、その後は新たな安値更新を回避して持ち合いの様相となっている。高値ラインは12月7日の137.85円から12月13日の137.97円、16日未明の138.17円へと徐々に切り上がっているが、12月15日安値134.56円まで3.41円の急落が入ってから切り返すなど、ジグザグの騰落での持ち合い状態となっている。12月16日未明高値を上抜けば、12月14日夜安値を中心として12月9日夜と12月19日夕の安値を両肩とした逆三尊構成となり持ち合い上放れへ進むことになるが、わずかな高値切り上げではその後の失速でややジリ高気味の持ち合いにとどまり持ち合い下放れへの懸念も継続する。
トルコリラ円も10月21日高値8.17円から12月2日安値7.17円まで下げた後は12月13日と12月15日に7.42円の同値で付けた高値ラインが上値抵抗線となる持ち合いであり、7.42円超えへ進めば持ち合い上放れに入って7.50円超を目指す上昇期という印象が強まると思われるが、7.42円超えへ進めないうちは持ち合い継続により持ち合い下限を再び試しにかかる可能性を残す。
本日の日銀金融政策決定会合結果と黒田総裁会見がドル円を動意付かせればトルコリラ円にとっても持ち合い放れのきっかけとなる可能性があると注目したい。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月19日早朝へ一段安したところからの切り返しを続けて12月16日未明高値からの下げ幅に対して半値以上を解消しているので、19日朝安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしているところと思われる。高値形成期は20日の日中から23日未明にかけての間と想定するが、戻りは短命の可能性もあると注意し、12月19日朝安値割れからは新たな弱気サイクル入りとして22日朝から26日朝にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では12月19日深夜への上昇で遅行スパンが好転し、20日午前序盤の続伸で先行スパンからも上抜けてきているので、遅行スパン好転中は高値試し優先とする。遅行スパンが一時的に悪化しても先行スパンからの転落を回避するうちはその後に遅行スパンが好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は12月19日早朝の下落で30ポイントをつけてから持ち直して20日午前序盤には60ポイント台へ乗せているので70ポイント台への上昇余地ありとみる。ただし50ポイント割れから続落に入る場合は下げ再開とみて30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.31円を下値支持線、7.37円を上値抵抗線とする。
(2)7.37円超えからは7.40円台序盤への上昇を想定する。7.42円前後では売られやすいとみるが、7.35円以上での推移か直前高値から0.10円を超える反落が発生しないうちは21日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.31円割れからは下げ再開とみて7.27円前後への下落を想定する。下げ足が速まる場合は7.25円前後へ下値目途を引き下げ、21日以降の続落を想定する。
【当面の主な予定】
12月20日
16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 76.6)
23:30 11月 中央政府債務 (10月 -380.8億リラ)
12月22日
20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 9.0%、予想 9.0%)
20:30 週次 外貨準備高 12/16時点 グロス (12/9時点 848.1億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 12/16時点 ネット (12/9時点 267.56億ドル)
12月23日
17:00 11月 観光客数 前年同月比 (10月 38.36%)
12月26日
16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 97.9)
16:00 12月 設備稼働率 (11月 75.9%)
注:ポイント要約は編集部
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