トルコリラ円見通し ドル全面高、ドル円急伸に合わせて7.40円台に到達(22/12/16)

トルコリラ円の12月15日は7.42円から7.25円の取引レンジ、16日早朝の終値は7.39円で前日終値の7.27円から0.12円の円安リラ高となった。

トルコリラ円見通し ドル全面高、ドル円急伸に合わせて7.40円台に到達(22/12/16)

トルコリラ円見通し ドル全面高、ドル円急伸に合わせて7.40円台に到達

〇トルコリラ円、12/15はドル円の持ち直しに合わせ、ドル円136円突破時に7.30を超える
〇12/16未明には7.42まで高値を伸ばし、午前序盤も7.38前後で確り
〇対ドル、全般の流れに左右されず、引き続き18.50近辺で戻り売りされ史上最安値を試す展開
〇12/16未明に18.57まで戻したところを売られ、18.64へ失速
〇外貨準備高の増加続くが、中長期的なリラ安基調は変わらないか
〇7.35を上回るうちは上昇余地ありとし、7.42超えからは7.45前後への上昇を想定する
〇7.35割れを弱気転換注意とし、7.33割れからは下落期入りとみて7.30前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の12月15日は7.42円から7.25円の取引レンジ、16日早朝の終値は7.39円で前日終値の7.27円から0.12円の円安リラ高となった。
ドル円の騰落に合わせた展開を続けているが、ドル円が12月13日夜の米11月CPI発表をきっかけに急落となり12月13日午後高値137.97円から13日深夜安値134.65円へ3円を超える下落規模で14日夜には134.56円まで安値を切り下げたが、15日未明のFOMC声明発表直後に135.99円までいったん戻した。12月15日の日中は135円台で確りしていたが夕刻に136円を突破したことで勢い付き、深夜から16日未明にかけてのドル全面高により138円台序盤へ到達した。

トルコリラ円はドル円の12月13日夜からの急落により13日午前高値7.42円から13日深夜安値7.22円へ大幅下落し、14日夜に7.21円まで安値を切り下げたが、FOMCをきっかけとしたドル円の持ち直しで7.30円へ戻し、いったん下げたところを押し目買いされてドル円の136円突破時に7.30円を超え、16日未明には7.42円まで高値を伸ばした。16日午前序盤も7.38円前後を支持線として確りしている。

【ドル/トルコリラ、最安値近辺でのもみ合い続く】

ドル/トルコリラの12月15日は18.66リラから18.57リラの取引レンジ、16日早朝の終値は18.64リラで前日終値の18.62リラから0.02リラのドル高リラ安だった。
12月15日未明の米FOMCでは利上げペースが0.50%へと減速したことでいったんドル安反応が見られたが、15日夜はECBの利上げによりユーロが一時的に急伸したものの深夜の反落で利上げ発表前水準を割り込み、英中銀の利上げではポンド買いが勢い付かずに深夜に大幅下落した。ECBも英中銀もFRBと同様に景気後退への懸念を強く示したことで欧米株安となりNYダウが一時900ドル安を超える下落となるなど金融市場全般がリスク回避的な動きへと風向きを変えた。9月後半からのドル安基調が一巡している可能性もある。
ドル/トルコリラは全般の流れにさほど左右されずに18.50リラ近辺で戻り売りされて史上最安値を繰り返し試す展開を続けているが、16日未明に18.57リラまで戻したところを売られて18.64リラへ失速している。

【外貨準備高の増加続く】

12月15日夜に発表された週次の外貨準備高は12月9日時点のグロスで848.1億ドルとなり12月2日時点の813.0億ドルから大幅増となった。ネットでも267.56億ドルとなる12月2日時点の231.2億ドルから大幅増となった。
外貨準備高のネットは2021年11月に326.4億ドルまで拡大したところから大幅減少に転じて今年7月には60.7億ドルまで減ったのだが、その後は徐々に持ち直しており、12月2日時点の急増により2021年12月水準まで回復していたところからさらに増加した。またグロスでは2021年11月の879.2億ドルから今年7月に588.7億ドルまで減少してきたが、その後は持ち直し基調を続けて12月2日時点で昨年12月のピーク直後の水準まで回復しているところからさらに増加した。

外貨準備高の増加は友好国との通貨スワップ協定の強化、国内輸出関連企業に対して融資禁止をちらつかせて基準を超える保有外貨をリラへ転換させていること、ロシアの原発投資などによる資金流入、感染規制が緩む中で海外からの観光客が回復してリラ安による割安感から観光収入が大幅に増加していること等が寄与しているようだ。外貨準備高の増加はリラの資産価値を担保するものだが、高インフレに率との比較ではまだリラの下落余地があるとの見方も根強く、中長期的なリラ安基調は変わらないだろうと思われる。

【ドル円は138円前後の壁を超えて一段高へ進めるか】

トルコリラ円とドル円は一蓮托生の動きを続けているところだが、ドル円は12月2日と12月13日夜及び14日夜の135円割れを買い戻されて16日未明には138.17円へ上昇したが、16日午前は138円を割り込んでいる。
12月7日高値137.85円と12月13日高値137.97円を含めて138円前後の水準が上値抵抗となり、12月2日安値133.60円から12月14日夜安値134.56円へと若干下値支持線が切り上がる持ち合いの様相となっている。138円台中盤へ高値を切り上げれば持ち合い上放れに入り上昇が勢い付くと思われるが、138円台に乗せても維持できないうちは持ち合い圏での騰落を繰り返す可能性がある。

トルコリラ円は12月13日高値と12月16日未明高値が7.42円の同値で上値抵抗線を作っており、ドル円の138円前後を抵抗線とした動きと同調している。ドル円が持ち合い上放れに入ればトルコリラ円も7.42円でのダブルトップ型の抵抗線突破により7.50円前後を目指す上昇期へ進む可能性が高まると思われるが、7.42円前後で引っかかるうちは持ち合い上限から下限へと揺れ返しの下落へ進む可能性が残る。7.30円台中盤までで確りして持ち合い上放れへ向けた足場を固められるか試されるところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月13日午前高値からの下落が12月14日夜安値で一巡して強気サイクル入りしたとして16日午後から20日午後にかけての間への上昇を想定した。
12月16日未明へ続伸した後も高値圏を維持しているのでまだ一段高余地ありとするが、7.35円割れを弱気転換注意とし、7.33円割れからは弱気サイクル入りとして19日夜から21日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月14日夜安値からの反騰を継続して遅行スパンが好転し、先行スパンも上抜いたが、その後も両スパンそろっての好転が続いている。高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすくなると注意し、遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて安値試し優先へ切り替えて先行スパンの上下限を試す下落を想定する。

60分足の相対力指数は12月16日未明への上昇で80ポイントに到達してから下げているものの、55ポイント以上での推移中はもう一段高余地ありとみる。ただし相場が一段高するところで指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は下げ再開を警戒し、50ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント前後への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.35円を下値支持線、7.42円を上値抵抗線とする。
(2)7.35円を上回るうちは上昇余地ありとし、7.42円超えからは7.45円前後への上昇を想定する。7.45円前後は反落警戒とするが、7.35円を上回って週を終える場合は週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.35円割れを弱気転換注意とし、7.33円割れからは下落期入りとみて7.30円前後への下落を想定する。下げ足が速まる場合は7.27円前後へ下値目途を引き下げ、7.33円を割り込んでの推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12月20日
 16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 76.6)
 23:30 11月 中央政府債務 (10月 -380.8億リラ)
12月22日
 20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 9.0%、予想 9.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 12/16時点



注:ポイント要約は編集部

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