米指標に引き続き注意、英欧金利発表も警戒
〇本日のドル円、夕方に掛けて緩やかな右肩上がりで135.70レベルまで上昇
〇昨日の米FOMCとパウエル会見はトータル的に「予想よりもタカ派」だったとの見方多い
〇本日は11月小売売上高や同鉱工業生産などの米経済指標が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40
〇ドル高方向は昨日高値135.99が最初の抵抗、ドル安方向は135.30-40が最初のサポート
米指標に引き続き注意、英欧金利発表も警戒
15日の東京市場はドルが小じっかり。135円台から離れることはなかったが、早朝を安値にじり高推移をたどっていた。
ドル/円は135.45-50円で寄り付いたのち、小緩むと日中安値の135.25円レベルを示現。しかし、目先底入れ後は逆にドル買いが優勢となり、夕方に掛けては緩やかな右肩上がり。135.70円レベルまで上昇し、16時現在ではそのままドルの高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、豪中などで注目度の高い指標が幾つか発表され、たとえば11月の豪雇用統計は予想を上回る内容となったが、結局のところ影響は限られている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、13日に発表された米消費者物価が予想を下回る内容でドル売りが一時殺到した余韻もまだ残るなか、米FOMCで「0.5%の利上げ」が正式発表されている。こちらは事前予想通りで基本ノーインパクト。しかし、その後実施されたパウエルFRB議長の会見と合わせ、「全体のトーンは予想よりもタカ派だった」といった見方も多く、実際に一時ドルは対円などで買い進められたものの、勢いは続かずに結果的に「行って来い」。失速するという結果にとどまった。
対して後者は、世界保健機関(WHO)の緊急事態対応を統括するライアン氏が、中国における新型コロナ感染増について、「ゼロコロナ政策の緩和ではなく、ワクチン接種率が低いことが理由」と述べたうえで、さらなる感染拡大に懸念を示したことが話題に。その一方、米NSC報道官は「要請があれば中国に支援する用意がある」と述べたものの、具体的な要請はまだないとしていた。なお、そうしたなか中国は、岸田内閣が16日にも閣議決定する防衛3文書における表現に噛み付き「理不尽な汚名だ」と反発したほか、米国についても「WTO規則を順守していない」と非難したうえで、「米国は明らかに多国間貿易システムの破壊者だ」と糾弾していたという。
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13日の米消費者物価発表後はかなりの大荒れとなったドル/円だったが、昨日はそれと比べると静か。米FOMC前後には1円を超える変動を記録してはいるが、結果的に「行って来い」に終わるなど、なんとなく消化不良の感も残る。いずれにしても、年内最後の動意材料と言われた米FOMCをこなしたことで、しばらくは134.50-136.00円といったようなレンジ取引をたどる可能性も否定できないが果たしてどうなのだろうか。
前述したように、昨日の米FOMCそしてパウエル会見と、トータル的には「予想よりもタカ派」だったとの見方も多いが、肝心の米金利がそれに付随せず。なんともしっくりこない状況だが、引き続き本日も発表される一連の米経済指標の内容には要注意で、再び事前予想値と乖離した数字がでれば相場が荒れ模様となる可能性もある。また、本日は昨日の米国を受け、英国とECBが政策金利を発表する予定だ。ポンドやユーロが相場変動になりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き微妙ではあるものの、辛うじてNYクローズベースでは移動平均の200日線を上回っての推移となっている。今後月末に掛け136円台までレンジを切り上げることが予想されるだけに予断を許さないものの、ドルもそれに沿って底堅い推移するのか攻防に注目だ。
それに対するドルのサポート、200日線をしっかりと下回った場合には時間足など短期ベースで、かなり底堅そうな134.50-70円レベルとなる。
本日は米経済指標として、11月の小売売上高や同鉱工業生産などが発表されるほか、米上院でつなぎ予算の採決そして可決されるという状況にも一応要注意。そのほか、トランプ前米大統領がまたぞろ「重大発表をする」と予告を発したこともやや気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.40円。ドル高・円安方向は昨日高値135.99円の攻防にまずは注目。抜けると136円後半から137円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、足もとザラ場ベースで上回っている200日線、135.30-40円が最初のサポート。下回ると134.50-70円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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