欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表
昨日ECB金融政策会合後に要旨の記者発表がありました。政策金利に関しては事前の予想通り、0.50%の利上げを実施しました。高いインフレ率が続く見込みで、今後も継続利上げを想定しています。また、債券購入に関する項目は次回会合で公表する予定になっています。
FOMC及びECBで来年前半も利上げ継続姿勢を打ち出しました。
以下は昨日の金融政策に関する記者発表要旨です。
(記者発表要旨)
本日、運営審議会は3つの主要ECB金利に対し50ベーシスの引き上げを決定した。これはインフレ見通しの大幅な上方修正に基づくものであり、更に金利を引き上げる見通しである。特に、運営審議会は、インフレが中期目標の2%に戻ることを確実にするため、制限的な水準まで到達するには十分に着実なペースで金利が上昇する必要があると判断した。金利を制限的な水準に維持することは、暫くの間、需要を損ねることでインフレを低下させ、インフレ期待の根強い上方シフトのリスクに対する防御にもなっている。運営審議会の将来の政策金利決定は引き続きデータに依存し、会合毎のアプローチに従うことになる。
ECBの主要金利は、金融政策スタンスを決める為の審議会の主要ツールとなっている。本日、運営審議会は、ユーロシステムの金融政策債券保有の正常化に対する原則についても議論した。2023年3月初から、ユーロシステムは満期が到来した元本支払いの全てを再投資しないことから、資産購入プログラム(APP)のポートフォリオは整然とかつ予測可能なペースで減少していくことになるだろう。この減少は2023年第2四半期末までに平均して月額150億ユーロになる。その後のペースは時間経過と共に決定される。
2月の会合で、運営審議会はAPP保有の減少に関する詳細なパラメーター(範囲)を発表するつもりである。(APP保有に関する項目一部略)
2023年末までに、運営審議会はまた短期金利の舵取りに対する運営枠組みの見直しをするつもりである。
運営審議会は本日、金利を引き上げ、そして更に大幅に上げる見込みである。これはインフレが依然としてあまりに高く、目標を長期間上回り続けるとの予想からである。ユーロスタットの暫定値によれば、インフレは11月に10%だった。10月の10.6%よりは幾分下がった。この下落は主にエネルギー価格インフレが下がったことによる。(一部略)極めて不確実性がある中、ユーロシステムのスタッフはインフレ予想の著しい上方修正を行った。現在、彼らは平均インフレが2022年に8.4%まで達し、2023年には6.3%まで下がる見込みである。インフレは年間通して著しく下がると予想している。その後インフレは2024年に平均3.4%、2025年に平均2.3%になると予想している。エネルギー・食料除くインフレは2022年に平均3.9%、2024年に4.2%まで上がり、その後は2024年に2.8%、2025年に2.4%まで下がる。
(景気に関する項目は一部略)全般的に、ユーロスタッフの予想では、経済が2022年に3.4%まで成長し、2023年には0.5%、2024年には1.9%、2025年には1.8%の成長を予想している。
ECBの主要金利
運営審議会は3つの主要ECB金利を50ベーシスポイントの引き上げを決定した。これに従い、政策金利(主要リファイナンスオペの金利)、限界貸付金利、中銀への預金金利はそれぞれ2.50%、2.75%、2.00%である。2022年12月21日から有効となる。
(以下APPとPEPP、リファイナンスの項目は略)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
ユーロドルの相場は発表前に1.0620〜25付近で推移していましたが、来年以降も利上げ継続の内容に1時間後には1.0735まで買われ、その後は1.06割れまで反落するも1.0628でひけました。
尚、次回のECB金融政策は2023年2月2日に予定されています。
(2022年12月16日14:30、1ユーロ=1.0645ドル)
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