米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利記者発表
(会合は2022年12月13・14日開催分)
昨日開催されたFOMC金融政策会合の記者発表要旨が公表されました。金利面では事前予想通りの0.50%の利上げ実施となり、今後も利上げ姿勢の継続を公表し、インフレ上昇圧力は高いままであることを確認しています。内容は前回11月会合と変わりませんでした。
(1) FOMC声明文記者発表要旨
最近の指標は消費や生産で緩やかな伸びを示している。雇用の増加は最近数ヶ月で強くなっており、失業率は依然として低いままである。インフレは依然として上昇している。これはパンデミックに関連した需給の不均衡、食料とエネルギーコストの一段の上昇、より広範な物価圧力を反映したものである。
ウクライナに対するロシアの戦争は途轍もない人的・経済的辛苦をもたらしている。戦争とそれに関連した出来事がインフレに更なる上昇圧力を生み、世界的な経済活動の重石となっている。委員会はインフレリスクに関して非常に注意を払っている。
委員会は最大雇用と長期的にインフレ2%目標を達成することを目指している。これらの目標を支援するために、委員会はFFレートの目標レンジを4.25〜4.50%に引き上げることを決定した。委員会は、時間経過と共にインフレを2%に戻すべく十分に制限的な金融政策スタンスを達成するため、目標レンジの継続的な引き上げが適切であると予想している。目標レンジの将来の引き上げペースを決定する際に、委員会は金融政策の累積的引き締め、金融政策が経済活動とインフレに影響を与える遅れ(ラグ)、そして経済や金融情勢の進展を考慮していく。加えて、委員会は国債、機関債、不動産担保証券の保有を継続的に削減してことになる。これは5月に公表した「FRBバランスシートサイズ減少計画」に記載されている。委員会はインフレを2%目標へ回帰させることを強く付託されている。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対し入手する情報の含みを引き続き監視していくつもりである。もし委員会の目標達成を妨げるリスクが生じた場合、委員会は金融政策スタンスを適宜調整する用意がある。委員会の査定は、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待、金融および国際情勢に関する分析を含む幅広い情報を考慮にいれる。
金融政策行動に対する賛成票:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、マイケル・バー、ミシェル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、ジェームス・ブラード、スーザン・コリンズ、リサ・クック、エスター・ジョージ、フィリップ・ジェファーソン、ロレッタ・メスター、クリストファー・ウォラー。(全員賛成)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2) FRB経済見通し中央値(12月時改定)
9月の見通しは大きく改訂され、GDPは2023年に一段とダウン、失業率は更に悪化、インフレは上方修正となりました。結果、ドットプロット(分布は下記(3)をご参照願います)によるFFレートの中間値はこの3ヶ月間で2023年中に0.5%引き上げています。まだFRBは景気への配慮よりインフレ沈静下を目指しているようです。
(3)ドットプロット
前回9月
予想委員19名
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今回12月
(12月の赤字部分は9月時予想では無かった水準です)予想委員19名
利上げは前回と同じ2023年まで続きますが、最大でFFレート5.50〜5.75%まで、75ベーシス上昇し、中間値は5.1%(前回4.6%)で50ベーシスの上げになっています。2024年以降は緩和への舵を切り替えています。
尚、CME Fedwatchはやや最大が5.25〜5.50%までとなり、現状では来年の利上げは最大で1%になっています。(赤字の5月3日の5.50%以上が無くなりました。)
利上げ予想(12月13日時点:今回FOMC前)
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利上げ予想(12月14日現在:FOMC後)
昨日のドル円相場はFOMC前に134円80銭付近で推移していましたが、瞬間135円99銭まで買われ135円47銭で引けました。
次回FOMC会合は2023年2月1日(水曜日)に予定されています。
(2022年12月15日15:40 1ドル=135円70銭)
オーダー/ポジション状況
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