ドル円 米FOMCに注目、基本はドル高継続見通し(5/1夕)

東京市場はドルが底堅い。レンジは狭く上値も限られたが、157円半ばを下回る局面すら一度も観測されていない。

ドル円 米FOMCに注目、基本はドル高継続見通し(5/1夕)

米FOMCに注目、基本はドル高継続見通し

〇東京市場ドル円、40ポイントにも満たない値動きながら157円後半を中心に底堅い
〇目先ボトムから3.5円ほど値を戻し、フィボナッチ61.8%戻し(158.05)レベルの攻防に注目
〇本日、4月ADP雇用統計やISM製造業景況指数などの米経済指標が発表予定
〇米FOMCはじめ週末の米雇用統計の発表など注目材料目白押しで波乱含み、思わぬ価格変動に要注意
〇ドル高円安方向、158円レベルの攻防に注目。抜ければフィボナッチポイント158.85-90がターゲット
〇ドル安円高方向、157円が強いサポート。仮に割り込んでも介入でなければドルは底堅そう
〇欧米時間のドル/円予想レンジ:157.30-158.50

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが底堅い。レンジは狭く上値も限られたが、157円半ばを下回る局面すら一度も観測されていない。

ドル/円は157.80円レベルで寄り付いたものの、基本的には小動き。40ポイントにも満たない値動きに終始している。しかし、鈴木財務相をはじめとする本邦要人の円安けん制発言が聞かれないなか、ドルは157円後半を中心に底堅い。16時現在では高値圏の157.95円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入」と「米ファンダメンタルズ」について。
前者は、ドル/円が一時160円台を示現したその日、4月29日には当局の「覆面円買い介入」と思しき動きが観測されたが、神田財務官は「為替介入については有無も含めてコメント差し控える」など明言を避けていた。しかし、日銀が発表した当座預金残高見通しにより、それがほぼ事実であったことが明らかとなり、金額についても「5.5兆円規模」と推測されている。事実とすれば、2022年10月21日の介入額5兆6202億円に迫る規模であり、「円買い介入」としては過去最高にほぼ匹敵する。予想以上に本気で円安に歯止めを掛けに来たと言えるかもしれない。

対して後者は、結果として金融市場への影響は限られたが、昨日発表された4月の消費者信頼感指数など幾つかの米経済指標が予想を下回る内容で、市場で思惑を呼ぶ。ドル/円ではわずかながらドル売りの要因にも。しかし、イエレン米財務長官は「米国民の生活は全般的に良好となっている」と指摘したうえで、むしろ「インフレは大幅に低下した」ことを好感したコメントを発していた。なお、そうしたなか米紙WSJは「米利下げ実現でも超低金利時代は終えん」−−などと伝えていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

先で指摘したように、ドル/円相場は当局の円買い介入もあり週明け29日は大荒れとなったが、少しずつ落ち着きを取り戻しつつあるようだ。とは言え、円買い介入により一時154円半ばまで下落したものの、気が付けば本日東京では一時158円レベル。つまり目先ボトムから3.5円ほども値を戻している計算で、これは今回介入後の動きをフィボナッチで考えた場合の下げ幅の61.8%戻し(158.05円)にも近い。まずは同レベルの攻防に注目だ。
日米金融政策が引き続き市場で注目を集めるなか、本日は米FOMCによる結果発表が予定されている。金利の変更そのものを見込む向きはほぼいないが、問題は先行きの見通しについて。一部からは「年内利下げ回避」見通しなども取り沙汰されているだけに、果たしてどういった内容となるのか要注意だ。また、それとともに注視されているのが日本当局の追加実弾介入について。レベル的には158円台を要注意ゾーンと認識する向きが多いようで、それからするとドルは頭の重い値動きをたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、4月29日だけで5.7円も変動したドル/円だが、さすがに少し落ち着いてきた。しばらくは156-158円を中心に次の方向性を探るといった声も聞かれているものの、米FOMCをはじめ週末にかけて米雇用統計の発表など注目材料が目白押し。また日本がゴールデンウイーク、中国も本1日から週末にかけ長期の連休、英独市場のメーデーにともなう休場−−などが重なり波乱含みの様相だ。思わぬ価格変動にも十分な注意を払いたい。

本日は米経済指標として、4月のADP雇用統計や同ISM製造業景況指数などが発表される予定。それぞれかなり重要な指標であり、また前述したように昨日発表の米指標が冴えない内容だっただけに、通常以上に注視されているようだ。ただ、米FOMC結果発表がそののち実施されることから、影響は限られるとの見方も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは157.30-158.50円。ドル高・円安方向は本日東京でしっかりとは超えられなかった158円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ少し遠いがフィボナッチポイントにあたる158.85-90円がターゲットか。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜けるのに時間を要した157円がなかなか強いサポートになりそう。ただ、仮に割り込んでも介入でなければドルは底堅そう。

米FOMCに注目、基本はドル高継続見通し

ドル円日足


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