豪ドル/円、短期は“弱気”。中期トレンドは“強気”を維持。
14日のFOMCでは、予想通り0.5%の利上げ実施、パウエルFRB議長のコメントがややタカ派的な内容であったものの、為替市場では行って来いの展開となり大きな混乱はありませんでした。翌15日に発表された豪11月の失業率は3.4%と事前予想通りでしたが、就業者数は前月比+6.40万人と、市場予想の1.90万人を大きく上回り雇用市場が堅調であることが確認されました。また10月の就業者数も上方修正されましたが、これらの好材料は豪ドル相場に反映されませんでした。しかし同日のNY市場で発表された、11月の米小売売上高が▼0.6%と2021年12月以来の大幅な落ち込みとなったことや、NY連銀製造業景況指数も▼11.1と大幅なマイナスとなり市場予想を大きく下回ったことから、アメリカの景気後退懸念が急速に高まり、株式市場が大幅に下落する中で、為替相場はリスク回避のドル買いに繋がり、豪ドルは対米ドルで下落、対円でも上値の重い展開となっています。
チャートを見ると、日足は9/13につけた98.60を基点として上値を切り下げる流れにあり、また、10/13につけた90.85を直近安値とする短期的なサポートラインからも下抜けた位置で推移しており、下値リスクが高い状態に変わりありません。短期トレンドは93.10-20の抵抗を上抜けて終えれば下値リスクがやや後退、93.50-60の抵抗を上抜けて終えれば“強気”に変化します。逆に、90円台を割り込んで終えた場合は、88円方向への新たな下落リスクが点灯します。日足の上値抵抗は、92.50-60,93.10-20,93.50-60に、下値抵抗は91.70-80,91.20-30,90.00-10にあります。21日、120日、200日移動平均線は、92.90,94.02,93.23にあり、全てを下抜けて短期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにあります。
一方、直近の週足は陽線で切り返して続落を食い止めましたが、前週の下げ幅を取り戻していません。今週は上値トライのスタートとなりましたが、週足の上値抵抗にぶつかって反落しており、下値リスクを残した状態です。短期トレンドは93.70-80の抵抗を上抜けて越週しない限り、変化しません。また89.90-00に強い下値抵抗がありますがこれを割り込んで越週した場合は、2020年3月につけた59.91を基点とする中・長期的なサポートラインを下抜けて、中期トレンドにも変化が生じます。週足ベースで見た上値抵抗は93.10-20,93.70-80に、下値抵抗は91.20-30,89.90-00にあります。31週移動平均線は93.65にあり、短期はトレンド“豪ドル弱気”の流れですが、62週線は89.50に位置しており中期トレンドをサポートしています。
12/15現在、31週移動平均線は93.65にあり下値リスクが高い状態だが62週線は89.50にあり中期トレンドをサポートしている。
オーダー/ポジション状況
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